【奔放にアート鑑賞】White Deer@紀尾井町
アート鑑賞って何したらいいか分からない。。。だったら、こんな鑑賞はどうでしょう?ということで、今回は「こういう解釈をしたら鑑賞のきっかけになるのでは」という提案をしていきます。
1.はじめにー奔放不羈なアート鑑賞とはー
奔放不羈(ほんぽうふき)とは、
”何ものにも拘束されず、思いどおりに振る舞うこと。また、そのさま。「羈」はつなぐ意。「不羈」は束縛を受けず自由なこと。「奔放不羈ほんぽうふき」ともいう。”
goo辞書|三省堂 新明解四字熟語辞典
という意味の四字熟語です。
アーティストにとっての作品の「答え」はあっても、鑑賞者にとっては、アート作品の解釈に答えはないと思っています。答えに束縛されずに自由に鑑賞を楽しめたら、アートが生活に近い存在になるのではないか、そんな想いからこの四字熟語を使っています。
今回の作品鑑賞はあくまでも私の視点での鑑賞した結果です。そこから、ご自身のストーリーと重ね合わせてみてください!
2.作品紹介「White Deer(作:名和 晃平さん)」
作品名:White Deer
作者 :名和 晃平 (Nawa Kohei)
東京ガーデンテラス紀尾井町の敷地内に置かれた白い鹿のアート作品です。街並みを彩るこのようなアート作品のことを、パブリックアートと言います。
今回はこちらの作品を奔放不羈に鑑賞していきます。
3.見た目で楽しむパブリックアート鑑賞
上空を眺める、立派な角を拵えた白い鹿。その身体は波紋のように波打ち、時代の波を感じているようです。紀尾井町という由緒ある街に神秘的な空気感を醸し出しています。
奈良の鹿と比べたら、その角は異常なほど伸びていて、長い期間をかけて伸ばしたことが伺えます。また、上空を見上げる鹿は、何かを探しているように見え、夜になるとまっすぐ月を眺めていました。
月が地球を見守ってきた時間へのお返しをしているかのように、長い期間月を見守る鹿。時代の波を身体に刻んでも、染まることなく白いまま、自分で色を選んで、これからも地球で歩んでいきます、と誓っているようですね。
4.アーティスト視点も交えて楽しむパブリックアート鑑賞
【鹿は古来より「神使」として信仰を支えるイメージ】として人々に親しまれてきました。近年、天敵である日本狼の絶滅、温暖化、林業、リゾート開発などにより、日本では鹿が増え続けているとか。人里に時々現れる鹿は、「迷い鹿」と呼ばれるそうです。
江戸時代は大名屋敷、明治以降は皇族の宮家邸宅があった由緒正しい歴史の地「紀尾井町」。その街で彷徨う白い鹿は、現代の様々な問題も提起しながら、人々を魅了しています。
5.終わりに
いかがだったでしょうか。街並みの中に置かれているパブリックアート。ただ、見た目がかわいい!でも、何を見つめているのだろう?なんで身体がうねっているのだろう?そんなことから問いかけをしてみるもよし。アーティストにとっての意図を知って、作品に込められた想いを紐解いても、面白い発見があります。
答えを求めないことで、自分なりの答えを見つける力も見に着くと思います。あなたは、この作品を観て、どう感じたでしょう。このような情報は、私のインスタ(@uzuraism_)からも発信しているので、これをきっかけにご興味を持たれたら、是非ご覧ください。フォローもいただけると励みになります!
アート鑑賞がより気軽に、あなたにとっての発見につながりますように。
参考:東京ガーデンテラス紀尾井町