1週間日記 すれ違った誰か
2024/08/03 (土) 「盛りだくさんな1日」
晴れ
結局日付を回っても起きていて、1時ごろ寝て3時過ぎに起きた。ひとえにバレーボール日本vsアメリカ戦を観るためである。ところがいつの間にやら4時からに変更されていた。ここで寝てしまってはせっかく慣れないこと(観戦のための早起き)(早起き?)をしたのに勿体無い!と思いイラストロジックをして耐えた。イラストロジック、一瞬で時間が溶ける。
肝心の試合はアメリカの威力の高いサーブで崩され、ブロックで止められ、1セットこそ苦戦を強いられていたが、2セット目には対応しつつあり、3セット目は日本のものとなった。私は先の2試合を弟とLINEしながら(しかし通話ではない)観戦していたのだが返事はなかった。やつは睡魔に負けたようだ。
結局4セット目はアメリカに取られ、試合には負けてしまったものの予選8位に入り決勝トーナメントへと駒を進めることになった。嬉しい。
試合が終わって5時過ぎ、気づいたら私は寝ていて再び目を覚ますと8時過ぎだった。シャッターを開けて窓からゴミ捨て場にゴミが残っているか確認、急いで家のゴミをかき集めてゴミ出しをし、洗濯機を回した。この日記には洗濯機を回したことはたくさん書いているけど床掃除をしたことは全然書いていない。洗濯機を回すより床掃除の方が頻度が少ないのは確かだ。埃を溜めても死なないが埃を溜める自分はなんでダメなんだという思考は簡単に自分を殺すと10年くらい前のTwitterで見かけた名言を胸に生きている。
ところでわたしは昨日からうっすら喉が痛くて、まぁどうせクーラーのせいなのだが、鼻水が喉に流れて鬱陶しいので朝から耳鼻科に行くことにした。ネット予約で1時間後くらいとみたのでホットケーキを焼く。ここ最近土曜の朝ごはんはホットケーキを食べている。綺麗に焼き上がって食べている最中残り5人となったので途中でやめて歯を磨き病院へと向かった。診断検査の結果はコロナでもインフルでもなくただの風邪だった。ただわたしはいつも喉風邪が長引く。いやだ。
処方箋を薬局に出して図書館に向かった。予約していた本の準備ができたと今朝メールが入っていたのだ。金も空間も余裕のない社会人にとって図書館はとてもありがたい施設である。返しに行くのだけが面倒ではあるが、まぁ仕方がない。汗だくでたどり着いた図書館のカウンター前で、財布からなかなか取り出せないことにイライラしながら受付の人に図書カードを渡した。予約書籍1件届いてます、という受付の人に対して、然も今知りましたという声色で返事を返す自分をいつも滑稽だなと思う。薬局で薬を受け取る時もそうだ。いつもマイナンバーカードもお薬手帳も忘れる。あっ忘れました、と申し訳ない顔をした私もまた滑稽だなと思っている。
地域の昔ながらのおにぎり屋さんでおにぎりと太巻きを買い、家へと戻る。シーチキン太巻きはシーチキンときゅうりとしそ昆布が入っていてとても美味しい。家族に薦めたが反応は取り立てて良くも悪くもなく、どうやら感動するほど美味しがっているのは私だけのようだだだなと思い出す。
帰宅しても未だ12時を少し回った程度で朝ちゃんと起きると1日が長く得をした気持ちになる。残りのホットケーキを焼き直しおにぎりも食べるという炭水化物しか知らない人みたいな昼食を終え、録画を観て化粧をし、今度は3ヶ月ぶりの美容室へと向かう。電車で1時間以上かかるが通っている理由はひとえに慣れているからである。人見知りにとって美容室は苦痛であるが、そこの担当美容師さんにはあまり緊張しない。というのも好きなバンドが同じでいつからか、どちらからかは忘れてしまったが気づいた時にはTwitterで相互フォローで、ある日美容室が苦痛だとツイートした私にきてみます?とこえをかけてくれた、という半知り合いからスタートしているからだ。それでも最初は緊張したしオシャレすぎて気後れしてる感はあるが。
想定より10分ほど時間は押したが本日最後のメインディッシュ、秋山璃月とシンムラテツヤのツーマンを見に行く。東高円寺というおそらく高円寺の東側にある街で降り立ったのも、U.F.O.CLUBというライブハウスに行くのも初めてである。ちなみに朝からずっと活動しているのですでに腰が痛くてたまらない。
看板を見つけて階段を下り、簡易的な受付に予約している旨と名前を伝える。ちなみにDMでチケットを取り置いてもらったのも初めてである。リストの私の名前に線を引き、金額を払って中に入る。フロアに降り立った時、1番に思ったことは想定していたより広いな、だったのか、思ったより人がいるな、だったか、なんかやたら壁赤いな、だったかは忘れたがそのどれもを思いついたのだと思う。
入った時には予定時刻を過ぎていたがまだ始まっておらず、ただものの数分もしないうちにステージ上の本人が最初のギターを鳴らしたので私は運がいい。前にもそんなことがあった。一緒に聴きに行った友人は元気だろうか、あのバンドは名前と構成を変えてしまってから聴いていない。
