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#149 たまたま訪れた「ティルカラ」がトランキーロな町で最高すぎた!🇦🇷
11/29、30 ティルカラ滞在
ティルカラの町に着いたのは16時だったが、このままホステルで過ごすのは勿体無く、また無粋というものだ。ホステル内の探検を済ませてから少し町を散歩してみた。駅近くに位置するこのホステルから左手に歩を進めて町の中心に歩いていく。歩いて通り過ぎる人を見ると、ボリビア人と同系統の顔をした人が多いと感じる。アルゼンチン人口の95%以上は白人系ということらしいので、北のフフイ州に位置するこの町はインディアンが多い地域なのだろう。
道端ではおばちゃんたちが小麦を平たく捏ねて焼いたパンを売っている。「これはいくら?」と一人のお母さんに尋ねてみたら「900ペソ(162円)よ。」という。少し高いなと感じた。というのも、以前観ていたYoutuberが同じものを80円で買っていたのを知っているからだ。「わかった、ありがとう」と言って去ろうとすると、「800ペソ」と値段を下げてきたのには思わず苦笑してしまった。結局買うことはしなかった。
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この時期は川が干上がっていて歩けるようになっている。そこから周囲を見渡すと雄大な山々に囲まれているのが認識できる。盆地となっているようだ。小さい犬が自分の後ろを着いてくるのが可愛かった。学校と思われる建物から子供たちがぞろぞろと出てきて、迎えに来ている家族と一緒になって帰っている。日常の風景という感じでとても良い。
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ティルカラにはかなりホステルが多く、外国人観光客の受け入れもかなり整っていると見える。中央公園はバザールのようになっていて、以前ペルーでたくさん見たカラフルなインカの民芸品が置いてあった。セントラル市場は閉まっていたので、また明日来ることにしよう。スーパーでパンやジュースを買って帰った。ボリビアではお菓子やジュースがかなりの値段したので余り買えなかったが、アルゼンチンは安いので食べ過ぎに注意しなければならない。買ったパンは残念ながらパサパサで不味かった。
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翌日、昼過ぎまでホステルにいると、スタッフの青年が「見晴らしの良い十字架がある高台に行ってみるのがおすすめだよ」という。どうやら暇している自分を見かねて声を掛けてくれたようだ。この時日本から送ってくれた子どもサッカーの動画を熱心に観ていたのだが、これは夜でも観ることが出来るので、おすすめされた通り、日焼け止めをしっかりと塗って出かけることにした。
ホステルからの道をまっすぐに行くと、階段が出てくる。それを登り切り、振り返るとティルカラの町が眼下に一望できた。素晴らしい絶景だ。そう思うと同時に、ここまで旅をしてきた思い出が蘇ってくる。
タイで出会ったアンハサウェイは無事にミズーリに帰っただろうか。インドのぼったくりのおっちゃんは今も観光客に声をかけているのだろうか。トルコでチャイを奢ってくれたおじさん、訪れたイスラエル&パレスチナで現在戦争が起こっていること、エジプトで馬車を運転している兄弟のこと、チュニジア・シェニニにいた売店の青年、モロッコの典子さん、恐喝に遭ったメデジンのこと。
様々な思い出が去来すると同時に、どれもずっと昔のことのように感じる。
そして、これまでの旅の思い出を振り返るのに加えて、そろそろこの旅の終わらせ方も意識しなければならないとも思うのだ。自分はあと何ヶ月旅ができるのだろう。世界を見てきて、何か心情の変化はあっただろうか。帰国してから何をしよう。たぶん、自分なら何をしても生きていけるだろうけど。仕事なら最悪、一つ確保はできている。今の経済状況ならば老後の生活も安泰と思う。その上で何の仕事が人生にやりがいをもたらしてくれるだろう。これからのライフプランはどうしようか。
過去、現在、未来の事どもを徒然なるままに巡らせているこの時間が自分は好きだ。いつも答えは出ないけど。
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遠くで落雷が聞こえる。天気が変わりそうだ。十字架まで行くのは辞めて、ホステルまで引き返すことにした。途中小雨が降ってきて、ホステルまであと100mというところで大粒に変わる。走ってホステルまで戻った。
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