青森と岩手 7泊8日旅をする ~岩手編~
前回の青森旅はこちら↓
・・・気づけば前回の記事からだいぶ時間が空いてしまいました。とはいえ下書きはできていたので、あとは確認して公開するだけだったのですが。
仕事やら引っ越しやらで年末年始は休みがなく(言い訳)・・・。ようやくひと段落して、やっと今(1月下旬)になってクリスマスソングを聞いてクリスマス気分を味わっているところです。ケリー・クラークソンのUnderneath the Treeは名曲。
5日目(後半) 花巻
新青森駅→北上駅
午前10時39分、新青森駅から新幹線に乗り、岩手の北上駅に向かう。
盛岡駅で、在来線の東北本線に乗り換えて約1時間。
午後1時ごろに北上駅のホテルに荷物を預け、いざ観光へ。
なぜ北上にホテルを取ったかというと、各観光地の中間地点と考えたから。盛岡へは電車で1時間かからないくらい、花巻へは30分、遠野へは1時間ほど、平泉へは30分で着く、そして新幹線も通っているので帰りはラクラク帰ることもできちゃう。最強の中間地点。
花巻
午後1時30分ごろ。北上から二駅ほどで、花巻駅に着いた。
とりあえず花巻といえば宮沢賢治。駅には「祝・大谷翔平」的な垂れ幕が下がっていたけど。そういえばここって大谷翔平ゆかりの地だ。
さっそく宮沢賢治記念館へ行こう! と思いきや。次のバスは1時間後…。
ということで、観光案内所の人に教えてもらった林風舎に行く。
林風舎
林風舎は駅から徒歩5分ほどのところにある。1階は岩手の工芸品を宮沢賢治の作品にアレンジした物などがあって、宮沢賢治ファンの人にはたまらない空間だ~。
2階はカフェ。お腹がすいたのでケーキと紅茶のセットを注文する。
イスやテーブル、壁に掛けられた装飾など、アンティークでおしゃれなものばかり。外套を羽織った紳士が訪れて読書をしてるのが目に浮かぶなぁ…。上はモンベル、下はワークマンのアウトドアルックな自分は縮こまってしまったが。
* * *
午後2時半ごろ、バスが来たので、いざ宮沢賢治記念館へ。
しかし記念館周辺の施設は、閉館時間が午後4時30分~午後5時。
記念館最寄りのバス停に着くのが午後3時・・・。
つまりここから約2時間ほどで、周辺施設の『賢治童話村賢治の学校』『花巻市博物館』『宮沢賢治記念館』『イーハトーブ館』の4施設を周らなければならない・・・。
旅は常に時間との勝負ですよ。
※ここから続く花巻観光の感想について、感想をもっとたくさん書きたかったのですが、いかんせん時間と勝負していたため、じっくり味わうこともできず、うっっっすい感想が続きます。大変申し訳ございません。
花巻市を味わいたい方は、是非その身で味わってください。決して私のようにギリギリスケジュールで動いてはなりません。自戒を込めて…。
宮沢賢治童話村(賢治の学校)→花巻市博物館
この銀河ステーションを抜けると、お子様も自由に駆け回れる広場が。
植物や動物、星について学べるちょっとした施設やお土産ショップも無料で入れました。
有料なのは童話村内の『賢治童話村賢治の学校』なのですが。
バスでもらった券を提示すると無料に!
