これぞ演劇の真骨頂!(ウエアハウス目撃したよ)
拝啓 あなた
新年明けましておめでとうございます。
ご無沙汰です。私です。
便りがないのはよい便りってな!
観劇初めしてきましたヽ(^。^)丿
出ちゃったよ!早々に2020年No.1の舞台だよこれは!!!オリンピック出れちゃうよ!(???)
■『ウエアハウエア-double-』概要
【脚本・演出】 鈴木勝秀 (る・ぽえ同時上演)
【出演】 平野良、小林且弥 *敬称略
鈴木勝秀26年に渡る実験的シリーズ最新作!
濃密で贅沢な二人芝居!
閉鎖された教会の地下にある“憩いの部屋”で活動する暗唱の会。
各々が詩や小説、戯曲などを暗唱するサークルに参加しているヒガシヤマ(平野)は、ある日、一人でアレン・ギンズバーグの長編詩「吠える」をひたすら練習していた。
そんな彼のもとに謎の男・ルイケ(小林)が現れ・・・・・・。
公式サイト
ゲネレポ
下記も踏まえるともっと楽しめるよ!
エドワード・オールビー「動物園物語」
アレン・ギンズバーグ「吠える」
■なっげえ感想
ねえ〜〜〜舞台の真骨頂を見ました……っ!(;_;)
演劇ってごっっつ面白い!
エンディング、キャラ設定が各公演で違うように見えるの!!!
毎日違うウエアハウス。
毎公演同じストーリーを辿っているのに、些細なきっかけ・ニュアンス・心の動きでエンディングが変わるんですよ。
それは2人の会話スピードや言葉尻の滑らかさだったり、2人が纏う温度感だったり……
言葉のキャッチボールをする中で、受け取る感覚が違えば感情の揺れ方も違うし、投げ返すセリフの質感も変わることが起因してるのかな?
役者それぞれの体調や機嫌も関係しているかもしれない。
もちろん観客の集中度合いも役者は肌で感じていて、幾分か影響を受けていると思う。
観客の方だって、
それぞれ自分の人生・1日を過ごして、その日はその日の気持ちを抱えあの場に来ている。
人によって捉え方が違うのはまあ当たり前ですが、同一のお客が同じ脚本・演出を追っていても、日によって辿り着くエンディングが違う不思議さはここにあるんだなー?
同じ日なんて1日もないことを痛感しますね!
小林さん、平野さん、天候、観客、そして自分自身のコンディションによりけりで見え方が変わってくる。
そんな、自分ではコントロールしきれないほど繊細なレベルでの微妙な違いの積み重ね、分岐でエンディングが導かれていく。
四方囲みステージなので、どの角度の席から見るかでも得られる情報が異なり、また違うエンディングに分岐してゆく……
あの空間に関わる全ての「今」の要素が自然と時間を進めてくれるようでした。
偶然のような必然のような舞台。
贅沢だなあ凄いなあ。好きです。
自由度、想像性、リアルタイム性、五感etc…ありとあらゆる演劇の特性が楽しめる上質な舞台でござった!
人のポテンシャルってすごいな。人と人が出会うことで生まれるエンターテイメントとっても楽しいね。明日はもっと楽しくなるよ。ね、ハム太郎!
さて、日々の私が感じたエンディング・キャラ設定はTwitterに落としました。
以下はザックリまとめ。
・ヒガシヤマ狂ってる説
1.登場人物は同一人物 説
ルイケとヒガシヤマは同一人物の中にいる人格であり、観客はそやつの自己対話を覗き見してる感覚。
二重人格とはまた違って、誰しも持ってる天使と悪魔というか、脳内会議・自己葛藤の部類。
"憩いの部屋"は外界をシャットアウトした心の中モチーフで、唯一の他者不可侵の場。だからヒガシヤマは外には出ないし、都合が悪いことは聞こえないふりをする。
2.舞台は精神病院 説
ヒガシヤマは何かしらの疾患(心と音系?)があり、社会復帰のためのリハビリをしている。
ルイケは病院の先生。
私たちが見ているのはヒガシヤマ視点の虚構現実。
ヒガシヤマが常人に見えたり、ルイケが常人に見えたりする原因はここにあるんかな?
