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またね
ーー「またね」
再会できないかもしれないような大きな別れでも、何気ない帰り際のあいさつでも別れの場面ではよく聞くこの言葉、そしてあの時ほどこの言葉に心揺さぶられた経験は自分のまだまだ短い人生の中ではかつてないほどでした。
「 初 代 」
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2019年12月09日、所謂初代「道明寺ここあ」さんの引退ライブとファンへ向けた最後の動画が公開されました。このライブと動画については多くの人が今まで言及しており、自分の語彙力ではとても語りきれないものですが少しだけ。
事前にこのライブの告知が来た時「お知らせがある」との表記がありましたが、その頃にあった騒動など様々な背景から「引退」の二文字が頭を過りました。
しかし、一方で「いや、流石に事務所が変わるとか何らかの変化はあるかもしれないが活動が止まることはないだろう」と。そんな今思えばただの現実逃避のような考えのままむかえたライブ、そこで彼女自身から告げられた「本日を以って「道明寺ここあ」を引退する」との旨。覚悟はしていたつもりでも衝撃のあまりその場で形にできる言葉は皆無でした。自分は告げられた事実を受け止めきれず、まるで頭がその情報の処理を拒んでいるかのようでした。
ただ、「ここあさん」の歌声はそれでも力強く、鮮烈に響き、最後まで自分も含む全てのファンの魂を震わせました。
そして最後の動画、タイトルは〔 感謝をこめて 〕
この動画は「ここあさん」が今までに投稿してきた動画を振り返る4、5分の映像と「ここあさん」からのメッセージになっています。「ここあさん」からのメッセージは短く、感謝を込めて映像を送るという事と、
「またね」
この一言でした。この「またね」こそが冒頭にあったように自分が感じたものでした。
しかし、本当に「またね」の約束を果たせるのか、果たせたとしてそれがいつなのか、当然ながらその時の自分に知る由はなく、もう逢うこともないのかもしれない
ーーそんな漠然とした寂しさだけが心にありました。
〔 hide and seek 〕
そして件の引退からしばらくして、何気なくYoutubeでホームの動画を漁っているとスクロールミスである動画をタップしてしまいました。しまったと思いつつ、これはいつものことだし見ていくかと思ったのも束の間、次の瞬間、画面から聞こえてきたのは「彼女」の歌声でした。
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あの「またね」からこんなにも早く、このような形で「彼女」に出逢えるなどとは微塵も思ってはいなかったので、その瞬間はただただ圧巻され、得も言われぬ感情でいっぱいでした。
思い返してみて、あの時の出逢いも色々な偶然があったからこそなので、自分で言うのもなんですが運命的だったなと思いますし、
ーーあぁ、自分はちゃんと見つけたんだな、とも思っています。
「またね」の後
先の偶然の出逢いを果たして以来、自分は再び「彼女」を応援していくことを決めました。
以前に応援し切れなかった分まで今度こそは応援いくんだ、と言ってもその時の自分はどんな応援の形があるかも知らず、どう彼女らを応援したものかと思っていましたがとりあえずは「彼女」ーーAYAMEさんの歌を聴こう、と。
ずっと前から知っていて懐かしさも感じる声だけど、どこか違って聴こえる声。それが単に曲による違いなのかは今よりもずっと未熟な当時の自分には分かりませんでした。しかし、どの曲も当時まで聴いてきていたどれとも違って「彼女」らしさをより感じられる気がしました。
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『 二 代 目 』
そうして応援の形態についても少しずつ見識が広まって彼女らーーAliAを応援し始めた一方、やっぱりあの歌声も忘れられずそちらも聴き続ける、そんな風にしばらくは日々を過ごしていました。
そんなある日、「初代」のチャンネルを見ていると、ふと見知らぬチャンネルが一つ、
ーーそれが所謂二代目『道明寺ここあ』その人でした。
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もう「道明寺ここあ」が動くことはないものだとばかり思っていたため、最初の一瞬こそはもう一度逢えることへの歓喜のような、感動ようなものがありましたが、その間もなく『道明寺ここあ』が動くにしろ以前とはきっと何もかもが違ってくるものなんだろう、と気づいてしまいました。
