祖母の美容室のエピソード②
出髪から始まり昭和元年に美容室を開業した明治生まれの祖母アキ…
寝たきりの夫をかかえ、「午前は夫の分、午後は私の分」
と考えて必死に働いていました。
電気パーマの導入を考えたにも資金がなく、当時自営業で成功していた妹の夫に相談を持ちかけ、資金の調達をしました。その借金も当時の女性がするには大きな金額でしたが、数ヶ月で完済できるほど働いたそうです。
働くだけ儲かったアキにおとずれたのは、戦争の煽りを受けた「贅沢は敵!」の社会風潮でした。病人をかかえ、3人の子供との生活をおびやかされたアキは、当時の知事に自分の状況を記し、どうしても電気が必要と嘆願書を送ったそうです。まもなく、東京電力の工事が入り特別許可をもらったようです。
その工事の様子に幼い頃の私の父は感銘を受け、後に電気技師になりました。
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