・ルイケ狂ってる説
ルイケ=殺人鬼、ノット殺人鬼いずれも有
社会順応者ヒガシヤマと社会逆行者ルイケのディスコミュニケーションのお話。
これが1番公に出てる粗筋に沿ってると思う。
人間性の善悪ではなくって、この社会に順応するか否か。どちらも悪ではないし、真っ当ではある。
ただ、このタイプの2人は心と心でぶつかれないんだろうな。己の正義が全く交差しないから。
ヒガシヤマからみるとルイケは不条理で、ルイケからみるとヒガシヤマは不条理。でも両者ごとには道理はかなってんだよなあ。
人間ゆえに歩み寄ろうとするけれど、
すればするほど己と違うことに気づいて反発して状況が悪化してく。
一つ一つの選択によって関係性と状況が転がってく事件現場を目撃しているような感覚でした。
自分の日常にも照らしてみて、コミュニケーションの難しさに辟易したね!
普段、選択の積み重ねで今が訪れているんだなってのも改めて実感したよね。自分で選んだ未来(今)なんだよね……
人との対話大切にしたいです。
にしても怖かった!蚊帳の外である我々もルイケと目が合ったら殺されそうだったし、ヒガシヤマには早くボディーガードつけてあげたかった。平和ないつもの日常はよ……
・世にも奇妙な物語「イマキヨさん」説 笑
「イマキヨさん」は、1人暮らしの寂しい人に憑き、ルールを守る限りは幸福をもたらす座敷童子的な存在。
*イマキヨさんを無理矢理追い出さない
*イマキヨさんを傷つけない
*イマキヨさんの前で引っ越しの話をしない
*イマキヨさんにあやまらない
最後のルールを破ると新しいイマキヨさんになっちゃうんだって。
\次のルイケはお前だ〜〜〜〜!!!!!/
(※あの性格のヒガシヤマが結婚指輪をしてなかったのは本当は独身だからなのでは?それか平野さんがウブか)
・薔薇(隠語)説
これは現実世界でこっそり語りませう。
原作は愛の話でもあるのであながち間違いではないと思ってる。
天涯孤独のルイケは愛に飢えていて、愛だと感じたものをトリガーに歩みよってくるし、反発する気があったもん。
自分に興味持ってくれた!これは愛だ!って嬉しい時わかりやすすぎてかわいいかった。しっぽブンブン振ってた。ヒガシヤマはそんなつもりではないのにね……空気読んだ受け答えしてただけ……
◇◇◇
私一人でもこんだけエンディングあるのよ!
ウエアハウスのパラレルワールド感えげつなくないですか?
ルイケはヒガシヤマにころしてもらえるまで平行世界を移動してあの時間を繰り返すのかもしれない……
きっと円盤販売か映像配信があるので、ぜひ自分の目と耳と心で感じてみてください。
グダグダ言いましたが、重要なのはストーリーの正解ではなくって!
肌感によって色んなエンディングが楽しめるよっていう!
舞台って生モノだ!!!!!
鮮度!五感、六感!想像力!環境!人間と人間!
今が詰まってるかけがえなさ含めて愛しいな、たまらないな。
演劇ってこんなにも面白いんだな。無限大だよ無限大!
それと!
こんな繊細な心の動きにグルグル翻弄されてたのはぜ〜んぶスズカツさんの仕込みだなあって思うと興奮しますよね。
飾り気のない舞台セット。
外野は息をするのも憚られる2人きりの密室。
そこに投入される光と音。
緊張と弛緩、共感と違和感の空間づくり。
毎日違う違うって散々上で騒いでますが、会話進行時の違いと言ってもほんっとに些細なものなんですよ。
それがこんなにクリティカルにヒットしてくるのは、心の動きに過敏になれる空間を用意していただいてたから。
目をつぶって音を聞くと普段聞こえないくらいクリアに聞こえるのと同じで、ウエアハウスは目で得られる情報が少ない分、心情の展開にガッと集中できた。集中しすぎて私という個体が霧散して空間の一部になるかと思ったほどです。
大人2人の静かな会話かと思いきや、心はずっと動いていたんですよね。疲れた。
人間ってまじで知性をもった「動物」なんだな!と思いました(伝われ!)
