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ボートレーサーについて

『ボートレーサーとは』

・ボートレーサーの4つの階級(ランク)
約1,600人いるレーサーには、その勝率によって「A1」「A2」「B1」「B2」の4段階の階級に分けられている。
最上級はA1級で、全レーサー数の上位20%ほど。A1級のボーダーラインは勝率6.20前後となることが多い。
賞金額も権威も高いSG競走には、原則として最上級のA1レーサーのみが出場できるなど、級によって出場できるレースや日数が増減するのである。また、級別は勝率を基に、毎年1月と7月の半年に1度更新されている。(2018年3月時点)

・ボートレーサーの勝率
全レーサーには、勝率という成績がある。レースでは1着から6着までの全着順に「着順点」が付与され、その着順点の合計を出走回数で割った数値が勝率とされる。一般戦の着順点は、1着が10点、2着が8点、以下6、4、2、1点と付与され、SG競走では各2点増し、G1、G2競走では各1点増し、各優勝戦はさらに1点増しと設定されている。勝率は高ければ高いほど強いレーサーということになり、例えば、A1上位レーサーの勝率は7点台後半から8点台と高い。しかしこの数値を残すためには、上位級レーサーが集まる記念レースでも平均3着以上をマークしていかなければならない。

・女子レーサーの存在
ボートレースは男女がほぼ同じ条件で、性別に関係なくレースを戦う世界でもまれなプロスポーツといえる。全レーサーの約1,600人のうち、その約1割が女子レーサーである。女子レーサーだけのレースもあるが、男女混合のレースもごく普通に開催されている。

・10代から60代まで幅広い年齢層
レーサーの年齢層が極めて広いのもボートレースの特色である。平成生まれの10代レーサーから、60代になってもまだまだ元気な年配レーサーまでがさまざまな熱戦を繰り広げている。

・優勝賞金や平均年収
優勝賞金の最高額は、グランプリの1億円。そのほかSG競走は1,600~3,500万円、G1競走は450~1,200万円、G2競走は400万円、G3競走は100万円以上、一般戦は71万円以上となっている。着順によって賞金が定められており、その他に各種手当、日当なども支払われる。全レーサーの平均年収は、約1,600万円程度(2016年次現在)である。(2017年10月時点)

『ボートレーサーになるまでの道のり』

・ボートレーサー養成所での厳しい訓練
ボートレーサーになるためには、ボートレーサー養成機関である「ボートレーサー養成所」に入所しなければならない。入所に際しては試験が行われ、その倍率は30~40倍といわれている。試験に合格し、入所すると1年間の訓練を受ける。まったくの素人からプロを育成するため、訓練は筆舌に尽くしがたい厳しさであり、普通の養成所とは一線を画している。

『ボートレーサーの能力』

・強靭な精神力と、展開を読む判断力
ボートの最高速度は時速約80kmであるが、水面ぎりぎりを走っていくため、レーサーの体感速度はおよそ時速120kmといわれている。全速でターンマークに突っ込んでいくということは、安全ベルトもない中、時速120km近い体感速度でターンマークに突っ込んでいくということになるのである。さらに、現在の高速旋回時代においては、より鋭く高速な旋回を求め、ボート上に立ちながら旋回するモンキーターンが主流になっている。レース中継などでは、簡単に旋回しているように見えるが、安全ベルトなしで、激しい波の衝撃や、強いG(遠心力)を直に受けながら、瞬時に他艇の動きを察知し「逃げ、差し、まくり」へ操艇していく能力は、長年の厳しい鍛錬によって習得できる高度な技術であり、レーサーが一流のアスリートといわれる所以でもある。

・スタートやターンなど高度なテクニック
トップレーサー達はスタートタイミングを0.10近くまで正確に合わせてくる。基本的には定時定点という技によるものだが、レーサーの勘によるところも多分にあり、スタートタイミングが速いレーサーは天性のスタート能力を備えている者も少なくない。またターン術も、より鋭く、そして早い旋回を求めて常に進化しており、モンキーターンなども現在ではレーサーそれぞれによってその形がまったく異なる。モーターとペラの調整によっては、同じレーサーでもさまざまな形のモンキーターンを駆使するレーサーもいる。

