「早期のサービスインと長期的に内製化するため即戦力の外部エンジニアチームにおまかせ」三井物産グループ新規事業開発組織 Moon Creative Lab Inc様- UZUMAKIクライアントインタビューvol.3
UZUMAKIのクライアントであるMoon Creative lab Inc様は、これまでにない新しいビジネスを「つくる」ための三井物産グループのベンチャースタジオです。今回、UZUMAKIは「Lullaby 乳幼児の寝かしつけサポートアプリ」の開発でお手伝いさせていただきました。
走りながら意思決定をしていきつつ、早くプロダクトをリリースしてユーザーのフィードバックを得ていくというスピード感が求められる現場で、どのようにUZUMAKIとお付き合いいただいたかのお話を聞かせていただきました。
- 今回UZUMAKIで関わらせて頂いている「Lullaby 乳幼児の寝かしつけサポートアプリ」のサービス概要について、簡単に教えていただけますか?
田子さん(lullabyプロジェクトオーナー ※zoom画面左下 以下敬称略):
lullabyは乳幼児の寝かしつけと、夜泣きの改善を目的としたアプリサービスです。
アプリの主要なコンテンツは2つあります。
1つ目は、ねんねのアダプティブスケジュールという機能。乳幼児の月齢、一人一人の個性によって寝かしつけに適した時間は違うのですが、お子さんの実際の寝かしつけ時間をアプリで記録をとっていただくことで、アルゴリズムを使って、最適なスケジュールを提供するというものです(そのスケジュールを目安に寝かしつけをしていただくと赤ちゃんがよりスムーズに寝つくようになるというものです)。
2つ目がCtoCプラットフォーム。小児スリープコンサルタントとユーザーを繋ぐプラットフォームです。テクノロジーの力だけでは難しいところをコンサルタントがサポートします。
- lullabyのサービスを展開することで解決したいユーザーの課題や、そこへのプロダクトオーナーとしての田子さんの想いを教えてください
田子: 私の息子が生後6ヶ月になるまで、毎晩2~3時間おきに夜泣きで起こされる日々で、今までの人生の中で精神的にも身体的にも最も疲れた時期でした。この状態では復職できないなという焦りが育休中ずっとあり、同時になんで具体的な解決策が無いのだろうと思ったことがこのサービス発案のきっかけです。
私はロサンゼルスで出産したのですが、現地のママ友経由で自分みたいな悩みを抱えてる女性のための「スリープコンサルタント」という存在を初めて知りました。
スリープコンサルタントは、科学的根拠に基づき、1人1人の赤ちゃんの睡眠環境やねんねタイミング等を包括的にアドバイスをすることで赤ちゃんが寝つきをよくしていくサポート(スリープトレーニングなどと一般的に言われています)をします。
日本では寝かしつけのやり方について、個々の体験談レベルのノウハウや30年前の親世代の育児の仕方など根拠のないことを信じたり、医療機関も"病気"ではないので正確で具体的な解決策を持っていないことが多く、みなさん「耐えろ」という感じで、具体的な解決策が無いと感じていました。
寝かしつけは、単に赤ちゃんに十分な睡眠を与えるようサポートするだけではなく、親のためでもあります。親が十分な睡眠時間を確保し心身共に元気でないと十分に子供の世話ができないですし、ママのHappyは最終的に家族のHappyにつながります。この想いがサービスの根底にあります。
赤ちゃん1人1人に合わせたねんねのアダプティブスケジュールを使用することにより、ねんねのリズムは整ってきます。また「ねんね講座」などの月齢別ねんね情報をもとに睡眠環境や寝かしつけのテクニックは学べますが、やはり赤ちゃん1人1人個性があるので、アプリだけでは特に初期フェーズは、ママ・パパのお悩みに対応しきれないと思いました。
そこで、アプリでカバーできないところを我々が自前で提供しているCISA認定小児スリープコンサルタントの資格取得コースを受けて育ったコンサルタントたちがサポートするという、人×テックの二輪で寝かしつけ・夜泣きをサポートしたいと思いこのプロジェクトを立ち上げました。
- 今回どんな開発課題があってUZUMAKIにお声掛けいただいたのでしょうか?
