自作のアルコールバーナー



コーヒーサイフォンを持っている。
以前友人宅にお邪魔した時に見たアクティブなビジュアルに惹かれて、自分でも買い求めてしまったのだ。
コーヒー党というわけでもないのだか、ボコボコと湧き上がるそのビジュアルが見たくて、休みの日の朝はサイフォンでコーヒーを淹れている。

だがこのサイフォン、ひとつだけ不満があった。
付属のアルコールランプの火力が弱いのである。
沸かしたばかりのお湯を使うのであればいいが、ポットの中にあるお湯でも再び湧き出すにはいささか時間がかかる。そこで代わりになるものはないかと探していたところ、見つけたのがキャンプ用のアルコールバーナーだった。

最初は市販品を買う気だった。しかしちょっとディープにググってみると、自作例がわんさと出てくる。
自作ーー男の子心をくすぐるキーワードである。
私は缶ビールを買いにスーパーへ走っていた。

普段ビールを飲まない。
ましてアサヒスーパードライなど、居酒屋の飲み放題の一杯目でしか飲んだことがない。しかしスーパーにあった手頃な135ml缶はスーパードライのものしかなかった。
250mlの缶ジュースという選択肢もあったはずだが、スーパードライを選んだのは缶ジュースよりも安かったからだったと思う。

かくしてスーパードライを3缶買ってきた私は、サクッと中身を飲み干して工作へと移った。

アルミ缶のカットはなかなかに大変だった。
一度刃を当てただけではカットできず、カッターの歯に缶を当てながら何度も回した。回す時の微妙な力加減でラインがずれるので効率も悪い。
ようやく切れたと思ったら、始点と終点で1mmほどの誤差があったりする。まぁ、そのくらいはヤスリで削って修正する。

そんなこんなで3本の缶を切って穴を開けて組み上げる。日曜大工にはちょうどもってこいの工作だった。

こうして作り上げたアルコールバーナー、結構活躍してくれている。
コーヒーを淹れるのにはもちろん、弁当用に1合のご飯を炊くのにも使ったりしている。室内でご飯を炊くには、30ml~40mlほどのアルコールを使用する。
当然吹きこぼれるので、クッカーの上には何かしらの重しを乗せる必要がある。いささか芯の残った感があるのは、無洗米のせいだろうか。
外気温が17度ほどの外で湯を沸かした時には、40mlほどのアルコールを使った。水の量は300mlで、10分ほどで湧いた。
気温等の関係で、湯が沸く直前に火が消えたなんてこともたまにあるが、それもまた楽しいハプニングである。

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