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どこに・どう意識を置くか

 「プレー時に体のどこに注意を向けるか」というのが最近のテーマです。エコロジカル・アプローチに関する書籍でも「注意のフォーカス」として運動時にどこに意識を向けるかということが記載されています。

 身体運動においては、体の内部より 外部の対象に対して意識を置くことで、パフォーマンスが上がると言う研究結果が数多くあるそうです。 例えば、スキーのスラロームに関する研究では、自分の足に意識を置いたグループと、スキー板に対する意識を置いたグループでは、後者の方が良い成績を出したそうです。さらに何も指示の与えられていないグループもあり、彼らは自分の足に意識を置いたグループより良い結果を出していました。このように自分の内部に意識を置くことで、パフォーマンスが下がってしまう事は日常でもあります。 緊張する場面で、普段考えないような体の動きを意識してしまい、ぎこちなくなるって事は誰にでもありますよね? 自分のどの感覚に頼るかと言うのは、非常に重要なテーマになりそうです。

 自分とボールだけの世界に身を置く、フリースタイルフットボーラーにとっては目から鱗な内容なのではないでしょうか? サッカーの指導でも、自分の体の内部の感覚の言語化が多く使われていると感じます。 自分の中の意識の置き方を変える、または指導現場でそのような声かけを行うことが効果的であるといえます。

 考えるべき事は、練習の内容を定着させるために、普段からどこに意識を向けて取り組むかと言うことです。 先程の話から体の角度だったり、動かし方といった内部に焦点を置いた感覚に頼るのは避けるべきです。私たちにとって外部の環境と言えばサッカーボールです。他にも地面だったり、サッカープレイヤーならゴールや周りの選手が挙げられます。そこを基準とした意識の置き方が有効だと考えられます。

 例えば、リフティング では、ボールに対する感覚に意識を置くべきで、その際の膝の角度だったりフォームと言うのはただ手段になります。 熟練者が言うリフティングのときの膝や足首の角度と言うのは、できる側の人から見た運動の結果であり、初学者にとって意識する点ではないのかもしれません。大切なのはタッチした後にどうなるかと言う結果に対する意識、そのために生まれた運動を定着させていくことが必要です。 エコロジカルアプローチにおけるバイアビリティーの観点からも、同じ結果を出すための複数の手段を持つための練習も有効です。

自分は感覚をどのように受け取るかと言う視点にも興味を持っており、次回は各分野におけるトッププレイヤーたちがどのように感覚を感じているかということに着目してその2を書いていこうと思います



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