ドラマ「VRおじさんの初恋」の感想



はじめに

 NHKで放送された原作暴力とも子さんのドラマ「VRおじさんの初恋」の感想を書こうと思います。

あらすじ

 冴えないサラリーマンでVRを使ってバ美肉するバ美肉おじさんのナオキ(肉体名:直樹)はとある終わりゆくソーシャルVRでホナミ(肉体:穂波)という女性アバターに受肉した存在に出会い、そのソーシャルVRでのみ交流し、そのソーシャルVRを一緒に旅する程に仲良くなります。

 しかし、ホナミはそのソーシャルVRでの旅の途中に突然失踪してしまい、ナオキはホナミに会うため現実でホナミが宿る肉体を探し、探し当てます。その肉体は余命幾ばくのない高齢男性でした。

 その後、彼らは再びソーシャルVRと現実で交流し、彼らの取り巻く問題を解決していきます。

感想

この物語で画期的な所

 この物語で画期的なのは、ソーシャルVRでの交流を手段ではなく、彼らの本質として描写している所です。

 例えば、彼らが肉体を伴い現実で出会ったシーンでは、従来の物語ですと現実とソーシャルVRとの姿のギャップで騙されたと感じて怒ったり、現実で仲良くなっても「本当の君に会えた」と称し、ソーシャルVRを使わなくなる思います。

 つまり、従来の物語ですと現実こそが本質でソーシャルVRは交流する手段でしかないのです。

 しかし、この物語はこのシーンの後でもソーシャルVRを使用し、さらに現実にいる時にホナミがソーシャルVRでのナオキを現実でも感じたい為にナオキにソーシャルVRでの喋り方を要求します。

 この事から、この物語はソーシャルVR上でのアバターの姿、キャラクターに現実でのその人同様に本質があると考えていて、それは従来の物語にはない画期的な所だと思います。

この物語が説くアバターの有用性

 また、この物語ではアバターへの受肉の有用性を描いています。

 具体的には、この物語の世界観では心は体によって規定されており、その為アバターへの受肉によって体を変化される事は心を変化される事であり、その事より心(魂)の別の側面を引き出す事が可能だと説いております。

 つまり、アバターへの受肉をただの現実逃避ではない有用なものとして描写しているのです。

 事実、ホナミは美少女アバターに受肉する事でホナミの別の側面が引き出され、それより彼の娘と仲直りする事ができました。

おわりに

 インターネットの普及につれて、ドラマの中でインターネットが描かれたようにこれからはソーシャルVRを題材化したドラマが増え、それ以外のドラマにも日常の描写としてソーシャルVRが描かれる事が多くなると思います。

 暴力とも子さん、NHKのスタッフの皆様、素敵なドラマを製作してくださり、ありがとうございます。



 

 


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