
『Vtuber学』第Ⅰ部の感想
はじめに
Vtuberについての初の学術書『Vtuber学』第Ⅰ部の感想を書こうと思います。
概要
第Ⅰ部は「Vtuberことはじめ」というタイトルで4章から構成されています。第1章は広田稔さんが書いたVtuber全体の歴史、第2章は吉川慧さんが書いたVtuber事務所大手二社を中心にVtuber事務所のビジネスモデルの分析、第3章は草野虹さんが書いたVtuberをネットカルチャーが生み出した表現者という視点からの分析、第4章はバーチャル美少女ねむさんが書いた一人のVtuber当事者として眺めたVtuberの歴史とVtuberが日常的に住まう場所としてのメタバースの分析で構成されています。
また、それとは別にVtuber事務所経営者のインタビューを載せたコラムが三つ掲載されています。
感想
バ美肉おじさんの重要性
第一に感じた事はVtuberについての事柄がそれぞれ違う視点から分かりやすく事細かに書かれていると感じました。
また、この第Ⅰ部からバ美肉おじさんがVtuberの歴史の最初期から登場して、重要な活躍をしている事が分かり、Vtuberの歴史はバ美肉の歴史とも言えると思います。
対極的な第3章と第4章
Vtuber文化を視聴者とアーティストとしての配信者で分けて考察した第3章はある意味で視聴者と配信者を同じアバターに受肉した生活者として書いた第4章とは対極的です。
第Ⅰ部のVtuberの定義について
この第Ⅰ部のVtuberの定義は「アニメ風のアバターに受肉して配信」ですか、Vtuberの姿をアニメ風と表現するのは、Vtuberがいない時代にアニメを先に受容した世代の偏見かもしれません。
もしかするとアニメとVtuberを同時に受容できる次世代はアニメを「Vtuberが演じるドラマ」と今とは逆にVtuberをベースにアニメを考えるかもしれません。
おわりに
これで『Vtuber学』第Ⅰ部の感想は終わりです。