独り言 「約束」
「この人、私のことを大切に思ってくれてないんだろうな」と思うことは、生きている上で様々あるわけだが、中でも私が比較的最近感じたのは「約束を立て続けに優先されていなかった時」である。
と言っても別に、「私のことを何よりも優先しろよ!」だなんて考えていない。
なんなら後回しにしてもらったって良いとすら、普段は考えている。
だがこればかりはそうも言えなかった。
久しぶりに会う友人。
ちょっとおしゃれなアフタヌーンティー。
「私ばかりだったのだろうか、楽しみにしていたのは」と、どうしても感じざるを得なかった。
1回目はまずお店を決めた。
お店を決めた上で日時をすり合わせるとなったタイミングで、連絡が途絶えた。
数日経ってようやく既読になり希望日を伝えられたが、既にその時点で行きたかった時間帯は予約が取れず、お昼前から始める予定が昼下がりになってしまった。
2回目を決める時の私は、「この子…今回こそは率先して日時を提案してくれるんだろうな…?」の気持ちで、あえて何もこちらから連絡をしなかった。
1回目の時に「2回目もやろう!できればこの日にやろう!時間とか店はあとでまた!」と話していたので開催自体は確定していたが、相変わらず何も連絡は来なかった。
3日前になっても何も連絡が来ないため、今思い出したかのような素振りで、結局私から連絡をして店を予約した。
話し合いはずるずると長引き、前日になっても待ち合わせ場所と時間を決められていなかったので確認の連絡をしたが、また連絡は来ない。
時間も時間なので数時間後に催促の連絡をしたら、ようやく返事が来た。
この時点で私の中では、「私と行きたくないんだろうな」と感じ始めていたのだが、「じゃあやめよっか」とは言えなかった。
結局この2回目は、相手の家族が体調不良ということで開催されずに終わった。
あれから私は、彼女と会っていない。
1回目も2回目も、忙しくて返事ができなかったそうだ。
どんなに忙しくても、自分以外の誰かとの約束の詳細を決める必要がある場合、私は比較的優先して連絡を取り合うタイプの人間である。
もう店も日時も待ち合わせ場所も時間も、全て決まっているのなら良いのだ。
決まっていない状況で「誰かとどこかへ行く予定」というものを放置するのが、私はどうにも怖い。
付き合いも長く、大切な友人のひとりだった。
他にもいろいろ重なって、私から縁を切ることになってしまったけれど。
今後もずっと仲良くしたいと思っていた友人だった。
あれからまあまあ時間は経ったが、未だに約束を後回しにされ続けたことは忘れられない。
私は元来、執念深くてずるずる引きずる女なのである。
許す許さないで言えば「許す」になるが、単純に「嫌な思い出」として残ってしまった。
そんなに数日間も、私からの連絡を見ることができないほど忙しかったのだろうか。
「既読にならないくせにSNSはやってる」というのはよく見かけるが、まさしくこれだった。
私自身、既読をつける前にSNSを触っていることは多いし、それとこれとは別だからなんとも言えないのだが、予定を決めようとしているタイミングでそれをやられるのはなかなかにきついものがある。
「楽しみにしていたのは自分だけだったのかも」と思わされることは、人生において少ない方がいい。
忘れてしまっただとか、実際本当にたいして楽しみじゃなかったとかで、誰かにその感情を与えてしまうこともあるのかもしれない。
それでも私はできるだけ、そういうことをしたくないな…と思わされた出来事だった。