#113 ジブラルタル英国領へ!🇬🇮🇬🇧第16か国目とさせて下さい(笑)
9/12 アルヘシラスからローカルバスで英国領ジブラルタルへ/世界一周5か月終了
貧乏性なので、値段据え置きでアップグレードしてくれたホテルを出るのは凄く勿体ない気がしてしまって、目を覚ましてもベッドの上でゆっくりしていた。シャワーを浴びて、ようやくチェックアウトをしたのは11時半だった。「オハヨウゴザイマス。アリガトウゴザイマス」
年配の女性オーナーにカードキーを返して、バックパックは倉庫に置かせてもらう。
今日は21時の夜行バスに乗ってマドリードへ向かう日だが、その前に「英国領ジブラルタル🇬🇮」に遊びにいく予定だ。イベリア半島に英国領があることは世界史の関係で知っていたが、現地に足を運べると思ってなかったので心が躍る。
バス停「サン・ベルナルド」のM120番バスがジブラルタル英国領前まで運行している。次のバスは10分後の12時発のようだ。Duolingo アプリでスペイン語を練習している成果を発揮する時が来た。
「¿Puedo comprar un boleto à Algeciras?(アルヘシラス行きの切符はどこで買えますか?)」
良かった、噛まずに言えた。そう思ったが、
「¿A dónde?(どこまで?)」と返ってきた。一瞬戸惑ったが、すぐに間違えていることに気づいた。アルヘシラスは現在地だ。ジブラルタル行きだった。「Perdon. A Gibraltar.」
通じたらしく、「En el bus(バスの中で買えるよ!)」と教えてくれた。そして別の人から、「ジブラルタルは終点だから心配しないでいいよ!」との情報をくれた。
ジブラルタルまでは片道2.5€(394円)。道は少々混んでいたが、出発から45分で到着できた。ジブラルタルに入ってしまうと通貨はポンド(£)になるので、入国前に何か食べることにした。💷
バス停の近くにスーペルメルカド(スーパーマーケット)があったので、パンと8Pチーズを買い、ホテルから持ってきた残りのハムを挟んでハムチーズサンドの出来上がり。チーズが濃厚で最強に美味かった。
国境でパスポートを提示する。持ち物検査等は特になく、質問等も無かったが、自分のパスポートは既にスタンプが多過ぎたらしく、入国審査官が見つけられなかったので一旦返され、「見つけられないから自分自身で見つけてくれ、悪いね」と言われ、探し当てて再度提出したら、スタンプを押してくれた。英国はシェンゲン協定に加入していないので、シェンゲンエリアから一回出国したという扱いになる。ともかくも、ジブラルタル英国領に入国できて気分はとても良かった。
ジブラルタルで最初に面白いのは、空港の滑走路を歩いて横断できるというところだろう。こんな空港は他にない。飛行機が離着陸する時は通行止めになるのだ。渡っていると、ジブラルタルのシンボル「ザ・ロック」と呼称される高さ400m以上ある岩山の存在感に圧倒される。島の頂上には英国軍の観測基地がある。航行する船舶の監視や地中海全体をレーダーで見渡せることは、英国にとってとても利点があるのだろう。因みに帰属問題が表面化した時、国連もスペインに返せと勧告したらしいが、イギリスの巧みな策略で住民投票を行い、99%がイギリス残留を望んだため現在も英国領になっているのだとか。その当時、英国とスペインでは経済格差があった為である。こういった外交的強かさは流石だと言える。今では英国による統治がスペイン統治よりも長くなった。
滑走路を渡ってしばらく歩きトンネルを越えると、メインストリート入り口の広場に出る。パティオで観光客がフィッシュ&チップスやコスタコーヒーを注文してテラス席で食べている。メインストリートの街路樹は若干既に紅葉が始まっており、英国国旗とジブラルタル国旗が天に吊るされていて映える。行き交う人々賑やかだった。🇬🇧🇬🇮
しかし、自分は「どこか英国本土とは違うなぁ」と違和感を感じていたが、その理由はすぐに分かった。陽の光が明るいのだ。大学生の時、実弟と英国旅行に行ったことがあるが、ロンドンを始め、各都市の空はよく曇っていた。それに比べてここは明るく陽気な雰囲気である。自分が英国人ならこっちへ移住するかもしれない。
メインストリートの真ん中にポストオフィスを発見した。今日は9月12日。今日で日本を立ってから丁度5か月が終了したことになる。ふと、誰かに手紙を書いてみようという気になった。「日本まで葉書を送る費用はいくらですか?」と聞くと、女性の係員が「1.15£(200円)よ」と教えてくれた。クレジットカードも使えたようだが、ジブラルタル国際銀行のATMで20£(3673円)をキャッシングした。引き出し過ぎた気もしないではないが。
ホテルにボールペンを置いてきてしまったので、1£(183円)のボールペンと、0.40£の葉書を買った。宛先はお世話になっている地元少年団の代表に送ってみた。というより、スマホはオフラインで使えないので、実家の住所と家が近い彼の住所しか分からなかったからだ。「日本までお願いします」と伝え、料金を支払った。果たしてちゃんと届いてくれるだろうか。
メインストリートを抜け、ケーブルカーの近くまで行く。これを登ってしまうと時間が足りなくなるのと、往復20£(3673円)かかり、予算オーバーのため断念したが、隣にある「アルメダ庭園」を散策した。植物園になっていて普段見慣れない南国系の植物も見ることが出来る。この庭園から美しいアフリカ大陸がよく見える。ここはジブラルタルだから、対岸はセウタの町だろうか。あの大陸に2か月滞在していたことを思うと、しみじみとした感情が駆け巡った。
「さらばアフリカ。また会おうぜ。」
元来た道を戻り、トラファルガー墓地を見学してメインストリートの入り口まで戻ってきた。引き出した現金がまだまだ残っていたので、自分もフィッシュ&チップスを頼んだ。王道の鱈にした。これで10£(1836円)はジョークかと思うが、今は現金を使い切ることが先決だ。そのあともコスタコーヒーでコールドブリューラテを3.5£で購入し、グミなどのお菓子類を買ったあと、最後の小銭は座っていたおじさんに寄付した。
滑走路に戻ると、ゲートが閉められていた。運がいいことに飛行機が飛び立つ瞬間に立ち合える。プライベートジェット機が一機、目の前で飛んで行った。ジブラルタルの岩山「ザ・ロック」を背景に飛んでいく様はかなり格好よかった。
18時になったので、スペイン側び再度入国し、18:45のM120番のバスでアルヘシラスまで戻った。
ジブラルタル英国領を存分に堪能出来た一日だった。
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