L'Arc〜en〜Cielの"L'Acoustic version" 全曲解説!改めて感じるtetsuyaの哲学とは?あなたはどれがお好き?
※この記事は下のYouTube動画の台本のようなものです。ぜひ動画で臨場感を楽しんでください!
ラルクのあまり聞き馴染みのない楽曲が聴きたい!
ドエルなら誰でも一度は思うのではないでしょうか。
なんせラルクは最新アルバム "BUTTERFLY" が2012年発売なので、かれこれ10年近くアルバムが出てません…。
そこで今回は、一部のシングル曲のカップリングに収録されていたL'Acoustic versionを初めて全曲聴いてみました。
探すのが面倒かなーと思ってたんですが、Amazon Musicの検索欄に「L'Acoustic」と入れて検索すればちゃんと出てきました。皆様も検索する際にはぜひ!
P'UNK〜EN〜CIELが個人的にはあまり好きではないので(お好きな方がいらしたらごめんなさい!)正直そんなに期待していなかったんですが、良アレンジばかりでめちゃくちゃ良かったです…。ラルク恐るべし。
音源としては以下の4曲
I'm so happy (X X XのCW)
My dear (CHASEのCW)
HONEY (Wings FlapのCW)
Cradle (Don't be afraidのCW)
どれも素晴らしい出来なんです。通常のremix versionならボーカルはそのままでオケだけ差し替え、というパターンが一般的ですが、4曲ともちゃんとアレンジに合わせてhydeが新たに歌い直しているというのが素晴らしい。真摯な音楽への向き合い方には本当に頭が下がります。
1曲ずつ簡単にご紹介します。
I'm so happy (X X XのCW)
原曲の持つちょっとブルージーな雰囲気をより強調するアレンジに。エレピと歌が中心でシンプル。かなりメロディーを遊んでいるフリーキーでセクシーなhydeのボーカルが印象的。また、yukihiroがかなり珍しくブラシを使ったドラミングを披露している点にも注目。ターンテーブルのスクラッチをSE的に使用した経験があるyukihiroらしく、トラディッショナルなブラシのプレイではない点にオリジナリティを感じる。
My Dear (CHASEのCW)
元々の楽曲自体もアコースティックな、HYDEの初期から最近のソロに通じるような普遍的なアレンジでしたのでこのバージョンもめちゃくちゃしっくりきます。原曲は後半、4つ打ちのドラムで驚きのアレンジが展開されますが、このバージョンではパーカッシブなピアノがバリバリ引っ張っていきます。アコースティック=静か、じゃないんだよ、というプロデューサーkenの音楽的な志の高さを感じさせます。
HONEY (Wings FlapのCW)
最初に聴いたL'Acoustic versionがこれでしたので相当なインパクトがありました。もともとL'Arc〜en〜Cielって "眠りによせて"でボサノバを披露してましたが、ここではもっとラテン寄りのボサノバアレンジでHONEYの情熱的な乾いたメロディが際立ちます。ドエル的には散々聞いてきて飽き気味になっているHONEYもこれならまた1万回くらい聴けそうです。笑
やはり楽曲自体の力が強いことを再認識させられました。
Cradle (Don't be afraidのCW)
L'Acousticシリーズで個人的に1番好きなのがこのCradleです。これこそいわゆるアコースティックバージョンよりもRemixバージョンに近い解釈です。元々の楽曲もトリップホップっぽくて好きでしたが、電気グルーブのサポートや元スーパーカーのナカコーとユニットを組んだりと大活躍、agraphの牛尾さんとyukihiroの共同プロデュース、このアレンジはめちゃくちゃチル!音をもっと汚すと最近流行りのLofi Hip Hopっぽくなるような。後述しますがhydeless versionも配信されていて、そっちなら完全にラルクとバレません。笑
hydeless versionは最高のBGM
L'Acoustic versionのhydeless versionもちゃんと配信されているのが嬉しいです。そもそもhydeless versionは生楽器主体の聴き心地の良いアレンジなので、ボーカルが聴こえるとそっちに気が向いてしまう私のような人間でもhydeless versionなら勉強のBGMとしても機能します。
今後も続けていって、一枚のアルバムを作って欲しいシリーズでした。
hydeのソロっぽい雰囲気があるのでラルクから引き上げた、というのは流石に邪推ですかね?(これは時系列的に合わないかもです)こういうアレンジでやるならバンドよりソロだな、という判断はあったのでは?
また、tetsuyaプロデュースのバージョンがないのは「原曲が1番ファンにとって魅力的だから」という彼の哲学を反映させているように感じます。(過去の楽曲をセルフカバーで録り直す行為に対しての発言)
ライブでは "花葬"のL'Acoustic versionも披露
2012年、2014年のライブで"花葬"のL'Acoustic versionを披露しています。残念ながら、こちらはライブ音源のみなので配信されてはいないのです。お手元にライブ盤がある方はこれを機に聴き直してみては?個人的には音源の暴れ回るベースラインが好きなので、そこが聴けないのがちょっと寂しいですね。
"STAY AWAY"、"READY STEADY GO"あたりをマツケンサンバみたいなアレンジにするとか?
私がL'Acoustic version作るなら、と考えてみたんですが、上記のような結果になりました。全然BGMとして機能しない。笑
マツケンサンバの「オーレーオーレー」のオケで「ひーびーいーてー」ってRSGのメロを乗っけてもめっちゃ合いそうな気がしません?
やはりラルクはただのロックバンドじゃない、優れた音楽家集団であることを再認識!未聴の方はぜひ聴いてみてくださいー!