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VNLリュブリャナ観戦旅1~出発
2024年5月開催のVNL(バレーボールネーションズリーグ)を前に、私は動き出しました。今季こそセルビアのオリンピック出場を見届けるために、パリへ行く!と。
2023年秋の五輪予選(ワールドカップ東京大会)でセルビアチームは敗退しましたが、これから行われるVNL2024予選ラウンド終了時の結果で、世界ランク上位に入れば出場権獲得。現在のランキングに大きな順位変動がなければ、セルビアが勝ち抜ける可能性は十分にあると信じ、2024年の年明けを前に宿や航空券、観戦チケットを着々と準備していました。
よって、今季はそこに照準を合わせるため、VNLはスキップ…と決めていたのです。
ところが…
いざVNLが始まってみると、怪しい雲行きを察知します。
セルビアがスロースターターなのは十分に承知しており、開始早々敗北を見るのは覚悟していましたが、五輪出場最後の一枠を争うキューバの調子が良過ぎて、危機を感じずにはいられません。
1週目が終わった時点で、キューバにランキングで逆転されたセルビア。このままでは五輪行き最後の切符はキューバのものになることが濃厚に思えました。代表メンバー全員が合流して間もないセルビアチーム、まだ2週・8試合を残してはいましたが、歳を重ねピークを過ぎた選手の多いセルビア代表の戦い方を見ると、これ以上の結果を望んではいけないような気持ちになってしまいます。ポドラスチャニン(36)、クルスマノビッチ(34)、イボビッチ(33)、アタナシエビッチ(32)、ヨボビッチ(32)、コバチェビッチ(31)…10年前から変わらない主力メンバーたちを思うと、これまでもう十分戦ってきた彼らを責めることはできず、これがもしかしたら最後の大会になるのではと思えるのでした。
最後になるのなら、この目でしっかりと見届けなければ…
そう思い始めると、急いで3週目のリュブリャナへの旅の準備を始めます。当初、3人のセルビアファン仲間とともに現地での週末3連戦を目指すはずでしたが、仕事の関係上どうしても週末に休みを取ることができず、週中たった1日だけの観戦に。それでも1試合でも最後に見届けられれば本望と、一人リュブリャナへと飛ぶことを決めたのです。
しかし…その1試合が奇しくも、五輪最後の1枠を争うキューバとの大一番。よりによってこの試合を見ることになるとは…悪運を感じるのでした。
2012年、東京で行われたロンドン五輪予選でセルビアの出場権獲得を見て以来、私はずっと五輪予選の負け試合を見てきました。
2016年ベルリンで行われたリオ五輪の欧州予選、2019年バーリで行われた東京五輪の大陸間予選、2020年ベルリンで行われた東京五輪欧州予選、そして2023年東京で行われたパリ五輪大陸間予選。
全て現地で出場を逃す場面を見てきて、どれだけの涙を流したか分かりません。悪い運気を持ち込む私が会場に行かない方が絶対にいい…自意識過剰とは分かっていますが、もうこれ以上、彼らの悲しむ顔は見たくない…と逃げたい気持ちでした。
しかし私が観に行けるのはこの試合のみ。直接対決で五輪への道が大方決まるともいえるこの戦いを観ることになるとは、もはや試練のようにも感じます。セルビアに勝って欲しいけれど、今まで信じても信じてもか叶わなかった夢の大きさを身にしみて感じているので、全くと言っていいほど明るい結果を描けません。ここはもう、ただただ、感情を捨て結果を受け入れることを第一に、欲張らずに現地へ向かうことにしました。
想像以上に、心の準備をするのに手間取りながら、2024年6月17日、福岡空港からまずは韓国・ソウルへとTake off。
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韓流ブームの影響やインバウンド効果で、機内は日本人や韓国人で満席。せっかくなので今回は、深夜発の便まで10時間ほど、韓国をちょっと楽しみながら目的地へと向かうことにしました。
というのも、スロヴェニア観戦だけを目的にしてしまうと、気持ちが重過ぎて耐えられないような気がしたので、適度に観戦以外の楽しみを持って、なんなら、観戦と同じくらいの気持ちの配分で、観戦への重圧が少しでも軽くなるようにと、敢えて寄り道を楽しむことにしたのです。まぁ、韓国ドラマの影響で、ソウルに降り立つのもかなり楽しみなのは事実なのですが…(笑)。
というわけで、一旦、キューバとの決戦は忘れ、ここは韓国ドラマ沼民として、単純にソウル観光を楽しむことにします。
到着後まず訪れたのは、仁川空港から無料送迎バスで訪れることができるエンターテイメントリゾート「インスパイア」。カジノやプール、多目的ホール、商業施設、ホテルが入っており、ただ歩くだけでも楽しむことができる施設です。
ガラガラのバスに乗ってたどり着いたショッピングモール。噂には聞いていましたが、150mにも及ぶ天井の大ビジョンは圧巻!!
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通常は森ののどかな映像が映し出されていますが、30分に1回、3分程ストーリ―性のある海の映像が流れるのですが、これがホントにスゴイ!!
見上げていると首が疲れてきますが、それでも見続けたくて耐え続けました。
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他にも、施設内には宇宙空間のようなオブジェがあったり、
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川辺の自然の雰囲気を醸し出しているフードコートがあったり、エンターテイメント性高し。
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ただ見て回るだけでしたが、こういう演出のレベルの高さはさすが韓国!と思わせられるひと時でした。
一旦空港に戻ったら、続いては夕食を食べに空港近く海辺の海鮮料理屋さんへ、今度は路線バス移動。
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魚介たっぷりのチヂミをいただき、そのあとは美しい夕焼けの見えるカフェで一休みします。
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まだまだ目的地は先ですが、ここでの時間も韓国ドラマ好きの私には貴重なひと時。ただバスに乗るだけでも、韓流ドラマでよく見る風景ということでニヤニヤしてしまい、怪しい観光客と化していました…。
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日がすっかり落ちた仁川に別れを告げたら、空港内にあるスパでシャワーを浴びて再出発。
さぁ、ここからドーハを経由し、ウィーンへと向かいます。
2へつづく…