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2017欧州バレー観戦の旅52~ポーランドでの民泊でサプライズ

スクラのファイナル進出が
決まる瞬間を会場で見届け
最後まで追いかけようと決めた裏に
実は大きな葛藤がありました。

事前にネットで見ていた試合日程によると
Plusのファイナルの一戦目は4月18日、
なのに…
蓋を開けてみると19日。

19…
それはまさに
セリエのセミファイナル4戦目、
決戦の日でした。
一日でもずれたら
強行スケジュールで移動できたのに
重なったのでは完全に不可能。
さあ、どうしよう…

遅かれ早かれ、決断すべき時が来るとは
思っていました。
スクラかペルージャ、
どちらかを選ばなければならない日が来ると。

海外バレーに精通している友人からはしつこく、
どちらかを選ぶべきだと言われていました。
本当に好きなものは一つにすべきだと。
それがファンとして
選手やチームに対する礼儀だと。

別の友人も話していました。
バレー選手はちゃんと見ていて、
誰にでもいい顔していたら
そのうち一人から痛い仕打ちを受けてしまったと…。
そして自分も少なからずそれに似た経験を
実際にした苦い過去がありました。
だから、ここで決めなければ…

ペルージャにはチームだけじゃなく
友人たちも待っています。
行きたい気持ちは山々。
だけど、これはセミファイナル4戦目。
もし勝てば5戦目もあるし、
さらにはファイナルの可能性もある!

ここはペルージャの勝利を信じて
ポーランドに残ろう!

そう決断を下しました。
きっとペルージャは勝つ!
そしてファイナルで改めてイタリアに行く!

そう言い訳をしながら
完全にスクラに傾いた気持ちを
貫くことにしたのです…
だって、このスクラの快挙、
もうここまで来たら
見届けずにはいられない!!

と、決まれば
早速、ウッチに向かうバスを予約。
そして今回はファイナルまで
長い滞在になると民泊を利用することにしました。

バス停まで迎えに来てくれたホストのお母さん、
ホスト本人は用事があったようで
代わりに来てくれました。
ポーランド語しか話せないけれど
その優しい表情と口調で、
ほっと安心感が広がります。

今回はアパートの部屋一室を貸し切り。
お母さんに部屋を案内され、
ホスト本人との電話で
一通りの説明を聞きました。

説明が終わり一人部屋でくつろいでいると
ホストからのメッセージ。
「午後にあなたの好きなチームの
練習があるから私の両親と一緒に
見に行くといいわ!」と。

実は、ここを貸してもらう際に
余計なこととは思いながら
スクラのチームが好きなことを
伝えていたのです。

まさかホストが練習見学の許可まで
取り付けてくれるとは有難すぎるサービス!!

なんて親切な人なんだろう…
こんな気の利いた人が世の中にいるのか…
彼女の心遣いに感謝しつつ、
ここを選んだ自分の運の強さに驚く程でした(笑)。

時間になり彼女の両親がお出迎え。
そして3人で見学に。
お父さんも英語は話せないけれど、
携帯の翻訳機を使いながら
コミュニケーションを取ろうと頑張ってくれます。
表情豊かで伝えたいという気持ちがよくわかり
言葉が分からなくても
フレンドリーな人柄がよーく伝わってくる。

そんなお父さん、なんとなんと、
こんなビックサプライズまで
用意してくれていたのです!!

全員の直筆サイン入りシャツに、
サイン入りカレンダー。
応援用のマフラーに卓上カレンダー、
ノートにボールペンに…
そして紙でできたサッカーボールのようなもの。
これ、MVPを獲った選手に送られる賞品。

ずっしりと重いこのボール
開けてみたら…

スクラのキャラメル128個が出現!!

うわー、一人で食べきれないー!!

このスペシャルなサプライズに
もう、なんとお礼を言っていいのやら…
唯一知っているの感謝の言葉
ジェンクイエン(ありがとう)を
何度も何度も連呼しました。

どうやらホストのお父さんは
スクラのチームのスタッフさんと
お知り合いだったようで、
練習時間を教えてくれたり、
こんなプレゼントを
事前にお願いして準備してくれていたよう。

ホストの彼女、そしてご両親、
さらにチームのスタッフさん、
いい人たちに恵まれ心から感謝。

ペルージャとスクラ、一つを選んだ結果が
こうやって表れたような気がして
もっと早く決断すべきだったのかも…
とも思うのでした。

ステキなギフトをいただいた後、
ブラン監督も声をかけて下さいました。
せっかくだから、
日本人ということをアピールし、
今季から就任するという全日本のコーチの
お話を持ち出して
あなたを待っています、と
つたない英語で伝えたら、
「僕を!?」と
嬉しそうに答えて下さいました。

こんな風に話すきっかけも与えてもらい、
ホントにありがたい幸運。
ペルージャではなく
ここでスクラを選んだことは
正解だったと確信しました。

53へつづく…


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