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#148 アルゼンチンとの国境の町「ビリャソン」から第22か国目、アルゼンチン突入!(🇧🇴→🇦🇷)
11/27 ビリャソンにてアルゼンチンペソ両替/ハイパーインフレ、観光客にとっては最高すぎる⤴︎
11/28 アルゼンチン突入!フフイ州「ティルカラ」まで🚌
朝8時半、予定より2時間半遅れで国境の町「ビリャソン」のバスターミナルに到着した。降りるや否や、「どこに行く?」と聞かれたのでティルカラまではいくら?」と聞いてみると80ボリ(1710円)だという。「今日はこの町で宿泊なのでまた明日」とは言ったものの、アルゼンチン側でバスを捕まえた方がおそらく安上がりなのはこれまでの経験即から来ている。
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10分ほど歩いて今日のホテル(一泊70ボリ、1496円)にチェックインした。この町でやることが一つある。それはアルゼンチンペソへの両替だ。
ここでアルゼンチンの経済事情について説明しなければならない。アルゼンチンは経済失策から長年のハイパーインフレに悩まされている。その数値、1973年(オイルショックの年)から2018年までの間で1669.5%という恐ろしい数字である。
よってアルゼンチンペソを持っていても、すぐに紙クズ同然の価値になってしまうので自国通貨にも関わらず、国民から通貨の信用が皆無なのだ。そのため政府が設定している公式な両替レートと、人々が考える実質のレートに約2.2〜2.6倍の乖離がある。これをブルーレートという。
2023年11月28日現在、
・公式レート 1US=375ARS
であるのに対し、
・非公式(ブルー)レート 1US=975ARS
になっている。
よって、観光客にとってはブルーレートで両替すればお金が2.6倍に増えるのである。錬金術とはこのことだ。最近アルゼンチン大統領選挙で、ペソを廃止し米ドルを法定通貨とすることを目指す極右政党のミレイ候補者が勝利したことも、レートの乖離に拍車をかける要因の一つだと考えられている。
自分が心配すべきなのはアルゼンチン国内で現金がなくなり、ATMでキャッシングしなければならなくなることだ。そうなってしまうと公式(最悪な)レートが適用されてしまう。現金が尽きることは何としても避けたい。VISAカード決済であればブルーレートとほぼ同じレートが適用されるそうなので、カード払いできるところはカードを使っていくのが賢い選択だろう。
(ちなみにマスターカードは支払い時、公式(最悪な)レートが適用されてしまうが、後日ブルーレートとの差額が返還されるらしい)
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300ドルはスペイン滞在時に確保したが、さらに現金を調達するため、「Mercantil Santa Cruz 」という銀行ATMに行ってみた。ドル紙幣を選択できたが、在庫切れなのかお金は出てこなかったので仕方なく900ボリ(19244円)を引き出し、手持ちの100ボリと合わせて1000ボリをアルゼンチンペソに両替することにした。
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1000ボリをアルゼンチンペソに両替すべく、国境通りの両替所を片っ端から調べていく。
1000ボリ
↓
1軒目/12,1951 ARS
2軒目/12,1000
3軒目/11,7647
4軒目/12,0400
5軒目/12,0480
6軒目/12,1951
6軒目のレートが最善だったので、ここで両替した。現金を受け取るとたくさんの札束によりお金持ちになったような感覚を味わえる。
その後は地元民しかいない北西のメルカドでみかん3つ、パン4つ、チチャロンを購入してこれを夕食とした。
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翌日、10時に宿をチェックアウトした。今日がボリビア最後の日。アルゼンチンに入れば米生活から小麦生活になるだろう。後悔がないように、最後の食事は「ピカンテデポリョ(鶏肉&ライス)」を注文した。料金はもちろん10B(213円)だ。
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腹ごしらえをして国境に向かった。イミグレ前でパスポートを持っていると、制服を着たおっちゃんが何も言わずに受け取り、ページをパラパラと見ただけで何も確認せずに別紙にスタンプを押してくれた。
現金があと15.5B(331円)残っていた。もしものためにここまで取っておいた。これを使い切る為に、近くの店でポテチを5B、靴下5枚を10Bで購入した。一足40円は安すぎる(笑)
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ビリャソン/ラ・キアカ国境の橋を越えて、第22か国目、アルゼンチンに入国した。アルゼンチンの入国審査に入る。審査官のおばちゃんに「どこに行くの?ホテルの住所教えておくれ。あとEメールをここに打ち込んでおくれ。」
だけを言われて終了した。
ボリビア出国のスタンプもパスポートには押されていないし、アルゼンチン入国のスタンプも押されなかったので少々不安になってしまった。別の女性係員に「本当に出入国審査完了してるんですよね?」と確認したら、PC画面をスマホで撮ってくれた。有効期限が90日の2024年2月27日までになっていたのでおそらく大丈夫だと思う。ボリビアとアルゼンチンには時差が1時間あり、いつの間にか進んでいた。
アルゼンチン側のバスターミナルまで歩いていくと、「両替どうだ?」とかなりの人に話しかけられた。
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【ここから通貨計算は非公式レート(値札価格÷2.2の日本円換算)とします】
ターミナルのトイレを100ペソ(18円)「ティルカラに行きたいんだけど」とチケット売り場の人に尋ねると、「あと10分で出発だよ!3200ペソ(596円)ね!」ナイスタイミングだった。便はかなり多く出ているので何時に来ても問題ないと思う。受託手荷物は料金がかかるようで400ペソ(74円)を支払った。ちなみに現地人は半額の200ペソで済んでいるように見えたが、見間違いだろうか。
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砂漠地帯を一台のバスが進んでいく。青い空に白い雲の下、線路と並行して一路ティルカラへ。西洋人も何人か居り、彼らはウマウアカやプルママルカ、サルタの町に行くとみえる。車窓に流れる赤茶けた大地、いくつかの町を横目にポテチを食う。
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バスがラ・キアカの町を出発して3時間半、今日の宿があるティルカラの町に到着した。着いてすぐ、面白そうな町だと思った。庶民の生活感があり、しかし観光客にもオープンな店が立ち並んでいて見事に調和している。ホステルはバス停から50mの所にある「Tierra Andina Hostel」一泊4500ペソ(838円)。キッチンも付いていて最高だ。チェックイン後、少し町を歩いてみた。現金はあまり使いたくないので、カード払いができるスーパーでパスタ、玉ねぎ2つ、炭酸2.2Lを買ってホステルに帰る。合計1950ペソで、ホステルに戻ってから確認したらしっかりとVISA適用レート(公式レート価格÷2.2)で正しく引かれていたので安心した。日本円にして360円。早速パスタを茹でて夕食にし、この日は就寝した。
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