■こばかつ&ひらりょの相性
本ッッッ当に天才的なペアだった。
顔面・体形の外見相性ヨシ!魅惑の約15cm差!
芝居と居心地の波長ヨシ!
作品柄、雰囲気はずっと不穏で逃げ出したかったりもしたけど、この場から一時も離れたくない心地良さもありました。
この2人だからこそでしょ。
複数人の掛け合いで化学反応が起きるのも素敵だけど、
ふたりぼっちという誤魔化せない、かつ依存性もあるエモ拗らせ関係はたまりませんね。一方通行がないという安心感も計り知れないです。よそはよそ、うちはうちってな。
小林さんパンフコメ「他の誰でもない2人だけの軌跡が乗っかるような舞台になったらいいなあ」
そ!!!!!れ!!!!!涙涙涙!!!!!
このお2人は摩擦がなかったなあとも思います。
摩擦が面白いものを生み出したりもするけど、
本当にとてもありのままで、濁りっ気なしの純度100%のお2人がそこにいた。
本当に嬉しかった。贔屓役者の飾り気ないドストレートな芝居が見れてファンは嬉しゅうございました。
2人の運命の出会いに杯を。
神様・スズカツ様・るひま様ありがとうございました!
また何卒こばかつ&ひらりょをお頼み申し上げます。
▼生きてることに感謝する最高の2ショット
※心臓の弱い方は注意してください
▼御二方の楽後コメント
■推しについて語れないオタク
あのね、今作本番期間中はずっと作品自体の話をしてました。
いっつも推し推し推しさんどうしてあなたはそんなに推しなの〜~てギャーギャー喚いてますが今回は推しさんの話あんましてない。
推しさんのお芝居が大好きだけど、どこがどう最高なのかを語るのは気が引けたんですよね。そこにあるものが全てだよ。って(照れ)
その場を語るのが誠意であり、推しさんの素晴らしさを語るのに直結してると思ったんよな。
ひとつ語るならば(語るんかい)、
場の流れ・時間に身を任せて自然に過ごしてゆく【推し!生きてる!】の最高の芝居の中で、
好奇心旺盛な役者心が顔出すのブラボーでした。
繊細な場面の中で、「この一石を投じたら状況はどう転がるんだろう?」って、いたずらっ子みたいな実験もしてたように感じて好きが募りました。
ちょーちょー楽しそうだった。役者って良き!!!!
いいもの見せてくれるって絶対的な信頼を持って劇場へ行くのに、毎度ハードル遥か上を優雅に飛行していく推しさんには全面降伏でございます。もはや、こわい。
目から金平糖だよ☆*。゚
■最後に
私はしょぼくれています。
2/2をもってルイケとヒガシヤマを見納めてしまったし、きっと小林さん&平野さんペアもそう。
失恋よりもビッグな失恋心に苛まれています。しばらく落ち込む。毎夜シャワー浴びながら泣くわ……
ウエアハウスに出会えて心より嬉しかったです。感謝申し上げます。
最高の陣営・作品で、連日本当に楽しそうな役者の芝居を観劇できて至福の時でした。
一生忘れられない感情・光景です。
私、実はこんなに演劇好きだったんだなあ。
まだまだ語りたいけれど、おおやけに多くを語ってはいけない気がしています。(もう十分語ってる)
あの薄暗い地下教会の中にひそめておいた方がよさそう。
なので、続きは新国立劇場PITで語りましょう。待っています……
It’s very hot today, isn’t it?~~~~~~~~
私より
■テキスト・サウンド
テキスト「130313-ウエアハウス」text1
サウンド「SMALL ROOM_2」