後方で立って見ていたもののいよいよ腰が痛くてどうにか座りたいと思っていたら、ちょうどバーカウンターに並んだ椅子の一つが空いたためありがたく座らせていただくことにした。なかなか高くて座りにくいため、何度もモゾモゾと動く羽目になり、近くの人にはさぞ目障りだっただろう。届くはずもないが申し訳ない。
ところで私はライブに行くと必ず観客を見渡す癖がついている。どんな人がこのライブを見にきているのだろうか、どんな表情をしているのだろうか、見渡される側からしたら迷惑極まりないだろうが気になって仕方がないのだ。MCに胸を打たれたのか思い入れのある曲なのか涙を流している人、身体全体で音楽を堪能している人、棒立ちでまるで神様を見るみたいに凝視している人、時折友人や恋人に耳打ちをして笑っている人、いろんな人がいる。なんの関わりもない、普段どこに住んでいるかもいくつなのかも知らない人々が同じ音楽を聞きたいがために今この場所に集まって肩を並べて聴いている。その事実になんだかいつも少し泣きそうになるのだ。それから、そんな景色を1番前で堪能しているであろう演者に少しだけ嫉妬している。音楽を作り鳴らすものだけが見ることができるその景色を、私も見て見たかった。そういう未来があったのかもしれないと、特に努力したわけでもないのにご褒美だけを見て羨ましいがっている。ミラーボールが回る。鱗みたいな光が色を変えながら壁をまわっている。ここが海の中ならイワシ玉みたいだ。
シンムラテツヤさんは全く聴いたことがなかったが音楽もシュールなサングラスと姿勢もとても良かった。ヨーデルではないアンコールは爆笑の渦だった。
終了時にはとうとう首から腰全てが痛くなり時間がかかっても座れる方法で帰ることにした。
到着後すぐにシャワーを浴びてTVerでポーランドvsイタリア戦を観ながら眠りについた。
2024/08/04 (日) 「後遺症」
晴れ?
昨日の余韻のことを後遺症と言っているわけではなく文字通り後遺症がひどかった。首〜腰が痛過ぎて縦になれない。日がな一日寝て過ごす羽目になった。いくら盛りだくさんだったとは言えこんなに身体にダメージが来たことはない。山登りの次の日だってもう少しまともだ。喉風邪のせいだと思う。もともと万全な体調とは言い難い状態だったのだ。大人しく休むに限る。ろくに外も見ていないから天気もわからない。
2024/08/05 (月)〜08/07 (水) 「記憶ない」
晴れてたと思う
身体の痛みと闘いながらの仕事がきつ過ぎて特に何も覚えていない。
2024/08/08 (木) 「すれ違った誰か」
晴れ、雨降ったらしい
ようやく身体の痛みがなくなり普通に動けるようになった頃、午後があまりに暇になってしまったため有給を取り休むことにした。今朝図書館からまたも予約書籍の準備ができたという旨のメールが届いていたため、寄り道して帰った。ついでに面白そうな本はないものかと見回っていると、新刊コーナーに『言葉の風景、哲学のレンズ』という本と、『水族館人』という本が並んでいた。最近聴いているポッドキャスターが言葉やら哲学やらに触れることが多く、なんとなく気になって手に取る。はじめにの箇所を読むにどうやらこれは2冊目のようで、どうせなら1冊目から借りようと棚を探した。『言葉の展望台』にたどり着くまでに、やたらと手話の本が目に入った。1年前までわたしは必要に駆られて手話の勉強をしており、でももう忘れてしまったなぁ、だとか、なぜかあのタイミングで立て続けに手話のドラマが放映されたなぁとか、そんなことを考えながら探しているもんだからなかなか見つからなかった。
2冊を持って受付に戻る途中に新刊コーナーを見ると、『水族館人』はなくなっていた。わたしと同じ時間に同じ図書館に来た別の誰かが借りて行ったのだと思うとなんだか存外近くに興味の範囲が似ている人がいるものなのだなぁとワクワクした。もしかしたらすれ違っていたかもしれない。まぁ仮に見掛けていたとて話しかける勇気など持ち合わせてはいないのだが。
受付で予約書籍の準備ができています、と告げられ、またも「あっそうなんですね」とでも言わんばかりの表情を何故か作りそして恥じながら受け取って、再び帰路についた。
最近朝晩は7月よりも少しだけ気温が下がるようになってきてはいるものの、日中はまだ苛立つほどに暑い。夏の午後休は1番嫌なタイミングで帰ることになるな、と思った。
2024/08/09 (金) 「あいまいに秋」
晴れ
日が暮れるのがいつのまにか少しだけ早くなっている。この時間、先週はもう少し明るかった、と唐突に思った。
だからだろうか、帰り道にイヤホンを外してみる気になったのは。コオロギだかスズムシだかその他だかわからないけど秋の虫が鳴いている。いつからだろう。8月1日から秋を感じていたのが果たして本当に「そう」なのかただ8月を意識したからなのかはわからないが、着実に秋が滲み始めている。秋が来る。夏が終わるのは嬉しいのに、なんだかちょっと寂しさも感じてしまう。いつだって白黒はっきりしないものである。