中は賢治の作品をテーマにした展示があって、なかなかファンタジックで面白かった。
* * *
童話村内に、花巻市博物館への入り口があった。
縄文時代にまつわる展示や、現代にいたるまでの展示物がたくさんあった。
遮光器土偶や、ゆるいクマやイノシシなどの土器などもあった。このゆる~い動物の土器が、今の時代にも通用するくらいかわいい。
縄文時代のサンリオキャラクター。
宮沢賢治記念館→山猫軒→イーハトーブ館
というわけで、童話村エリアを後にし、道路を挟んだ向こう側にある宮沢賢治記念館に行く。
記念館に行くには、約300段の階段を上らなければならない。たぶん別の道もあると思うが、急いでいたので目の前にあったこの階段を上ることにした。観光案内所の人も「階段きついけど勉強になるわよ~」て言ってたし。
雨ニモマケズの詩の文字数と同じ段数らしい・・・。
文字数、多・・・・・・・・・・。
賢治さんもう少し詩を短くしてくれませんか。でくの坊とも呼ばないし、めっちゃ褒めるから。今だけでいいんで・・まじで・・・。
でもまあ、昨年の真夏に登った山形の羽黒山の参道(2446段)をレベル90だとすると、これはまだ赤ちゃんだな。と、登り切った後に余裕ぶる。
結構急ぎ足で回った。30分ほどで回りました。
宗教、宇宙、石、科学。賢治が触れてきたもの、何を土台にして作品が作られていったか、ということの解説がされていた。
記念館の前にある山猫軒で南部鉄器のペン立てを買う。今回の岩手グッズとして南部鉄器の何かしらを買おうとしてたので、これでミッションクリア。
急いでイーハトーブ館へ。
午後4時50分、閉館間際のイーハトーブ館を5分ほどで見て回る。ここにもグッズもたくさんあった。
しかしたったの5分しか滞在しないってのも、なんだか・・いいのかこれ?と自分で自分を疑い始める。
そして午後5時の最終バスに…何とか間に合った。
・・・次回はちゃんと時間を取って訪れたいですね(反省)
* * *
夕食は北上駅周辺のお蕎麦屋で「芋の子せいろ」を食べる。これがめちゃくちゃおいしい! 写真見てたらまた食べたくなってきた。
つゆに入った野菜がゴロゴロほくほくで、味もくどすぎなくするする食べられました。天ぷらもサクサクで最高!
そして夕食を終え、ホテルに戻る。ビジネスホテルのお風呂の使い方が下手なのか、ユニットバスの床が水浸しになる。今回の旅で2度目の浸水。
6日目 遠野でサイクリング
午前6時30分、起床。
気温約5℃。カーテンをめくると窓が結露でぼんやりしていた。天気は快晴。
午前8時ごろ。今日は釜石線に乗って遠野の盆地に行きます。
ガタンコガタンコ、シュウフッフッ…。
北上駅から花巻駅に行き、釜石線に乗り換える。
花巻から遠野へは交通系のICカードが使えないため、久しぶりに切符を買う。
改札口で駅員さんに切符を渡し、スタンプを押してもらう。
そういえば今日は日曜日。ボーイスカウトの子供たちも乗ってきて、だいぶにぎやかな休日らしい車内。
グーグルマップで見るとよくわかるのですが、遠野は山間のポツンと空いた場所に位置しています。埼玉県で言えば秩父盆地みたいな感じですかね?(分かりづらい)
道路や線路がなければ、陸の孤島だったのでしょう。
そういうことを考えると、不思議な伝承が生まれてきても何ら不思議じゃないような。
* * *
午前10時過ぎ。遠野駅で降り、駅員さんに切符を渡す。こういうアナログなやり方も、遠野という場所に合っていて良いね~。
柳田國男の遠野物語や、河童で有名な遠野。遠野物語にある各話由来の地に行ったら、絶対に一日じゃ足りない。
念のため、遠野物語の文庫本も携えてきましたが・・・。
毎度のことながら時間とバトってしまったため、遠野物語の内容を踏まえながらの旅がなかなかできませんでした・・・(大反省)
* * *
遠野の移動は、自転車。
前日まで車と迷っていたが、天気もいいし、自転車で行ったほうが絶対気持ちいいし。
駅近くの観光案内所には、レンタサイクルの受付があるので、電動アシスト付きの自転車を借りて周ることに。料金は後払い制。
晴れって最高~。
雨の日が嫌というわけではないが、動き回るうえでは涼しい日の晴れに勝るものはない。
気温もちょっと寒いくらいがちょうどいいので、絶好のサイクリング日和。
しかし久しぶりに自転車に乗ったので、ギア3の感覚を忘れていた。眠っていた自転車筋も徐々に息を吹き返し、すいすいと遠野の道を自転車で駆け回った。
自転車道も整備されており、自転車ユーザーに優しい。
というか景色がよすぎる。
紅葉した山々。風に流れるススキの原っぱ。流れる川・・・。
・・・遠野にも泊まればよかった。
途中で猫を見かけたが、電動アシスト付き自転車に驚いて逃げられてしまった。
遠野ふるさと村
午前11時30分ごろ。自転車で一時間ほどかけて、遠野ふるさと村に着く。
結構時間かかったな・・・(息切れ)
ここら辺の建物で特徴的な厩も併せ持った家の作り『曲り家』が点在している。馬と一緒に暮らせるのいいな~。においは大変そうだけど。
