もしエンジニアがマーケティングを20日間勉強したら
ブランド人を目指す!田端大学の山田です!
前回のブログでは、マーケやエンジニアなどの職種間の溝はほんの少しの学習で乗り越えることができる!自ら学びに行く姿勢!質の高いアウトプットが大切!という話を書きました。
今回は、エンジニアがマーケティングを学びはじめてから20日までの間に直面した疑問と、それらの疑問に対する自分なりの結論を共有します。
課題1.「ブランド」ってなんだろう?
課題2.「ビジネスモデル」って何なの?
課題3.「ビジネスモデル」は描いたほうがいいのか?
「ブランド」ってなんだろう?
マーケティング関係の本を読んでいると、「ブランド」という言葉が頻出します。しかし、エンジニアである自分には、
正直、「ブランド」とはなんなのか、いまいちピンときてなかった。
「ブランド」という単語を調べてみても、これに関する明確な答えはいまいち出てきません。「ブランド」は、それ自体が様々な知覚や経験を内包している概念ですから、一言ではっきり説明できるものではないのかもしれません。でも、「ブランド」という概念への造詣が曖昧なままでは、自分自身で「ブランド」を体現していくことも難しい。
最初に辿り着いた一つの結論は、
「ブランディング」は、「マラソン」である。
というところです。
「ブランド」は、ぼんやりと知覚することはできますが、最初のうちははっきりとは捉えにくく、アウトプットを継続していかなくては、「ブランド」は人々に知覚されません。だから、「ブランディング」によって、統一されたメッセージ性、ビジョン、ロゴを使用して自分自身を表現していく。「ブランディング」で、ブランドという「個」を表現しようとする。さらに、状況と共に有機的に「個」のアウトプットを変化させていく。
常にアウトプットをし続けることで、「個」はやがて「ブランド」となって、人々に知覚されます。ビジョンと整合性のある一貫したアウトプットを発信し続けることに失敗すると、人々の知覚から「ブランド」の印象は薄れていってしまうでしょう。
自分自身が(WHO)、なぜそのようなビジョンをもっていて(WHY)、何をアウトプットしていくのか(WHAT)。
「ブランディング」では、WHO / WHY / WHAT。この3点の課題に対して、真剣に向き合っていく必要があります。しかしおそらく、「ブランディング」のやり方に、正解というものはありません。
「ブランディング」は、永久に続く禅問答です。
しかし、そのような、「ブランディング」によるアウトプットの結果、あるいはは途中経過こそが「ブランド」であるという答えが出せました。
「ビジネスモデル」って何なの?
これも日常生活の中では、滅多に考えることのない課題です。これまで、自分の頭の中にあった「ビジネスモデル」は、お金を回収するところまでの、ざっくりした流れを描いた「お絵かき」という程度の認識でした。ビジネスモデルが多少貧弱でも、「マーケティング」や「エンジニアリング」といった「実力」でカバーできるものだろうと。
しかし、それは「ビジネスモデル」を誤解していることに気付きました。
商品やサービスが売れるための仕組みである「ビジネスモデル」が脆弱ならば、「マーケティング」はそもそも機能しなくなる。
「ビジネスモデル」は、人々の共感を誘い、雪だるま式に認知が転がっていく仕組みであることが必要最低条件です。「ビジネスモデル」の中に内包されたビジョンや感動に多くの人達が賛同して、より大きな反響が返ってくるようなセンシティブなメッセージ性やエンターテイメント性が盛り込まれていなければ、多くの人々に「ブランド」という知覚が広がっていくことはないという結論に至りました。
つまり、現代における「ビジネスモデル」は、芸術やエンターテイメントのようなものです。
もし、周囲の人々に何かを届けたとしても、人々の反応が希薄であるならば、「S-R(刺激-反応)モデル」が成立しなくなってしまいます。すると、「AIDMAモデル」のようなものも成立しなくなってしまう。自分達のブランドの世界観にインフルエンサーのような人々を引き入れることができません。そのようなとき、マーケティングの効果は希薄化されるか、マーケティングそのものが完全に無効になってしまいます。
「ビジネスモデル」は描いたほうがいいのか?
「お絵かき」程度の認識で書いた程度のビジネスモデルでも、成功するときは成功します。「そんなの、単なるビギナーズラックだ」と揶揄する人達もいるかもしれませんが、「お絵かき」や「ワークショップ」から発想を大きく広げていくことはアプローチとしては間違っていません。「リーンキャンバス」のような手法を使って、ビジネスモデルを補強していくようなアプローチも展開できるでしょう。
「お絵かき」することの本質は、フレームワークとしての伝達可能性を高めるところにある。
会社で「事業」や「ブランド」を立ち上げようとするときには、自社の「ビジネスモデル」を何名かの従業員が再現可能でなければなりません。自社が持つ「ビジネスモデル」を従業員の誰もが再現不可能な場合、会社のビジネスがスケールに失敗してしまう可能性を高めることになるでしょう。「ビジネスモデル」は、「フレームワーク」を使用して定量的・定性的、あるいは感覚的に解析・再現・伝達可能なモデルであることが望ましいと思われます。
しかし、そうすると、再現可能性が高いビジネスモデルであるほど、他社(他者)が模倣しやすくなってしまうというトレードオフ的な潜在的課題がやがて露呈します。スタートアップの時点では、その対策を突き詰めて考える必要はありませんが、技術を磨いたり、貴重な設備を調達し、「ブランド」に必要となる資源(リソース)の希少性を高めていくことで、模倣困難性を高める活動を検討していく必要が生じます。
まとめ
1.「ブランディング」は、永久に続く禅問答。
2.商品やサービスが売れるための仕組みである「ビジネスモデル」が脆弱ならば、「マーケティング」はそもそも機能しなくなる。
3.「お絵かき」することの本質は、フレームワークとしての伝達可能性を高めるところにある。
書籍やスライドを読んだだけでわかった気になってしまいがちだけど、実際に自分でアレコレと試行錯誤してみたり、図を書いてみたりしないと身に付かない学問ってたまにありますが、ここまでマーケティングを勉強してきた感想としては、マーケティングもそうした種類の学問なのではないだろうかと思います。良い意味で自分の期待を裏切ってくれました!
マーケティングに対する理解が少し深まった気がします。今後は「お絵かき」をアウトプットする頻度も高めてみたいと思います!
\ さあ、パンツを脱げ!/
ブランド人への一歩はそこからだ!