#150 アルゼンチン第三の都市「サルタ」に向けバス移動🚌🇦🇷
12/1 雄大な山脈の中をバスで南下しサルタヘ/ファーストホステルは微妙だったけど、宿泊客で出会いがあったのでオールOK!
朝食をとった後、10時半にホステルを出てバス停に到着。サルタに向かうバス会社を吟味していると、一人の若い女性が「私は警察官です」と話しかけてきた。警察と聞いたら不安になってしまうのはどの国にいても同じだ。自分が何かやらかしてしまったのだろうか。スペイン語で何を言っているのかわからない。スマホ翻訳にタイプしてもらう。
どうやら自分が困っているものと見えたらしく、助けてくれようとしてくれたのだと理解した。警官のお姉さんが各バス会社に確認してくれた。警察官の言動はその国を反映すると自分は勝手に思っているので、こういう人助けをしてくれる警察官がいることでまた一つアルゼンチンを好きになるきっかけになった。
サルタへ直接行くバスは一時間半後の12:05とのことだった。料金は現金で7200ペソ(1342円)。2日前に乗ったバスが大体同じ距離で3200ペソだったので少し高く感じてしまった。フフイ州からサルタ州へと州をまたぐからかもしれない。もしかしたら、「フフイ」まで行って、そこから別のサルタ行きバスを見つけた方が安く、かつ時間も短縮できたかもしれないので少し失敗したが、まあ許容範囲内だ。売店にて水500mlを300ペソ(55円)で購入した。
バスは20分ほど遅れて到着し、サルタに向けて出発する。プルママルカやボルカンの町、州都フフイなどに停まりながらゆっくりと、しかし確実に進んで行った。広大な田畑を見るに、アルゼンチンの食料自給率は相当なものだろうと推察する。日本人としては、土地があって大量生産出来る国というのは食料安全保障の観点からも羨ましい。
16時半過ぎ、サルタバスターミナルに到着した。降りた瞬間、日差しの強さに気後れしてしまう。幸い本日の宿はここから徒歩10分ほどのところなので、日陰を歩いていく。公園には多くの市民がいた。
ホステルに到着し、料金を払おうとしたら、外国人はDÓLAR BLUEレートが適用されるという。つまり、表示されている金額より3倍近い価格だというのだ。2泊で9200ペソ(1664円)。正直納得いかなかったが、自分は寛大な男なのでこの程度の金額なら許してやろう。そもそも予約する時に理解できるように書いておいてほしいものだ。ホステル自体は若干狭く、コンセントが少ないのが残念だ。
サルタの中央部を散策しに行く。金曜日とあって凄い人だかりだ。中心部にあったVeaというスーパーに寄って、早速牛肉を買ってみようと思たのだが、夕方のせいか良質な肉は既に売り切れていて、変色した肉しかなかったので今日は諦めてポテチとパンを買って戻った。
ホステルに戻るとスタッフが感じの良さそうなお姉さんに変わっていた。彼女から「君の名前は?」と聞かれる。宿泊客かどうか確かめるための質問のようだ。
「¿Eres de Japón?(日本から?)」「sí.(はい)」「スペイン語出来るの?」「ほんの少し」「ここに来た日本人でスペイン語出来る人は一人もいなかったよ!」
自分も出来るうちには入らないのだが(笑)
夜、テラスで寛いでいると、ヨーロッパ系の初老男性が隣に座った。話しかけてみるとオーストリア人だという。リンダウという町の出身らしいのだが、もう長らく故郷には帰っていないと言う。「どのくらい旅しているのか」と聞けば「30年」という途方もない答えが帰ってきた。こんな人間は今までに出会ったことがない。アフリカ最貧国の一つ、ウガンダに6年住んでたこともあるのだという半端ない爺さんだ。一体どうやったら30年間も旅をするということができるのか気になったので、職業を聞いてみると「IT関連の仕事をしていた」という。IT産業は30年の旅資金を生み出せるほど高給なのだろうか。彼と話していて面白かったのは、これだけ旅をしていてアメリカに行ったことがないということだった。どうやらアメリカが嫌いなようだ。というより、アメリカが世界を支配しているのが気に食わない様子で、最近のイスラエル戦争の背後にはアメリカの国益があるという話や、ドイツのノルドストリーム2が破壊された裏にもアメリカがいるという話をしていた。
それからは日本の少子化についてや各国の税金の話など、各国を比較しながら長々と他愛のない話をした。
サルタ2日目、この日はスポーツ店をしらみ潰しに回った。少年団コーチから頼まれている審判服を見つけるためだ。2023年モデルのやつだが、日本では販売していないらしい。アディダスショップやサルタのサッカーチーム専門店、複合ショッピングモールといった全てを回ってみたが、どこも置いていないということだった。サッカー大国のアルゼンチンになかったら世界のどこにあるというのだ。腹が減ったのでサンドウィッチを買った。マヨネーズとアホ(Ajo)というニンニクソースを付け足してもらった。美味しいとまではいかなかったが、これで500ペソ(90円)ならお得だ。午後になると雨が降ってきたのでホステルに駆け込んだ。
3日目、この日は1ブロック離れた新しいホステルに移ることにした。この「La Covacha ホステル」は、最初のホステルとは段違いに過ごしやすいホステルだった。まずホステル全体が広く、キッチンは2ヶ所あり、さらにルーフトップまでついている。これで一泊3500ペソ(634円)なのだから驚きだ。昨日のホステルより安い。土曜のサルタの町は閑散としている。町に出ている人も昨日と比べて極端に少ない。なぜ家にこもっているのか理由は図りかねた。一昨日とは違う場所のVeaスーパーは通常通りやっていたので、新鮮な牛肉を買ってホステルで調理をする。こんなボリュームある牛肉を300円くらいで食べれるのだから、そりゃパワーとスタミナもついてW杯優勝もするわ。アルゼンチンのFIFAランク1位の秘訣はこの牛肉にあるのだと確信した。日本人よ、アルゼンチンに来て牛肉を食べろ!
余談だが、このサルタで今まで履いてきたトレッキングシューズとお別れすることになった。ここまで8か月、よく頑張ってくれた。世界中を一緒に旅してきた相棒と別れるのは辛かった。形見の靴紐はこれからも持っていくことにした。初代の靴の思いは、しっかりと二代目に受け継がれていくと思う。
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