今でもボランティアの集まりやイベントか何かで実際に使っているらしく、竈から湯気が出ていたり、ステンレスの台所やお鍋が置いてあった。
福泉寺→伝承園→遠野八幡宮
来た道を戻り、今度は道すがら福泉寺へ。
自転車を止める場所がわからないので受付の人に聞くと、「電動アシストの自転車なら上まで登っていただいて構いませんよ」とのこと。
まあすぐにつくだろうと思っていたが、想像以上に急で長い坂。心臓破りの坂ですね、これは。
電動アシスト付自転車は、坂道もスイスイ行けるといえども限度はある。所詮は電動”アシスト”自転車なのだ。急な坂道だと自転車側もアシストしきれない。最後に頼れるのは己の筋肉のみ。
徒歩で歩く人たちがひいひい言ってる中、こっちもひいひい言いなが自転車をこぐ。
途中、坂を歩いているおじさんたちを追い抜くと「電動自転車、正解!」と言われる。そのあとちょっと仲良くなる。
福泉寺を後に、伝承園に行く。
実は時間がなくて、そんなにじっくり回れなかった・・・。繭でできた河童をお土産に買う。
いそいそと去り、遠野八幡宮に行く。
午後2時30分ごろ。遠野駅に着き、自転車を返却する。4時間を超えてしまったで、料金が少し嵩んでしまった。
午後3時ごろ、切符を買い、釜石線に乗って花巻に戻る。
遠野、いいところだったけど、時間に追われてじっくり回れなかったのが悔しかった。一日じゃ足りない。行けなかった場所がたくさんある。『遠野市立博物館』とか『とおの物語の館』とか…。
有名どころの観光地を一気に回ろうとすると大体時間に追われてしまうので、一か所を3泊くらいした方がより充実した旅になるな・・・と反省する。
でもこれはこれで旅のスタイルの一つかもしれない。
今度来た時は、遠野に泊まろう!
再び花巻、イギリス海岸へ
午後4時ごろ。花巻駅で乗り換えるために下車。
せっかく降りたので、イギリス海岸なるものを見に行こう。しかしバスは出ていないので、20分くらいかけて徒歩で移動する。
14時を過ぎると日も傾いて、16時になるとすでに辺りは暗くなっていた。
これが・・・あのイギリス海岸・・・・。
写真だと補正されて明るく見えるが、実際は街灯も少なく、暗くてよく見えない。どれが泥岩層なんだかよくわからないので、絶対明るいうちに行ったほうがいい。
本来は川岸に降りれるようだが、階段に危険な箇所があったためか、ロープで閉鎖されていた。
川下の方には、街の明かりがぽつぽつと素朴に灯っていて綺麗だった。
また駅に戻り、北上駅のホテルに帰る。
夕食はどうしよう。
と思っていたら、ホテルから歩いて10分くらいのところにテイクアウト専門の海鮮丼屋『丼丸』という店があった。
マグロもサーモンもイクラが入っていても全品590円…! 神・・・。お財布に優しい。
調べてみたらチェーン店らしいが、初めて見た。調べたら地元にも少し車を走らせれば行ける距離にあるっぽい。
7日目 平泉でサイクリング
午前8時頃。天気は快晴。気温は10℃行かないくらい。
北上駅から平泉駅へ向かう。
このエリアも昨日と同じように交通系ICカードは使えないため、切符を買う。
しかし地方に行くと電車を待つというのが苦ではなくなる。
駅の待合室が充実してるところが多いからか、旅行補正がかかっているからか・・・。暖かいし、広いし。きれいだし・・・。
午前8時30分ごろ、平泉駅に着く。
駅前の観光案内所のすぐそばにあるレンタサイクルで自転車を借りる。
「自転車で達谷窟まで行けますか?」と聞くと、気の良いおっちゃんが元気に案内してくれた。
まずは、一番距離の遠い『達谷窟 毘沙門堂』へ行く。自転車だと片道で30~40分ほどかかる。
昨日復活させた自転車筋を生かし、朝の平泉を自転車で走る。
今日も快晴。気持ちい~。
岩手に来てからずっと快晴続き。ただし今日はいつも以上に温かくなるらしく、動き回るなら朝早い方がよい。
途中、野生のキジを目撃する。キジって本当に野生で存在するんだ…。いいことがありますように。
* * *
午前9時ごろ。達谷窟 毘沙門堂に着く。
岩に入り込むような形で建てられている毘沙門堂。
その昔、この岩屋をアジトとしていた乱暴な三人の蝦夷を坂之上田村麻呂が制し、「毘沙門様のおかげで勝利しました! 感謝!」ということでここに毘沙門堂を建てたらしい。
すぐそばの岩壁には、長い年月の風雨により周りの壁に溶け込んだ大磨崖仏が刻まれていた。
敵味方関係なく、戦で亡くなった人々を供養するために弓張で掘ったと・・・。根気がすごい。
この仏さまが岸壁に溶け込むころには、どんな世になっていることでしょうかね~。
毛越寺
来た道を戻りながら、毛越寺へ向かう。
紅葉真っ盛りの浄土庭園。なかなか広い。
数々の遺構が残された庭園に、過去の景色を妄想しながら眺めるのが楽しい。
宝物館は、残念ながら休館だった。
* * *
毛越寺の次は、中尊寺に向かいます。
しかし寺社仏閣が多いためか現金がよく減る(小声)ので、郵便局のATMでお金をおろす。
やっぱり歴史のある観光地は、コンビニもポストも特別仕様ですね~。
中尊寺
午前11時ごろ。中尊寺に着く。
中尊寺といえば金色堂!
