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#156 チリ最南端!プンタアレーナスに移動!日本語ぺらぺらな中国人🇨🇱
12/17 プエルトナタレスからバスでプンタアレーナスへ/アカンさんと町散策
プエルトナタレスのセカンドホステルの朝食は豪華だった。昨日はベッドの質も良く、快眠だったので体も軽い。
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今日はバスにてプンタアレーナスへと向かう。昨日バスターミナルで11時発の切符を9800ペソ(1599円)で手配しておいた。他のバス会社より200ペソ安い。
10:15にホステルをチェックアウトし、10:20にはバスターミナルに到着した。バスは早めに来てくれ、座席指定はなかったので一番前の席に座った。毎度の通り、車窓からの景色は美しい。
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出発から3時間でプンタアレーナスに到着した。まず最初にBUS SURというバス会社に赴き、ここからアルゼンチン最果ての町「ウシュアイア」に行くバスが出ているかどうかを確認する。係員に聞けば、直接ウシュアイアに行くバスは月・水・金だけらしい。他の曜日でも行けないことは無いのだが、リオ・グランデという町でバスを乗り換える必要があるらしい。それは少々面倒くさいので自分は次の水曜日を待つことにしよう。
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ホステルに向かおうとした瞬間、40代と思われるアジア人の男性と目が合った。「Where are you from?」「China.」
自分は日本人だというと、流暢な日本語を話してきた。2001年から2011年まで日本に留学&仕事していたらしい。しかも埼玉県の大宮にいたというからこれまた驚きだった。彼はこの10年間決まった仕事には就かず、多くの時間を旅に費やしているようだ。賃金が上がらないことが理由らしい。
「ホテルどこに泊まってる?」と聞かれたので教えると、何と彼もそこに泊まっているというではないか(笑)
一緒にホステルまで行くことにした。
彼の名前はアカンさん。
「大阪弁でアカンって言うでしょ?笑」
たしかにとても覚えやすい。人の名前をすぐ忘れてしまう自分にはありがたい。
二人歩いている間に、必然的に話が盛り上がる。彼が辿ってきた経路から、チリで蟹が安く食べられたこと、前は1ドル100円だったのに今が円安で旅行者には不利なことなどなど。
南米の国ではコロンビアが好きだという。
「南米って怖いところだと聞いていた。中国の人、皆んなそう言う。でも来てみたら皆んな優しいし、親切。いつでも助けてくれる。やっぱり来てみないと分からないこと多いね。きれいな人も多いし笑」
本当にその通りだと思う。中国と比較すれば尚のことだろう。南米は日本でも怖いイメージがあるが、来てみたからこそとても優しい人たちだということが分かる。
「人間みんなどこでも同じだよ」
そう彼は言った。
旅をここまで続けてきたものとして激しく同意する。楽しい時に笑い、泣きたい時に泣くのだ。
自由を欲するし、毎日を楽しく生きたい。貧富の差こそあれ、求めるものはみんな同じだ。
「日本人はどうでもいいと思っちゃう事にもすごく細かいよね。」確かに一理ある。神は細部に宿る、なんて諺もあるが、もう少し崩してもいいのではないかという今日この頃。
自分は3日後にウシュアイアへ向かうことにしたが、彼は明日向かうらしい。チケットを買うためにバス会社にいたのだ。
ホステルに到着し、チェックインをしようとしたが、現金払いのみらしいので、荷物を置いてATMを探しに行った。ホステルからの道を下ると左右に銀行があったが2つとも開いていなかった。思案してスーパーマーケットに行ってみるとBCIバンクATMが置いてあったので100,000チリペソ(15989円)を引き出した。
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「Patagonia Mágica 」が今回のホステル名だ。アカンさんと同じ部屋に案内してくれた。しばらく休んでいると、アカンさんから「ちょっと町、歩かない?」と誘ってくれたので一緒に海の方に歩いて行った。ここからも南極行きのフェリーが出ているようで、「昨日まで停泊していたよ」とアカンさんがいう。乗船者は海沿いに立つ大きなホテルで出航を待つらしい。
世界一周を成し遂げた船の船長、マゼランの銅像がマゼラン海峡を指さして建っている。今日の空は曇りだが、かなり暖かい。昨日までは痛いくらい寒かったとアカンさんがいう。
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海沿いを進むと、多くの地元民がバスケやホッケーをしている。今日は日曜日で、親子で寛いでいる姿も多くあった。バスケットボールが海に流されて遠くまで行ってしまったのを見て笑っていた。
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歩いている途中、中国のことについて色々質問してみた。中国企業同士の競争が激しいので色んな会社が興っては消えていくという。アフリカ大陸での競争は殊更激しいようだ。「南米は中国から遠いから、まだそんなにじゃない。チャンスが眠っていると思う」
中国人の商売魂は見習うべきものがある。そして例えば異国の地で店を開く際、そこに住んでいる同胞が助けてくれるというのが中国の絆であり、それにより世界の至る所でも中国のコミュニティが出来やすいのだとか。これはもちろん観光客にもメリットがある話で、例えば両替時、彼らに頼むとお友達価格で応じてくれるのだとか。やはり人口14億のパワーというのは目を見張る。
6、7km歩いただろうか。目的地のメガスーパーマーケットにやってきたが、車一台もなく閉鎖されていた。バス停にいた地元のおばちゃんに聞いてみると、今日はチリの祝日かなんかで閉まっているとのことだった。残念。やってきた5番のバスに乗ってセントロまで帰った。ひとり330ペソ(52円)。
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ふたりスーパーで買い物をしてからホステルに戻り夕食作りに取り掛かった。アカンさんはトマトスパゲッティを作り、自分はズッキーニと玉ねぎ、ソーセージの炒め物とご飯を炊いた。アカンさんが中国の家庭ならどこにでもあるという調味料をくれ、それをかけて食べてみると味に深みが出るわ出るわ。さすが中国料理だ。
「中国料理はアジア人の旅人の味方ですよ。困った時の中華料理。本当にありがたい」
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翌日7時半、アカンさんが荷物をまとめる音で目が覚めた。
「行きますか。道中お気をつけて。」
ウシュアイアで再会する約束をして彼は旅立って行った。
次の日は雨だった。
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