2016欧州+ブラジルバレー観戦の旅12~欧州五輪予選決勝戦
1月5日から始まった
6日連続の観戦もこれで最後。
決勝戦、ロシア対フランス。
これで五輪出場1か国が決定します。
ロシアといえばブラジルに次ぐ
世界ランク2位の強豪国で
前回の五輪金メダル国。
2012、13年辺りは
全タイトル制覇する勢いで、
ロシアの黄金時代が
続くものだと思いましたが
昨年の世界選手権辺りから
絶不調に見舞われ、
もしや五輪出場権も危ういのでは…
と囁かれたりも。
しかし、アレクノ名監督の就任で、
ぐんぐん調子を上げながら
ついにこの舞台まで来ました。
一方、フランスは…
昨年2014年の世界選手権で、
第一ラウンドから勢いを見せ、
快進撃を続けていましたが、
最後に失速し4位と
惜しくもメダルを逃します。
が、それ以降、
ワールドリーグに欧州選手権と、
堂々の金メダル獲得。
明らかに今、フランスが
世界のトップであることを
物語っていました。
個々の技術はもちろん、
チームワーク抜群、
そして発想力の豊かさ。
フランスのバレーを見ていると
常識を覆し変えていく
そんな新しい力を感じるのです。
ビデオ判定を待つ間、
コート内の選手たちだけでなく、
控えの選手たちも円陣を組むほどの
団結ぶり。
そんなフランスが
新たな歴史を作り出す
その瞬間が迫っていると
思っていました。
ところが…
これまでの
自由自在なパフォーマンスが
封じ込められてしまったように
動けないフランス。
今季は決勝の舞台も
何度も経験してきて、
さすがにこういう場面でも、
自怖気づくことなく、
分たちのパフォーマンスを
発揮できる「強豪」だと思っていました。
なのに、ここで見ているフランスは
今までのフランスとは全然違う…
こんな弱さを持っていたことに
正直驚きでした。
それに引き替え、
ロシアの修正力にはびっくり。
ここ最近ミハイロフ=不調
のイメージだったのが
ここではそんな方程式は
成り立たなかった…。
今までの不調はなんだったんだー!
と叫びたいくらい。
しかもロシアは選手層が厚い!
第一をセットフランスに
奪われてからの修正で
今まで出場機会が殆どなかった
選手を起用するも、
これが功を奏する活躍。
采配がいいのか、
期待に応える選手が素晴らしいのか…
家庭の事情で
ムセルスキーが代表辞退し
出場権獲得は厳しい
なんて思っていたことが恥ずかしい。
やっぱりロシアはロシアなんだな、
強豪なんだなと、
思わずにはいられませんでした。
アスリートなら誰もが憧れる
五輪の舞台、
その出場権をかけた戦いは、
きっと他の大会とはまた
違った圧力がかかっているのでしょう。
そこで本気を出せるのが本当の実力。
この2チームを見ていると、
中学生が楽しみながら
どんどん実力をつけ、
大人とも張り合える力を付けながらも、
重要な場面では決して
若者の好きなようにはさせない
実力を見せつける大学生の図を想像。
今までは好き勝手にやらせてきたけど、
本当の実力があるのは
どっちかな…?
ロシアからは
そんな声が聞こえるようでした。
真剣勝負の最中、
会場の画面ではこんな
ユニークなお客さんの姿。
「MR COOL」というタイトルで
カメラマンが勝手に映したお客さんが
期待以上のノリでダンス。
しまいには上半身裸になり、
さらにはズボンも脱ごうとして、
周囲に止められていました。
こんな風に、
お馴染みの「KISS CAM」でも、
映し出されたカップルや夫婦
ほぼ100%がキスを披露。
いろんな場面で
カメラマンに映されることに
喜んで応じる欧州バレーファン。
何度も言いますが
こんな雰囲気が私は大好き!
6日間ホントに楽しい空間に
いられたことに大満足でした。
結局、世界ランク通りに
勝利を獲得したロシア。
その後はすぐに表彰式。
といっても表彰台などはなく、
チケットの贈呈のみ。
ブラジルからサンバダンサーも
駆けつけていました。
正面の映像がこちら。
いつもの大会と違って
個人賞がないのは
ちょっと物足りないですが、
喜ぶロシアを見ながら、
この瞬間に立ち会えたことの
大きさを実感。
そして、セルビアが五輪を
逃してしまったことの切なさも再来。
どんなチームにも
いろんなドラマがある。
セルビアはもちろん、
ドイツだって、ポーランドだって、
五輪にかける思いを考えると、
全員に出場権をあげたくなります。
だけど選ばれたものだけしか
出場できない場所、
だから価値がある。
改めて五輪の大きさを
実感した予選6日間でした。
13へつづく…
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?