新しい時代のリサーチホスピタルのあり方を考える(3)治験・在宅医療等のデジタル化

3つめは新しい常体(ポストコロナにおける日常)における治験とか在宅医療(訪問看護等を含む)モデルに注目しています。

治験については、これまで病院等の実験的環境下で実施されるのがスタンダードモデルでした。また、創薬や医療機器開発については、これからもそうであると思います。

ただ、ここで注目する治験とは、デジタル治験というか、まち臨床と言うか、そういったものです。いわゆる暮らしビッグデータ(RWD)を集めて、医学的事象を導出(RWE)を構築するモデルに近いです。

また、鬱とか認知症の治験、プログラム医療機器等の治験については、日々の暮らしの中で行われる治験が重要になってくるとも思います。

こうした新たな治験を支援するモデルの構築が市場では求められています。ただ、もちろん病院等の医療機関が中心になるので、病院を軸にしたソリューションモデルになります。RWDを集めRWEを導出出来る支援体制はまだまだ脆弱であり、この遅れが日本のヘルスケア分野におけるDXの要因の1つにもなると危惧しています。

もう一つは、在宅医療・訪問看護等の新しいモデル、Home Medication & Nursing DXとでも言う領域です。

オンライン医診療とかオンライン服薬指導が注目されていますが、もっと長期的なスキーム構築を意識したソリューションや、診療所、歯科診療所、調剤薬局、訪問看護ステーション等が多層的に連携できる在宅医療地域オンラインモデルとかの構築に取り組むべき段階に入ってきたと思います。

この領域については、まだまだ多くのスタートアップも乱立しており、レッドオーシャンになりつつありますが、適切な市場競争が健全かつ効果的なサービス提供モデルを形成する為にも必要であると考えています。

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