VNLリュブリャナ観戦旅7~SRBvsCUB③
泣いても笑ってもこれが最後…の第5セット。
序盤リードしながらもすぐに追いつかれ、中盤まで一進一退の攻防が続きます。12-12、まさにどちらが勝ってもおかしくない状況。これはズルズルともつれる可能性もありそうな予感…。
が、有難いことに終盤、集中力が切れたかのようにキューバがアタックミスを連発。不謹慎ですがこのミスに助けられセルビアは点を重ねることができたので、キューバチームに感謝しました。いや、違うな! これはミスを誘ったセルビアの力と、重圧で冷静さを欠いたキューバの弱さと思っておこう…。
そう捉え迎えたラスト。マッチポイントはYantのアタックエラーで15-12。
まさか…の2セットダウンからの逆転劇で、見事3-2でセルビアが、想像もしなかった勝利を収めたのでした。
こんなに短く感じたフルセットの試合は初めてでした。
そしてこんなに楽しい観戦も初めてでした。いや、観戦というより、応援か…。正直パフォーマンスの詳細なんて追えていないし、彼らにパワーを与えなければという一心で、無我夢中でした。写真も中盤以降は全く撮っていないし、選手の最後のパフォーマンスを見納めるなんて全くできていない…
でも、いいのです。きっとパリで五輪で彼らを見られるから。
キューバに勝ったことでかなり前進し、五輪出場権、最後の一枠が手に届くとこまで来ました。あとは3戦の結果次第…。順当にいけばいいのですが、既に出場権獲得したチームとの対戦となると、どんな選手起用で来るのかが読めず、万が一…の不安もあります。ですが現状キューバより有利なのは確実。
試合後は目の前のお祝いモードについていけず、現実ではないような夢を見ているような気持ちでした。いつもなら選手に話しかけに行くのに、アリーナ席側に来てくれる選手もいるのに、何をしたらいいのか分からない状況でただただその場に佇むことで精一杯でした。
我に返ったときには選手は退場しかけていて、声を掛けそびれたことを悔やみます。おめでとう!っていえばよかったのに…。
でも、1か月後にはまた試合が観れるのです(多分…)。五輪という最高の舞台が待っているのです(ほぼ確定のはず…)。
そう思うと後悔は全くなく、ただただ、夢心地のふわふわとした感覚で、勝利の余韻に浸るのでした。
会場を出ると、2試合目の観客たちが入場を待っていました。
次はイタリア対ポーランド、確実に1試合目よりは集客率が高そうです。
そんな観客を横目に通り、夢心地のまま会場を背に歩き出します。どんなに歩いても疲れを感じなさそうな感覚でしばらく歩き続け、よさそうなお店で夕食TIMEにしました。
人気のありそうなハンバーガー屋さん。忙しそうな店員さんですが、東洋人の顔を見て、英語のメニューをわざわざ持ってきてくれました。気さくで親切な店員さんのお陰で心地よいディナータイムに。ハンバーガーも美味しく満足の味で、ここに勝利の喜びも重なってリュブリャナ最初で最後の晩餐となりました。
夜20時を過ぎても明るいリュブリャナの街。21時近くになってようやく暗くなりました。
相変わらず夢見心地のまま歩き続け、ホステルへ到着。若い男女で賑わうホステル。夜行バスの出発…2時までのわずか4時間ほどをここで過ごしました。
使い心地が良いとは言い切れない共用シャワールームですが、応援の汗をすっきり流せリフレッシュできたので、気分爽快で帰路へ着けます。と、その前に2時間だけでも横になっておこう…。
6月17日月曜日に出発した5日間のリュブリャナ旅ですが、ホテルで過ごすのはわずか1泊のみで、あとはソウル→カタール機内、リュブリャナ→ウィーンバス内、カタール→ソウル機内と、3泊は移動車内or機内なのです。安さを取った代償ですから、仕方ないのですが、やはり50歳間近の体には堪えます…。
というわけで、寝坊しないようにと目覚ましをセットし2時間だけ転寝し、深夜2時、バスターミナルへと向かいました。
ルブリャナは思ったより治安が悪くなさそうで、バスターミナルまでの道のりも、バス待ちも安心して過ごせました。
ここからウィーンまで5時間…Flixバスでの移動です。
行きと違いFlixバスなら大きいし目立つし、専用のバス停もあるし、乗客も沢山いるので、見逃す心配がありません。唯一の心配は時々起こる遅延かな…。
山道だし深夜だし渋滞もなく、大きな災害も今はなさそうなので、安心して眠りながら向かいました。
6月20日木曜日。
バス車内、日差しが差し込み朝を迎えました。無事にバスは進んでいるようで、空港まで問題なく到着するものと思われます。
が、最後の最後にアクシデント勃発!
なんと、空港前の停留所、ウィーン市内のバスターミナルで入口のポールが壊れてしまっており、中に入ることができずバスの列ができています。そういえば…この旅、まだ大きなトラブルなくスムーズに行き過ぎてた(笑)。旅にトラブルはつきものだということを、ここで思い出すのでした。
8へつづく…
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