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【二桁億トレーダーを作った考え方⑤】【理にかなってトレードで勝つ】期待値についての考え方

まず、トレーダーとして期待値について理解することが重要です。

期待値の理解

期待値を考える際、パチンコのスロットを例にするとわかりやすいでしょう。スロットには「設定」と呼ばれるものがあり、設定は1から6の段階に分かれています。設定が高いほど「高設定」とされます。この中に機械割が100%を超える設定が存在し、この100%が勝てるか負けるかの境界線となります。

  • 機械割100%:プラスマイナス0(勝てるか負けるかの分岐点)

  • 機械割110%:結果的には勝てる

  • 機械割90%:結果的には負ける

機械割110%のスロットは勝てますが、すぐに結果が出るわけではありません。確率が収束するまでには、約8万回レバーを叩く必要があると言われています。この間に利益が出たり損失が出たりし、最終的にはプラスになるのです。逆に、機械割90%の場合は同様のプロセスを経て、結果的にマイナスになります。

期待値が100を超える場合、負けていても勝っていても、1回のスロットゲームを行う行動には〇円の報酬が発生します。これは、長期的な視点で見たときに、期待値がプラスであることを示しています。つまり、期待値が100を超える状況では、その行動が将来的に利益をもたらす可能性があるということです。

この考え方をトレードに当てはめると、期待値を理解する手助けになります。

これらを踏まえると、期待値を理解している人と知らない人とでは、トレードにおいて大きな差が生まれます。有名カリスマトレーダーの中には、実はパチプロだったという人が多いですが、これは期待値を理解した上でトレードを行っているからです。

もちろん、自身のトレードにおける期待値を完璧に把握し、それを実行している人はほとんどいないと思います。しかし、期待値を知った上でトレードに臨むのと、全く知らない状態で臨むのでは、結果に大きな違いが生じると私は考えています。

期待値を理解することで、1回1回の損切りや利確がいかに意味がないかを実感できます。スロットの例を挙げると、8万回プレイしないと結果が出ないのに、その日50回トレードしたり、月に1000回トレードしたり、さらには数回のトレードで結論を出すことは無意味だと気づけるはずです。

この観点から見ると、スイングトレードはもちろん、スキャルピングでさえ、数万回の取引を行い、同じ条件で機械的に試行した結果を知ることは難しいでしょう。一般的なトレードは非常に不安定で、結果が見えないものであることを理解することが重要です。トレードにおいては、短期的な結果に一喜一憂するのではなく、長期的な視点を持つことが必要です。

上記で触れた「機械的に試行した」という点に注目してください。スロットで設定4が機械割110だと仮定します。この機械割が110を超えるためには、一連のルールを正確に遂行する必要があります。たとえば、スロットでは「コインを3枚投入し、レバーを叩くボタンを左から3回押す」という具体的なルールがあります。

このルールに従わなければ、設定4で機械割が110を超えることはありません。

スロットのルールは単純で、毎回同じ手順を繰り返すことが可能ですが、トレードの場合はそうはいきません。たとえば、抵抗線を超えたら、特定のレートに達したら、トレンドラインに触れたらといったさまざまなルールがあります。しかし、これらのルールをスロットでいう「レバーを叩いた後にボタンを押す」程度の単純さで実行することは、手動で行う裁量トレードではほぼ不可能です。

裁量トレードでは、ルールがどうしてもぶれてしまいます。これは、スロットの設定が4になったり3になったり、5や1になったりするのと同じ状況です。その結果、同じルールに基づいた機械的な試行が行われず、期待値が収束することはほぼ不可能です。

また、仮に機械的にトレードを遂行できたとしても、8万回もの手動トレードは想像以上のストレスを伴い、健康にも影響を及ぼす可能性があります。このように、トレードには多くの複雑さが伴い、安定した結果を得ることが難しいのです。

ではシステムトレードが良いかどうかについて、私も必ずしもそうとは思いません。その理由はシンプルです。同じルールを遵守していたとしても、8万回の試行結果を知らないからです。

年数ではありません。大切なのは回数です。

私は15年のトレード経験がありますが、自分が「これは勝てる」と確信できるのは、システムを利用したアービトラージとレイテンシー取引だけです。これらの手法は、システムを利用することで毎回同じルールでの取引が可能になります。

アービトラージのような裁定取引は、理論的に必ず勝てる現象を利用するため、試行回数はそれほど必要ありません。一方、レイテンシー取引は、過去13年間にわたり、1日300回前後の取引を行ってきたことで、8万回以上の試行経験が自分にはあります。

15年の間にそれなりの結果を出してきましたが、期待値的に勝てると確信できる手法は2つしかありません。このように、信頼度の高いトレード手法を確立することは非常に難しいのです。トレードの世界では、どんな手法でも、期待値的に考えると、まだ答えがわからないギャンブル手法であることが多いという認識が重要です。

アービトラージとレイテンシーを挙げましたが、レイテンシーにはさまざまな応用が可能です。私はこの期待値的に信頼できるレイテンシーを基にトレード戦略を構築し、成功を収めることができました。次の記事では、具体的にどのようなトレード戦略を立ててきたのかを解説したいと思います。


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