正直凄く悩みました。今から『道明寺ここあ』を応援していくというのは自分がもともと応援していた人への裏切りになってしまいそうだと感じていたのです。しかし、最後に「彼女」は
「私ではない私にいつか出会うことがあると思います。その時はまた、変わらず応援してくれたら嬉しいです。私ももちろん、応援し続けたいと思ってます。」
と言っていたのを思い出しました。
「彼女」ではない彼女、「果たして自分はこの人を応援していけるのだろうか」というのが当時の自分の心持ちではありました。が、最後の「彼女」の言葉通り、少し覗いてみるだけでも、と自分はもう一度『道明寺ここあ』を応援していくと決めました。
〔 永 遠 の 炎 〕
2020年3月13日、COCOA CHANNEL ー今は『道明寺ここあ』さんの名前になっていますー に『道明寺ここあ』さんの一本目のカバーMVが投稿されました。
そして『道明寺ここあ』さんがカバーした曲は水樹奈々さんの「ETERNAL BLAZE」です。
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ーー圧巻でした。もちろん自分の知っている「彼女」とは全く違う声で、しかし、『道明寺ここあ』さんの魂が込められた力強い歌声でした。あの時すでに自分は『道明寺ここあ』さんの歌声の虜になってしまっていました。
じゃあ歌声が良いから今も応援し続けているのかと言われたら、「確かに歌声はとても良いし応援する理由の立派な一つではある。ただし、それだけではない」と答えます。
『道明寺ここあ』さんはその名前を背負ってこれから活動をしていける人だと、折々で『道明寺ここあ』さんが語った活動に向けての思いを聞き、そして今日までの様々な活躍を見てきてそう思えたからです。
『道明寺ここあ』さんに対しての最初の頃の反応はやはり、賛否両論が飛び交っており中には過度に攻撃的で心無い言葉もありました。そうした最初期の苦しさ、次は現在『道明寺ここあ』さんが所属している音楽事務所RIOT MUSICで一番の先輩となった責任感や期待などの様々なプレッシャーにも立ち向かっていくこととなった苦しさなど、今思えば『彼女』は本当にずっと大変な苦労をしてきたと思います。ただ、その辛さなどをほとんど表に出さず、感じさせないよう気丈に明るく振る舞っていて、何より「誰かに勇気を与えられる音楽を届けたい」というような活動に対する姿勢は最初から今も、ずっと一貫しています。
こうしてずっと『道明寺ここあ』さんをみてきて、『彼女』は自分の中に強い芯があって、アーティストとしても人としても本当に凄い人だなと思います。
『彼女』がそんな『彼女』であるから今も応援していけるのです。
ーー名前以外はもう何もかも変わってしまっても、こういった音楽に対する情熱などを見てると、道明寺ここあという存在は本当に、消えない炎のように永遠だと思えました。
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あなたがどこにいても
そして今、自分は前述の通り「初代」と『二代目』とを応援しています。ただ、これまで「初代」と『二代目』と区別のためもあって呼んできましたが、今では二人ともしっかりと自分らしさを確立させてそれぞれの道を歩んでいます。二人は「初代」でも『二代目』でもなく立派な一人のアーティスト、一人の人間としてこれからを生きていくのです。
こんなnoteを書いておいて言うのもおかしな話だとは思いますが、やはり二人がこうして新しい未来を生きようとしているのに自分だけ過去に拘泥していても仕方ないので、一度ここらで過去を引きずるのを自分もやめようと思います。つまるところ、このnoteは自分にとって餞みたいなものです。
覚えているのならどうしても拘泥してしまうし、忘れてしまうのはとても寂しいです。本当に付き合い方の難しい記憶です。でも決して忘れる必要はないし、たまにならまた思い出に浸るくらいなら許されるのでしょうかーーと具体案などは追々考えます。
自分はどこで、どんな形で活動をしていても応援していくと決めたのでこれからの益々のご活躍を祈るとともに、これからも自分なりに精一杯応援していきます。
最後、随分と長くなってしまいましたが2年越しに、
本当にありがとう、そしてお疲れ様。
次は違う場所で。それじゃ、ーーまたね
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