野中さん(lullabyプロダクトマネージャー ※zoom画面左上 以下敬称略) :
開発課題は2つありました。
1つ目は、アダプティブねんねスケジュールなど他には無い0から作っていくコンテンツがあったので、アジャイル型での開発を望んでいた点です。アイデアを議論しつつ、仕様が固まったパートは早く作って試すというサイクルを回し続けなくてはいけず、全ての仕様を決めきった状態で開発スタートすることはできませんでした。
このやり方で外注をお願いしても引き受けてくれる会社が少なかったので、アジャイル開発を受け入れてくれる会社を探す必要がありました。
2つ目は、フリーランスの方を一人ずつ集めてチームビルディングするのが難しかった点です。特に、技術的なところも決まっていないところが多かったのでどういう技術の人をどれだけの人数集めればいいかの判断が難しいという問題がありました。このプロジェクトでは、ある程度技術的な方向性を私と一緒に考えてくれて、技術的な方向性を決めつつ最適なメンバーをアサインするプロセスが必要でした。このような我々の課題にフィット感があったのでUZUMAKIさんにお願いしました。
今(UZUMAKI CTO) : まさにUZUMAKIが理想としているやり方に共感いただいたようでよかったです。
私も工藤さんもフリーランスとして先ほど野中さんがおっしゃったように、発注先の会社がフリーランスを集めてきてそのメンバーの中でエンジニアとしてやっていた経験があります。
このようなエンジニアの集め方をすると、エンジニアの技術的な凸凹があったり、皆さん他のメンバーと初めましての状態になるのでコミニュケーションの取り方を探るところから入っていかないといけなかったりします。
初見のエンジニア同士のチームビルディングを発注先プロパーの社員がやらないといけない状態になるのは調整コストが高くて問題だと思っていましたし、どうしても開発の初速が出ないなと感じて今のUZUMAKIの形態を作ったので、我々とマッチしたようでよかったです。
- 開発を外注する上で重視したポイントはなんでしたか?
野中 :私が提示した解決法が効率的な面を考えた時にベストでない可能性というのは多々あるかと思います。本質的な課題に対してエンジニア視点でみたときにもっと簡単な解決方法があるもしれない。
そういう時、UZUMAKIの皆さんはどういうビジネスを作ろうとしているのかという根幹の認識を各メンバーが把握した上で取り組んでくれているので、新たな解決法を提案・議論してくれるのがありがたかったです。これがウォーターフォールの開発だと、私が書いた仕様がどんなに非効率であろうと、そういうものだろうと思って実装されてしまうので、その辺りの議論を一緒にしていただけるのはすごくよかったです。
工藤(UZUMAKI代表) :我々その辺りは「よしなにやっておきます」とよく言っていたかと思います。よしなにやるとは、俯瞰的に状況を見てプロジェクトオーナが実現したい価値を理解しつつ、どのようにプロダクトマネージャーは開発を進めたいかを意識して具体的な解決手段を複数提案することです。
なぜそれができたかというと、プロジェクトスタート時、田子さんと野中さんにインセプションデッキを作成していただけたからです。プロジェクトを進めていくと目先のことで視野が狭くなり、何をすべきだっけ?とやることがぼやけることが開発現場ではよくあります。その際に、まとめていただいたインセプションデッキをみて何をして、何をすべきでないか重要なものはなにか再確認します。
UZUMAKIでは現場の方針を法律だとするとインセプションデッキを憲法のように取り扱っています。その法律は憲法に違反しているので別の提案ができますし、最初に合意しているインセプションデッキを元にしているので納得感があり合意形成しやすいです。※もちろん憲法の改正が必要な場合は改正します。
- UZUMAKIに発注頂いた決め手はなんでしたか?
野中 :工藤さんとのミーティングがやりやすかったのは大きかったです。TODOとか議論のポイントがしっかり絞られるミーティングをしてくれていたのでやりやすかったです。リモートでやることが決まっていたのでミーティングがうまい人とやりたいなと思っていました。
工藤(UZUMAKI代表) :ありがとうございます。ミーティングのやり方は弊社CTOの今さんに教えていただいたところが多いのですが、事前にアジェンダを用意して「なにを打ち合わせるのか」を明らかにしたりして効率よく時間を使うことを心がけてました。
- 基本リモートで開発を進めさせて頂きましたが、どう感じられましたか?