歴史の教科書なんかでは、大体『中尊寺金色堂』という一文で紹介されているので、これが固有名詞だと思ったら『中尊寺』の境内にあるうちの『金色堂』なんですよね…。無知で恥ずかしい。
教科書で見たことはあるが、何のために建てられたのかという理由も知らない…。
高校生の頃は世界史選択だったもので…。
中尊寺の境内には金色堂以外にも様々なお堂がある。結構広くて見どころもたくさん。
しかし・・・・まず本堂にたどり着く前に・・・・月見坂という急な坂道を登らなければならない。
そんなの聞いてないんですが??????
しかしここは、花巻、遠野・・・数々の坂を上りまくった経験を活かし、ほかの観光客の追随を許さないほど涼やかに上りあげた。
ようやく中尊寺の本堂に着く。
平日なのに観光客がごった返していた。紅葉もすごかった。
弁慶堂に始まり、地蔵堂、薬師堂などお参りをし、いざ金色堂へ。
金色堂だけ拝観料が必要になる。寺社仏閣としては珍しくクレジットカード決済ができた。これが世界遺産パワー…。
2024年は上棟されてからちょうど900年の節目の年。
金色堂に向かう道は展示室になっており、『中尊寺山内の古仏展』がやっていた。国宝級の立派な仏像や巻物があり、見ごたえがあった。
そして、金色堂。
約100年の繁栄をもたらした奥州藤原氏三代のご遺体と、四代泰衡の首級が安置されている。
ここに奥州藤原三代と四代が文字通りガチで眠っているとは(驚愕)
それを知ったうえで眺めると、なるほどこの金色堂が仏界を表していて云々・・・と理解が深まる。
さらに、なおかつ、歴史上の人物が目の前にいるという事実に緊張が走る。すみません、世界史選択者で。
金箔で厳かに輝く中、細部にある螺鈿の装飾も素晴らしかった。
THE 世界遺産。
* * *
中尊寺境内を周り、急いで月見坂を下る。なぜこんなに急いでいるかというと、4時間を超えるとレンタサイクルの追加料金が発生してしまうからだ。
旅になると多少お財布の紐もルーズになる。しかし7日目にもなるとさすがにやばい。
午後1時ごろ。ギリギリ4時間超えることなく自転車を返却し、徒歩でほかの場所を周る。
道の駅 平泉、平泉世界遺産ガイダンスセンター
駅から徒歩15分ほどで道の駅 平泉につく。お昼にレストランでカレーを食べる。
はっと汁など郷土料理などもあったが、残念ながら完売していた。
デザートに金粉付きのアイスを・・・と思うも、お財布のひもが固くなっていたので我慢。。
* * *
道の駅の向かい側にある平泉世界遺産ガイダンスセンターを訪れる。新しくできたのか、こちらもきれいな施設。
ここを訪れてから平泉を周ると、もっともっと楽しめると思います。本当に。
一通り見た後、ガイダンスセンターにつながるように、柳之御所遺跡がある。
一面芝生・・・ではなく、夏草に覆われた公園のようで、発掘された建物の跡などが散見される。今も発掘調査が行われているのか、ショベルカーのようなものが見えた。
おそらく何も知らない人が見たらただの芝生の殺風景な場所に過ぎない。
しかしガイダンスセンターに行った私は一味違う・・・。
一通り勉強した後にここを訪れると、ただの芝生ではなく、栄華を誇った奥州藤原氏の『夢の跡』を偲ばずにはいられなくなる。
高館義経堂
高館よしつね堂ではない。ぎけい堂と読むらしい。
頼朝のプレッシャーに屈した奥州藤原氏四代の泰衡に追い詰められた義経が自害した場所・・・と言われている。義経最後の場所。
ここも坂か・・・・・・・。
しかし坂を上ると、とても見晴らしの良い場所に出た。
北上川を眼下に、田んぼが広がっている。
すこし奥に行くと、義経堂の中に木造の義経が安置されていた。
そして義経堂とは反対の場所に、芭蕉俳句の碑が設置されている。
ここで芭蕉は、この雄大な景色を眼下に遠い過去に思いをはせて、かの有名な俳句を詠んだのだ。
