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2018欧州+ブラジルバレー観戦の旅を終えて

年に一度、2~3ヶ月間の旅を
定期的にするようになった近年、
旅の中に生活を置くうちに、
帰国の際、激しく打ち寄せる波のように
感情が溢れだすようなことがなくなり、
締めくくりがなんだか物足りなくも
感じるようになりました。

今回は特に、出発前
こんな生活を続けていていいのか?と
もやもやした気持ちを抱いていただけに
旅の途中で答えに巡りあい、
最後にはっきりしたものを手に帰国することを
いつになく望んでいたこともあり、
余計に虚しさに似たものを覚えていました。

帰国したあと、今でもやっぱり
こんな生活でいいのか…
という自問自答は消えません。

でもただひとつ、はっきりしたのは
どこにもない喜びがこの日々にはあるということ。

リア充とはほど遠い日常であっても
空を飛べばいつでも
天国のような場所が待っている。
それが分かったことが何よりの収穫でした。

故に今回の旅の途中、勢いで
次のネーションズリーグの観戦を
計画し始めてしまい…
セルビア大会での開催地が
リシナツやコバチェビッチの故郷
クラリエボであることを知ってしまうと
その場所をどうしても見たくなってしまい、
アジアまでセルビアが来るならば
見に行かねば!と
中国での大会に行かずにはいられなくなり…

そのために旅行費を稼ぐのに
人見知りの壁を乗り越えて派遣業務を
気張らなければならないのは承知の上、
そのリスクはたとえ大きなものでも
諦めるには至りませんでした。

この先の未来に不安を抱いても
今はこの感覚を大切にしたい。

それはこの帰国時には
声を大に宣言できるものではありませんでしたが
心の奥底には小さな芽が
芽生えていたのだと思います。

不純物のないまっすぐな澄んだこのエネルギーを
体いっぱい浴びて、
心の底から、体の芯から
パワーが漲るのを感じるバレー観戦。
私はこの瞬間がなにより大切で、
こんな風に感じる自分を大切にしたい…

それを堂々と言えるようになったのは、
少したってからでした。

数か月後のネーションズリーグ
セルビア大会、中国大会、
そして世界選手権イタリア・ブルガリア大会。
ここでの時間もまた
私をバレー観戦に向かわせるのに
十分な情熱を与えてくれ、
そしてバレー観戦を目標に今までと変わらず
短期派遣の仕事をこなしています。

お金の為、不本意ながらも
苦手な業務に携わるようになり
心身ともに滅入って
バレーのことを考える余裕がなくなることも、
また、深夜観戦できないほど疲れ果てることも
度々あります。
そのたびに情熱が減ってしまったと
相変わらず落ち込んだりもしています。

しかし、そんなある時バレーファン仲間の一人が
こんなことを言ってくれたのでした。

「情熱がないとか言っててるけど、あるじゃない!旅先ででよい縁があったり、よい知り合いに出会えたり。できるってことは、自分が楽しいことしてるから、そういう流れになるんだよ」

観戦できることが当たり前ではない。
いろんな条件が揃わないと叶うことじゃない。
まして、トラブルなく帰ってくれるなんて
それだけでとても幸運なこと、
なのに、それ以上の経験をさせてもらっているのは
いい流れが起こっている…!?

そういわれたことでこんな不安定な日々にも
少しだけ心の安定が訪れました。

彼女はこんなことを付け加えてくれました。
「裾が広ければ広いほど、頂上は高くなる」と。

この無駄だと思える経験も
自分の人生を支える基盤となっている。
大きく広く裾野を築いていけば
気が付いたら大きな山に成っているかもしれない。

143㎝の極小トラベラー(笑)は
バレー観戦を通じ、
今、大きな夢を見ているのでした。

・・・【完】・・・

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