OYO LIFEに半年間住んで思ったこと
インドのホテルスタートアップ、OYO HOTELの日本法人が展開するマンスリーマンションのサービス「OYO LIFE」を使って思ったことと、最近の話を書きます。
引越しに当たって
2019年の秋ころから入居しました。それまでの家具は全部処分して、キャリーケース2個、段ボール1個で入居しました。初めての入居で特に感動した点は「オンラインで全ての手続きが完了する」点です。まじでメールのやりとりと、証明書周りの撮影送信、「同意する」ボタンを押すプロセスで完了します。内覧もしてません。個人的にはとにかく2年契約縛り+書類の圧倒的な量と事務手続きが嫌で、本当に誰か助けてくれと思ってたのでまさに救世主的サービスです。サンキュー、リテッシュ...
一般的に言うと1番のネックは内覧しないことだと思います。どうせ3ヶ月くらいでまた引っ越そうと思ってたので、よほど最悪じゃない限りどうにでもなる、と思ってあまり部屋の画像もちゃんと見ていませんでした。そしたらガスコンロだと思ってたの勘違いで、IHだった。でもそのくらいです。内覧してもどうせわからないような「隣人がヤバい」「深夜の交通騒音がすごい」とかのパターン、実際に経験もあって、内覧の有無というより2年縛りシステム自体が乱暴な商売だと思ってます。あと更新料とか礼金とか不条理な制度が横行してますし...。まじでなんだ?更新料って。普通に考えて更新して欲しいんですよね?だったら取らないですよね。他のサービス考えると。更新したら家賃下がるわけでもないし。
元々の荷物で、捨てられないがすぐ使わないものはSummary Pocketに全部入れました。Summary Pocketめっちゃ良いです。便利。安いし。1箱あたり月数百円ですよ。それでコートとか本とか預けて、必要な時に数日以内に引き出せる...と言う。
一発目どうだったか
端的に言うと全くストレスを感じていませんでした。根無草をしたい人間には破壊的に良いサービスだと思っています。サポートも全てオンライン、訳のわからない書類への直筆記入は一切なく、期間更新も比較的柔軟に可能です。家具家電もついてますし、食器類も最低限あります。日用品を数千円分買えば、暮らしの準備は完了です。入居当日にタクシーで引っ越しましたし、新しい生活用の準備も一日で終わりました。ほとんどダメージがありませんし、当然一度OYOに入居すると引越しのコストが激減するので、次もOYOにしやすい状態が続きます。
二発目いったか
いきました。2020年の春くらいです。なので一発目から3-4ヶ月で引っ越した形です。やはり引越しのコストはなく、むしろOYO→OYOだと解約の手続きもボタン一つ...と言うか別の部屋への乗り換えだともう15分も手続きかかってません。狂気のサービスです。「旅するように暮らそう」をまさに体現するサービスだと思います。東京23区全てに住もうと思っても、3ヶ月単位なら5年程度で全ての実績が解除される訳です。ちょっと治安が悪かったり、アクセスが悪いところも試しに住んでみることができます。3ヶ月くらいの契約にしておけば多少我慢すれば良いわけですから。気に入ったら更新したら良いのです。
できるようになったこと、できなくなったこと
できるようになったこと
・人に勧められたらそこにすぐ住める
・趣味などの都合に合わせることも、仕事の忙しさに合わせて近辺にも住める
・引越しを趣味にできる
・部屋が散らからなくなった
できなくなったこと
・家具、雑貨収集
・ペットを飼うこと(元々飼ってませんでしたが)
・住所を書き損じないこと(頻繁に変わるので特に番地を間違える)
結論:引越ししまくるのまじで楽しい
OYOの提灯記事かよ
すみません、応援したい気持ちはあるのですが、違います。言いたいことは「OYO最近おかしくなってきて悲しい」と言う話です。結論から言うとOYOの必然性が弱まってきて、一旦別の、シェアハウスに引っ越すことにしました。
そもそも「好きな時に、好きな街へ」「旅するように暮らそう」がコンセプトであり、既存の住居賃貸サービスとの圧倒的な違い、面白さはここだったわけです。最近どうなってるかと言うと、長期契約の優遇、方向付けの施策が続き、短期の契約に対する家賃増額が目立ってきました。ほとんどの施策で「長期契約ならお得」と謳うわけです。そりゃ当たり前です。では長期契約をすれば良いではないか、と言われると、それだったら割高の家賃を払ってOYOにする理由がないんですね。普通に賃貸を借りた方が良いです。ガス水道光熱費一定とはいえ、相場の2-3万円割増なのですから。手続き・契約周りの費用を考えても長期でその金額が積まれてくると考えると大した差がなくなってしまいます。個人的には平日会社にずっと行っているので、ガス水道光熱費が平均より安い生活をしています。こうなると利点は「契約が簡単」でしかありません...と言うか、ぶっちゃけザルです。身分証の写真何枚かとクレジットカードしか情報渡してないんですから。入居者にグレーな仕事をしてる人がいても全く疑問ではないです。
経営ヤバいんじゃないのか
シンプルにちょっとヤバいんだと思います。いろいろニュースで不安材料も飛び交いますし、「OYOの人が結構転職して流出しちゃってる」とも聞きます。OYOで働いている人からも経営方針に対する不安の声を聞いたことがあります。こう考えると長期契約でキャッシュフローの目処が立ってないとヤバいわけですね。長期契約を促したくなる気持ちもわかりますが...。
近頃は他にも穴が目立ちます
ここ1-2ヶ月でサポートの質がシンプルに下がりました。設置されてるWi-MAXが不良品続出してる機種で有名だったり、アメニティの幅や質が減ったり、問い合わせも絶対内容読んでないまま定型文送ってきて、こちらから内容読んでくださいと一度返すとか...前はそんな子じゃなかったのに...都会に染まって変わっちまったのか。企業とのコラボで試供品が部屋に置かれてたりと工夫は進んでいるようですが、お金をもらう意味では良いですがエクスペリエンスとしては端的に言って無意味だと思います。「引越しを何回しようが結果として長期で入居してもらう」ための施策が足りていません。一度OYOに住むと、長期の契約はむしろ精神的なハードルを感じます。
あと別件ですが「新しい物件は問い合わせないと情報が出てこない」の本当にやめた方が良いと思います。素人目にも明らかに圧倒的な工数がかかっており、正直自分で探した方が希望の物件見つかりやすいですし、見つかるまでのタイムラグによっては全てオンラインで契約が簡単に解決する...の利点を殺しかねないです。対面で関係値があるわけでもないので、離脱率を上げてそうです。申し訳ないですが僕は(もちろんサーバーに強い負荷をかけないようにしつつ)OYOのページを定期的にクロールして目的の物件を探していました。
それで、オチは
頼む、この記事をOYOのカスタマーサクセス的な人、見て、改善してくれ、早急にコンセプトを思い出してくれ、そういう気持ちです。家具もグレードアップできるプランがあると嬉しい。備え付けのベットの質が悪いので僕は毎回コイルスプリングのマットを買って、なんと毎回捨ててます。地球スマン...
あと、ネガなこと赤裸々に書きすぎて多分無理だと思うんですが、引越ししまくるの楽しそうだなと思った根無し草気質の貴方。僕が神経質なだけかもしれません。荷物全部Summary Pocketにぶちこんで入居してみてください。生活がサブスクになるので自由度が飛躍的に高まります。