共感。
芭蕉の句で沁みる日が来るとは思わなかった。
松島に行った時も最上川に行った時も、松島や ああ松島や 松島やとか五月雨を あつめて早し 最上川で沁みなかったのに。
そんな感受性が貧しい自分でも、平泉の栄華と滅亡、そしてこの眼下に広がる田園風景を見て、胸がいっぱいになった。
※冬季は拝観ができないので注意(2024年現在)
* * *
お腹がすいたのでどこか食べるところを探す。
夢乃風というお店で、お餅を食べる。
一口サイズのお餅をいろんな味で楽しめるのが、平泉、というか一ノ関の名物らしい。
おいしい~。もう3個は食べられそうだった。
* * *
その後、無量光院跡へ向かう。
ここも柳之御所遺跡と同じよう。
『無量光院』という名前と今のこの景色を照らし合わせると、妙に切なくなる。
平泉は遺構が多く、無量光院跡や柳之御所遺跡も、遠い過去の人たちの生活を考えたり、どのようにして建物が滅んでいったのかを妄想しながら眺めるのも面白いですね。
もし柳之御所や無量光院が残っていたら、京都並みのとんでもない観光地になったんでしょうかね~。
もしかしたら将来、復元されてたりして・・・。
でも栄華の跡をぼんやり見てるのも、悪くない気がします。
夕食探し、難航する part2
午後6時半ごろ。北上に戻り、夕食探しをする。
居酒屋に行ってみようかなと探すも、どこも玄人向けの感じがしてしまってなかなか入れない。チキン。
歩いて30分ほどのデパートのフードエリアを目指すも、グーグルの情報が古いせいか、開店中のはずなのにたどり着いた時にはすでにお店が閉まっていた・・・。
探せども探せども、入れそうなお店がない。
1時間くらいずっと歩いたところで、ここ数日の疲れも相まってボーッとして、赤信号で渡りそうになったり、宿の遠くにあるコンビニでアイスを買うなど、判断力が鈍る。その後案の定、アイスは溶けていた。
こんなに疲れてるとは思わなかった・・・というか自覚がなかったけど、一連のとんでもない行動に気づいた瞬間、一気に体が重く感じた。
ファミレスもない。スーパーもない。やはり車でなければどこへも行けない…。最初からこだわらずにコンビニ飯にすればよかった。うお~。(涙)
明かりも少ない夜道をただひたすら歩く。
昨日行った海鮮丼屋さんに行く。
暗い夜道の中、そこだけが電気の明かりで白く煌々と明るい。ご飯屋が見つからない虚しさも相まって、なんだか泣ける。
「また来てくださいね」と店先のおばちゃんの言葉が沁みた・・・。
おばちゃん・・・。
東北旅行、最後の夕食。
8日目 盛岡
盛岡駅へ
旅行最終日。天気は快晴。気温は10℃以下。
午前8時前にチェックアウトし、荷物を預かってもらい、駅に向かう。
午前9時ごろ。盛岡駅、着。相変わらずの快晴。
盛岡城跡→もりおか歴史文化館→桜山神社→三ツ石神社→盛岡八幡宮
最初に、盛岡城跡に行く。盛岡駅から大体徒歩20分くらい。
発掘調査をしていたのか、ショベルカーが城跡の土を掘り起こしていた。
その後、近くの『もりおか歴史文化館』→『桜山神社』→『三ツ石神社』に行く。
まさかの岩手の名前の由来に遭遇する。
三ツ石神社は町の中心からちょっとだけ離れた場所にある神社なのですが、持ってる逸話すごすぎる。
しかし『みちのく』だったり『こずかた』だったり・・・東北の呼び名・・・・・なんかいい。
行きたかった施設が休館日だったので、『盛岡八幡宮』へ向かう。
三ツ石神社から、歩いて約30分。
盛岡八幡宮では、七五三で訪れている家族も多かった。そういえば今11月だった。
光原社
光源社は、宮沢賢治の注文の多い料理店が発刊された場所であり、今は岩手の工芸品や輸入した品が並べられている。
店の中庭にはカフェがあった。またお昼を食べ損ねたので、休憩する。
カフェオレとくるみクッキーを頼んだ。
このくるみクッキーが最高に美味しい!
