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人生のレールを外れる衝動のみつけかた【読書記録2025 #01】

2025年一冊目。
去年の年間読書目標は30冊だったけど、結構急足で読まないといけなかったから、今年は20冊にしてじっくり読んでいきたいと思う。

読んだのは、この本。

会社のキャリア研修で来ていた外部講師の方が紹介していた本だ。


私たちの人生を突き動かす「衝動」というもの

この本では、「衝動」を取り扱っている。
私の人生が私らしくある、その根っこには、衝動があるのだ。衝動は、社会的な評価を軸にしたものではなく、もっと個人的な感情に基づいたもの。最近よく聞くような「本当にやりたいこと(内発的動機づけ)」に近いような部類のものではあるが、「本当にやりたいこと」が、人生のミッションのように具体的な活動であり、未来永劫変わらないようなニュアンスで語られるのに対し、衝動はもっと捉えどころのない幽霊的なものであり、変わるとか変わらないとかではないもっと抽象的な存在であるという点が、似て非なるものである。

また「モチベーション」ともちょっと違う。

衝動には「モチベーション」という内発的動機付けだけでは語り落とす何かがある

もっと溢れんばかりで濃縮されたエネルギーというニュアンスもあるだろう。

本の中では、「衝動には極端な持続性がある。」と書かれていた。コーチングで「Want to」と言われるようなものと近いと理解している。自分が意識せずとも、人生を通じて、ついついやってしまうようなことなのだ。

難しいのは、意識していないからこそ、自分で気づきにくいという点だ。

強い刺激に常時晒されている現代において、強さを基準に衝動を把握することはできない。

私もよくあるが、ある時急に何かにハマる。将棋だったり、ランニングだったり、穀物米だったり。これこそ自分の衝動だと思い込み、オタク化し、嬉々として情報を吸収するものの、数ヶ月経つと、あまり興味がなくなったりする。
これは、欲求の瞬間的な強さという意味では、強力ではあるが、本当の衝動ではない。あらゆる商業的なマーケティングに晒され続ける現代において、社会に作られた欲求と自分の本当の衝動を区別するというのは、本当に難しいことなんだと思う。だからこそ、世の中の流れに関わらず、極端に持続しているか、という観点で見るのだと思う。


衝動が具体的な活動の形になると「偏愛」になる

その衝動を自分で気付くヒントとして、以下の2つのフレーズが印象にのこっている。

まず一つ目。

偏愛は、衝動が具体的な活動の形をとったときの意欲につけられた名前だ

じゃあその捉えどころのない幽霊みたいな衝動をどう見つけるのかというと、衝動が具体的な活動になって出てきたところを見つければいいという。それが「偏愛」だそうだ。確かに、「こういう過ごし方をするのがなぜか好き」というのは、自分でも気付ける。

次に二つ目。

衝動・欲望は「偏愛」といえるほど、個人的な出来事である

例えば、「本が好き」は、一般的な出来事である。
そうではなくて、「キャリアデザインに関する本を多読するのが好きで、著者によって微妙にニュアンスが違う表現を見比べるのが楽しくてたまらない」など、自分の言葉で全てが紡がれてこそ、その人の衝動が現れた「偏愛」となるのだ。

これには少し勇気をもらったところがある。どうしても他人から見ても"立派"な偏愛でないといけないような気がしてきてしまうのだが、そうではなく、超個人的でいいのだ。というか、超個人的でないと、「偏愛」とは言えないのだ。
そう思えると、自分の偏愛に変な評価をしなくなるような気がして、自己探求のレベルが一個上がったような気がした。

衝動にとっての「計画性」とは非常に開かれたもの

もう一つ、安心した、というか、そうだよな、と納得し直したこととして、衝動と計画性の関係がある。

いわゆるキャリアデザイン研修などでは、自分がやりたいことを不変であるとして、そこに至るまでの道のりを、まるで仕事のタスク管理のようにコントロールすることを教えられる。一方で、衝動はそういったタスク管理とは一見非常に距離があるように見える。本著によると、衝動にとっての「計画性」は以下のように、非常に開かれたものだそうだ。

積み上げ的で完全に一貫した計画性というよりも、衝動の方向性を最大限優先するがゆえに、訂正や変更に最大限開かれた計画性

衝動とは、無意識的にも自分の内側から湧き上がってくるようなものだから、方向性といっても、自然にそちらに自分の肉体が誘われていくような気もする。
それによって、多少回り道をしようが、後退しようが、自分の衝動を信じて進んでいってもいいんだなと、少し勇気をもらえたような気がした。

最後に。
本の中で、かの有名な「イノベーションオブライフ」の原題が紹介されていた。

『How will you Measure Your Life?』だそうだ。

RentのSeasons of Loveみたい。
でも、本当にそうだよな。と。結局自分の人生の幸せを測るものさしを、私は何にするのか?ということに尽きるんだろうな、と改めて感じた。

新年一冊め、良い本に出会えました!


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