・モーター・ペラの調整力が重要
レーサーは、モーターやプロペラの整備をすべて自分独りで行なわなくてはならない。そのため、前検日に割りふられたモーターの特徴を瞬時に判断し、レース場の特徴や天候、さらには自分の戦法など、さまざまな要素を鑑みてモーターとプロペラを仕上げていくのである。つまり、どれほどボートの操縦術が高いレーサーであっても、モーターとプロペラの整備力がなければ、レースに勝つことは難しいのがボートレースなのである。また、プロペラの調整には高度なテクニックと長年の知見が必要で、一人前に調整できるようになるには最低でも4年はかかるといわれるほど奥が深く難しいといわれている。

・体重管理
ボートレースでは、レーサーの体重がレースの勝敗に大きく影響するため、最低体重制限(男子51kg・女子47kg)が設けられている。レースに勝つためにはより軽い体重でいることが望ましいため、大柄なレーサーはしばしば過酷な減量に挑む。トップレーサーともなると、1年間のほとんどがレース日とレース場への移動日となるため、常に50kg台に体重をキープする必要があり、徹底した体重および体調管理を行っている。中には、節に入ると体重を少しでも軽くしようと、絶食さえする男子レーサーもいるほどだ。

『ボートレーサーの生活』

・ボートレース場での過ごし方
レースに出場するレーサーは、レース場の管理下におかれ、外部との接触を禁じられる。レース場ではピットと呼ばれるモーター整備場やプロペラ調整場、控室などからなる場所で過ごし、レースへの準備を整える。レースの合間には、試運転を行なって、モーターを仕上げていく。さらに、この期間中は携帯電話等通信機器の使用が禁止される。

・前検(前日検査)
出場レーサーは、レースの開催前日にレース場に集合しなくてはならない。レース場に到着すると、私物検査、身体検査などを受け、携帯電話などの通信機器はレース場に預ける必要がある。全レーサーが集合したのち、ボートとモーターの抽選を行う。その後、ボートとモーターを受け取ると、試運転や前検航走(スタート練習、タイム測定)などを行う。
この検査のことを前検(前日検査)という。決められた時刻までに集合しない場合は出場停止になる上に、厳しい罰則が科せられる。

・レース時の宿舎
節間は外部との接触を断つため、レース場以外では専用の宿舎で生活することになる。起床時刻や消灯時刻など規律に従いながら、節を通して宿泊する。宿舎へはバスや徒歩で移動するレース場が多いが、レース場の敷地内に宿舎が設置されているレース場もある。(2017年10月時点)

・レーススケジュール
ボートレースは、1日12レース(R)行われる。ボートレース場によってモーニング・デイ・サマータイム・ナイターのレースがあり、モーニングは午前9時前後~午後3時30分前後まで、デイは午前11時前後~午後4時30分前後まで、サマータイムは午後12時30分~午後6時30前後まで、ナイターは午後2時30分前後~午後8時30分前後までレースが行われる。

『さまざまなボートレーサーの存在』

・スターレーサーやスター候補レーサー
SG常連のトップレーサーはやはりファンが多いが、若手のイケメンレーサーや女子レーサーも人気を集めている。毎年、春に開催されるボートレースオールスターは、ファンの投票によって出場レーサーが決まるため、人気のレーサーを知る上でもチェックしてみよう。また、実績のある若手レーサーを対象にスター候補選手制度が導入されており、さまざまな広報活動を行なっている。

■トップルーキー(登録6年以内かつA2級以上)
■フレッシュルーキー(登録5年以内)

・さまざまな戦法やスタイル
レーサーごとに得意とするスタートコースや戦法が違うため、そのレーススタイルもさまざまである。
インコースからの逃げを得意とする「イン屋」、大外からのまくりを得意とする「アウト屋」、差しが達者な「差し屋」など、さまざまな個性をもったレーサー達がボートレースをより面白くしているといえるだろう。
ただし、現代のボートレースはレベルがさらに上がっているため、トップレーサーともなると状況に応じて瞬時に戦法を切り替えられる。つまり、どのコースからでも勝てる操縦術や調整術がないと、トップレーサーとして勝ち続けることはできないのだ。

・師弟関係
正式な制度ではないが、ボートレーサー養成所を修了してプロのボートレーサーとなると、地元の先輩レーサーにさまざまな面で指導を受け、お世話になることになる。その関係を称して、「師弟」と呼んでいる。多くのボートレーサーに師匠と呼ばれるレーサーがいる。

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