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#157 南米大陸最果ての地、ウシュアイアへ!アルゼンチン再入国!(🇨🇱→🇦🇷)
12/20 バス11時間長距離移動(プンタアレーナス→ウシュアイア🚌)
隣ベッドの人が起きる音で目覚めた。まだ眠たいが、今日は移動日なので二度寝は許されない。
7時に荷物をまとめ、3日間お世話になったホステルのオーナーにお礼を言ってから鍵を返しチェックアウトした。
バスターミナルに到着し、カウンターでチェックインを済ませてから道に横付けされたバスに乗り込み、昨日のうちにスーパーで買い込んでおいたパンに蜂蜜をかけて朝食とする。バスは予定より15分遅れでプンタアレーナスの町を出発した。
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パタゴニア最南端の国境線は歪になっており、アルゼンチンがチリの国境に遮られて飛び地になっている。よってアルゼンチン最南端に陸路で行く場合は、必ず一旦チリに入国しなければ行けない。これはおそらくチリがマゼラン海峡を支配するために欠かせない線引きだったのだろうと推察できる。1914年にパナマ運河が開通する前まではこのマゼラン海峡が太平洋と大西洋を結ぶ唯一の航路だったので、ここを押さえることで莫大な利益をもたらす一助になったことは想像に難くない。
(と思ったが、Wikipediaで調べてみると、実際は
1881年に締結されたチリ・アルゼンチン間の国境画定条約において、マゼラン海峡は自由通行が可能な海域とされ、個別条約に基づく国際海峡と認識されているらしい。)
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チリのプンタアレーナスからアルゼンチンのウシュアイアまではバスで11時間の長旅だ。直通バスは月・水・金曜日しか走っていないようだが、バス会社の係員によると、その他の曜日に行きたければ、アルゼンチンの「リオ・グランデ」という町で乗り換えれば行けるということだった。自分は面倒くさいのは嫌いなので、水曜日の今日まで待つことにしたのだ。バスに乗ってからは睡眠時間を取り戻すため爆睡しすぎて首が痛くなった。途中から隣の席にベルギーから来たという女の子がやってきた。顔の幼さからしてまだ大学在籍中かやっと卒業した頃だろう。若い頃に旅に出るというのは良いことだ。自分もカナダ留学で大学2年終了時に一年間休学していたが、もし大学生に戻れるならば大学3年終了時に再度休学して世界一周に出れば良かったなぁと思ったりもした。
若ければ若い時ほど旅というものは自分の内面の改革に寄与してくれるものだということを信じて疑わない。
出発から3時間、デルガダ港に到着した。ここからマゼラン海峡を貨物船で横断する。地理と世界史の授業でしか知らなかった土地に自分は立っている。マゼランがこの地に到達してから約500年。この海で沈没した船は数知れない。そしてそれよりも多くの船がこの海峡を乗り越え、地球最大の海・太平洋へと進んで行ったのだ。自分はこの世界海洋史の要衝に立ち、これまでにここを通過していった偉大な冒険者たちの栄誉を称えたい。
「海導」
海は見ている 世界の始まりも
海は知っている 世界の終わりも
だからいざなう 進むべき道へと
だから導く 正しい世界へ
もしも自分が消えたとしても 全て知っている 海の導き
怖れてはいけない貴方がいるから
怯えてはいけない仲間も待つから
作詞:鈴木おさむ 作曲:田中公平
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ここから貨物船に乗って、対岸までいくらしい。バスが船に乗り込み停車してから外に出て、二階のデッキに登ってみる。風は穏やかで今日は陽も出ているので寒くない。ここが自分にとっての南米大陸の終着点。南米最初の国、コロンビアからここまで3か月と6日。よく何事もなくやって来れたと思う。大陸の大きさを身をもって実感させてくれたことに感謝したい。船が発進すると、ここまで来た自分を祝福してくれるように、数頭のイルカが顔を見せてくれた。
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30分ほどの偉大な航海を終え、無事ウシュアイアを要するフエゴ島(「燃える島」の意。ヨーロッパ人が初めてこの地に来た際、現地民たちがたくさん炎を燃やしていたのを見て名付けたという。)に上陸した。黄色い低草のステップ気候で、どこまでいってもただただ広大な大地が広がっている。その中を貫く一本道路をバスは速度を出して進んでいく。
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チリ/アルゼンチンの国境に到着したのは13時半だった。チリ出国手続きのためパスポートを持って建物内に入る。審査官からは何一つ聞かれることもなく出国スタンプをもらった。形式的儀式のようだった。全員が戻ってくるまで景色を撮っていたが、風が吹いているにも関わらず全く冷たくない。ここら辺は暖流だったかしら。
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アルゼンチン側のパスポート審査場は少し離れていて、サンセバスティアンという場所で行う。ここでは一度目と同じく、「ホステルの名前は何?」とだけ聞かれて終了した。スタンプはアルゼンチンの規定で押されない。電子処理だけである。
無事アルゼンチンへの再入国を果たしたところでバスの中で再度寝てしまった。再び目を覚ましたのはトルウィンの町に近づいている時だったが、広大な低草の大地から森林地帯へと、辺り一面の景色が全く変わっていたことに驚いた。陽が厚い雲に遮られ、そして大きな入り江と雪が残る山々が姿を現す。先ほどとは全く別の世界だ。色々な顔を見せてくれるアルゼンチン、好き過ぎる。
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18時、最終目的地のウシュアイアに到着した。10時間のバス旅だったが、途中の貨物船や出入国検査、そして雄大な車窓の景色により、退屈なく過ごすことができた。ここから今日の宿までは1kmもないのだが、坂道が急で少々キツかった。観光地化されたメイン通りでカラオケ大会をやっている。その端を通りぬけ、坂道を登りきりホステルに到着した。
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「Amanecer del Bahía 」が今日の宿である。手持ちの現金が少ないので支払いを待ってもらい、町に両替をしに行く。しかし探せど探せど100USドル=90,000ペソと、レートがかなり悪い場所しかない。チョコレート屋さんがあり、100USドル=96,000ペソとして換算しますと書いてあり、やっと見つけたと思ったら、ただの両替はやっていないという。それならばとチョコの箱をカウンターに持って行き100USドルで支払おうとしたら額が大き過ぎると言われて受け取ってもらえなかった。
4、5軒尋ねたかしら。どこの店も90,000ペソという悪いレートだった。これはもう仕方がないかと思って次の店で聞いてみると、100USドル=950,000ペソで交換してくれるという。
やっと見つけた。これからウシュアイアにやってくる日本人方たちのために写真を載せておく。ちなみに「世界の果て号(Tren del fin del mundo)」の駅構内でもこのレートで交換してくれるのを後日知った。
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ウシュアイア。アルゼンチン最南端の町。世界の果てまでやってきた。この町には5日間の滞在予定である。パタゴニア旅も大詰めだ。
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