野中 :工藤さん、今さんがしっかり管理してくださっていたのでありがたかったです。仮に、工藤さんや今さんのようにエンジニアリングが分かる方にディレクションしていただけず私が初対面のエンジニア複数名と直接コミュニケーションを取るスタイルだった場合、文字情報だけでコミュニケーションを取るのは難しかったと思います。かといって過剰にコミュニケーションをとってしまうと効率が落ちてしまいます。その点でUZUMAKIではいいバランスが取れていてコミュニケーションがスムーズでした。
工藤(UZUMAKI代表) :リモートワークだとどこまでをテキストでどこまでをzoomでコミュニケーションするか判断が難しいですよね。
田子: そうですね。ミーティング時の二次会をするという発想はとてもいいなと感じました。今話したい議題があるけどミーティングに参加している全員に話す内容ではないな、しかし後日にしてしまうと熱量を持って話すことができないなと感じるとき、必要なメンバーだけ残ってもらって二次会という形でポイントを絞った議論をするスタイルは画期的だと感じました。
今(UZUMAKI CTO) : この方法は、プロダクティビティをあげる方法を試している中で、二次会というアイディアをしくみ製作所からいただいたものです。
アジェンダにない議題だが話しておきたいことがある時に、ミーティングが終わった後必要なメンバーでのみ会話する仕組みです。「アジェンダにないから次回の議題にします」とせず必要な最小限の人数で、すばやく意思決定できるようにしています。
- UZUMAKIとプロジェクトを進めて頂いて、期待されていた部分は達成されましたか?
野中 :達成されたと思います。あまり定まっていないところから始めたにも関わらず形になり安心しましたし、開発の進め方の認識を持てたのはありがたいなと感じています。今回学んだチームの運用方法はメンバーが変わっても残っていくと思うのでよかったなと思います。
工藤(UZUMAKI代表) :我々UZUMAKIとしても、ずっとそのプロジェクトにいるのではなく、一番大変な時期に外部チームとして携わらせていただき、いずれは御社内に引き継いでいくということを前提に開発を進めてきました。我々のしてきた開発スタイルというのはlullabyプロジェクトの中で、内製化の資産として残せましたでしょうか?
野中 :残せたと思います。一緒にやっていく中で自然にスタイルが決まっていったのはよかったなと思います。このスタイルは我々とUZUMAKIさんでしかできないものというわけではないと思うので、今後もこのやり方を引き継がせていただきたいと思います。
- UZUMAKIメンバーについて、良かったところがあれば、ぜひ教えていただきたいです!
野中 :たくさありますね。
例えば仕様の詰まっていないところを整理するために、こうして欲しいですとかUZUMAKIさんのメンバーから提案していただくことも何度かあったかと思うのですが、その辺りのコミュニケーションが取りやすくプロジェクトを進めやすかったです。過剰すぎず足りないこともない、ちょうどいいコミュニケーションだったと思います。
一緒に考える際も背景や技術面も丁寧に説明していただけたのでこちら側も提案しやすかったです。私が意思決定するための情報をうまく提示していただけたと思います。その辺りが皆さんすごくうまいなと感じました。
- UZUMAKIが活きそうな案件にはどんなものがありそうですか?もしも思い浮かぶものがあれば教えて下さい!
野中 :一度作って終わりではなく継続的に行う案件や、素早く作って試したいという案件に活きそうだなと感じました。今回のようにがっつりアジャイル開発を行ってくれる会社はなかなかないので、一緒に試行錯誤ができる案件を行うのが良いかなと思います。
逆に、アジャイル開発が良いと気付いて課題を把握しているのに適応できていない案件やプロダクトを一緒に改善するのも良いかなと思います。
- 最後にUZUMAKIへの発注を検討している方へ、よろしければ一言頂けますでしょうか?
野中 :UZUMAKIさんは、丸投げして終わりではなく、一緒に意思決定しながら進めていくスタイルです。ですので、発注者の意識として、「発注した(完)」というのではなく、一緒に作る意気込みのある組織との相性がいいと思いました。
ものづくりをしていく中で、どこに力をいれてどこを後回しにするのがよいかということについてUZUMAKIさんは多くの知見をお持ちです。意思決定するためのサポートをUZUMAKIさんはしっかりしてくれるので、共に悩む良きパートナーになってくれると思います。
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