【309日目】隔離解除
ご隠居からのメール:【隔離解除】
12時00分 隔離解除。病室のドアが解放された。看護師たちは防護服なしで患者に接することができるようになった。ただし、家族との面会は引き続き禁止。
夕食のメニューは、こころなしか、いつになく豪華なごちそうという印象を受ける。
ご飯 150g
フライ盛り合わせ(マグローエビ)
うの花
小松菜と人参の和え物
返信:【Re_隔離解除】
退院許可がでて良かったね。おめでとうございます。今回、じつに19日間の入院生活だったけど、なかなかスリリングな日々をおくったね。まあ、仏さまは、現世でまだ役割があるとおっしゃっているわけだから、「パンデミック入体験記」や「尼子の落人後日談」の執筆、よろしくおねがいします。
昨晩、「息子を紡ぐ物語」を読んでくれた方から、「素晴らしい作品」だとお褒めのコメントをいただいた。とても嬉しくて書いてよかったなとおもったよ。
若かりしロクデナシの時代は、仲間たちと普通の人とは違う経験をすることが楽しくて仕方がなかった。社会人になると、七難八苦が訪れたが、人に喜んでもらうと、自分の心も豊かになることを学んだ。でも、それだけでは足りなかった。
今回、父さんから文学と歴史を教えてもらった。インプットしたことを自分なりに編集して、世に発表したら、読んでもらえることだけでもありがたいのに、喜んでまでいただいた。
いままでは、目の前の人と楽しんだり、喜んだりすることしか自分にはできなかったけど、文章は知らない人、出会ったことのない人に喜んでもらえる。全然違う感覚だ。
そもそも、世の中には、知らない人の方が多い。社会は繋がっているといわれるけれど、朝、電車に乗って同じ車両にいる人も、大井町の駅ですれ違う、サラリーマン、OL、学生、主婦、ほとんどの人が何を考えて、どこに行くかも知らない。好きなことも、嫌いなことも性格も知らないわけだ。
そう考えると、自分の人生でご縁があって、人柄を知り、共に過ごす人は家族含めて、ごく僅かしかいない。ということは、比較的、思想が近しい人が側にいてくれてるのだと思うけど、それでも、人は、わかり合えない。自分でもわからない。人は、一生孤独だ。
しかし、そんな孤独を少しでも解消してくれるのが、ファミリーヒストリーのような気がする。親と子で「性格」は違うかもしれないけれど、芯の部分、DNAは近しい何かがある。
ご先祖さまも現世にいれば、自分と同じような七難八苦にぶちあたり悩むだろうし、じぶんが、中世の時代を過ごしたら、ご先祖さまと同じように必死に生き延びる選択をしたかもしれない。
昨日、「鎌倉殿と13人」で戦前の鼓舞をみて、ご先祖様も「オーッ」と声をあげてたのかなと想像してみた。少しナチュラルハイになる。戦もアヘンなのかもしれない。時代が時代なら、自分も酔いしれるのかもしれないと思った。