「岩手のお土産はこれにしよう」と思い、くるみクッキーを販売しているという、光原社向かいのモーリオという店に行く。
しかし店内を見渡すも、どこにもくるみクッキーがない。
「午前中で完売しちゃうんですよ~」と店員さん。
朝一で来ればよかった・・・。
岩手県立美術館
旅行最後の観光場所は、岩手県立美術館になった。
バスのルートを検索するも、ない。
バスがないなら歩けばいいじゃない。
徒歩で30分ほどで着くと、グーグルマップは言っている。
いつもなら歩くことは苦ではないが、この時点で旅の疲労がふくらはぎとリュックを背負っていた両肩に集中していて、ちょっときつい。
* * *
ようやく美術館に着く。
企画展として、柚木沙弥郎の作品展がやっていた。
青森県立美術館もそうだったけど、美術館の作りって、作品のために作った部屋とか、結構独特な形のものが多い。空きテナントとかになったらどうなっちゃうんだ・・・美術館がスーパーになったらどんな陳列に・・・と、いろいろ考えてしまう。
次に常設展を見て回る。
陸前高田で被災し、その後修復された絵画が飾られていた。
海水に浸かった絵画の修復作業が前代未聞らしく、手探り状態だったそう。修復前の汚れてしまった絵画の写真もわきに添えられてあったので、この状態からここまできれいに・・・と感動する。
その後別の常設展に行く。
ゆっくり見て回りたかったが。お腹が鳴り響く。
常設展の室内には自分一人と、監視のお姉さんが一人。
涼しい顔して絵画を見ているふりをするが、視界には何も映っていない。集中できるわけない。
私の意識は常にお腹に集中している。監視のお姉さんも気づいているはずだ。
こんなに絵に集中できないままウロウロと腹を鳴らしているのも失礼なので、そそくさと常設展を後にした。
バスに乗って盛岡駅に。
午後3時50分ごろ、盛岡駅を発ち、北上に戻る。
旅行が終わってしまう。暗くなり始めた窓の外を見ながら急にさみしくなる。
北上駅に戻り、新幹線で大宮へ
チェックアウト後にも荷物を預かってくれたホテルを後にする。
午後5時半ごろ、北上駅から新幹線に乗る。
さようなら岩手。また来たい。
帰宅ラッシュ。特に仙台駅からスーツを着たサラリーマンが大勢乗ってきた。
あちこちでプシュップシュッと、缶を開ける音がする。駅弁のにおいがする。ああ、これから帰るんだなあ。サラリーマンも私も。
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午後7時半ごろ、大宮に着く。
ジャケットがいらないくらいの気温。久しぶりにトレーナー一枚で外を出歩く。
帰宅時の大宮駅構内は、急ぎ足のサラリーマンで混雑していた。
デカスーツケースを転がしているので、帰宅ラッシュの電車を避けるため、大宮駅で夕ご飯を食べる。
人の混雑。電車の多さ。しゃべり方。街の明るさ。
関東に帰ってきたなと実感する。
ご飯を食べ終えたので、帰路に就く。
また明日からせこせこタスクをこなす日々に戻るのか・・・・。
おわり
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ちょっとしたメモ
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しかし旅しながら書いてた記録に加筆修正をするととんでもなく長くなってしまいました。修正を繰り返すと内容が長くなる。悪い癖です。本当に。
これで東北で訪れていないのは、秋田だけになりました。
次はなまはげに会いに行こう。
しかしせっかくの旅なのに、時間に追われるようなタイトスケジュールはやめた方が良い(反省)