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UZUMAKIメンバーインタビューvol.1 CTO今佑介さん

UZUMAKIにはどんなメンバーがいて、どんな思いで仕事に取り組んでいるのかにフォーカスするUZUMAKIのメンバーインタビュー。

第1回はサーバサイドのエンジニアとして数々のスタートアップのCTOや技術顧問を経験し、現UZUMAKIのCTOとして活躍していただいている今佑介さんにお話を聞きました。

インタビュアーを務めたのは、UZUMAKI代表工藤です。


今さんのこれまでのキャリアについてお話頂けますか?

今: 情報系の大学院にて人工知能などを学び修士で卒業後、日立の系列会社で、システムエンジニアとして5年半ほど勤務しました。当時は要件定義から開発、テスト〜ベンダーとの調整まで一通りを担当しました。また、SIerにしては珍しく、退職まで上流から下流まで担当することができたのは辛いことが多かったシステムエンジニア職の中で唯一良かった点です。

ちょうどiPhone発売の翌年(2009年)にSONY研究所初のベンチャーであるKoozyt, Inc. という会社に転職しました。ARやVRの開発に関わる少数精鋭の技術部隊の中で揉まれ、エンジニアとしてかなり鍛えられましたね。Koozyt社は技術の話やメディアアートなどの話が通じる人が多く、いまでも愛着があります。

その後もいくつかのBtoCのベンチャーでスタートアップの面白さ・難しさを経験したあとに、たまたまRailsの勉強会で出会ったベストティーチャーの社長からCTOを探している、ということで声をかけてもらいました。自身もベストティーチャーのユーザーだったのでやりがいがありそうと感じたのと、英会話のサービス開発に関わったら英語が喋れるようになりそう、という期待もあってwinwinだなと感じ、業務委託として相性を見る期間を挟んだ後、正社員でベストティーチャーのCTOへ就任しました。

ジョインした当時は開発体制がほぼ整っていなかったのですが、サービスの成長はもちろん、開発チームも10人体制くらいにまで成長・整備することができました。その頃から副業で技術顧問の依頼が多くなったんです。

開発チームも落ち着き、メンバーに任せられることが増えていたので、ベストティーチャーのCTOも個人事業主での技術顧問に切り替えつつ、他の会社の技術顧問も担当するという完全フリーランス生活が始まりました。

フリーランスで仕事をするようになってから、UZUMAKIにジョインしたきっかけはなんでしたか?

今:フリーランスで仕事しているとき、業務委託のエンジニアを集めてチームを作るのが難しかったんですよ。どうしても合わない人が混じってしまう。とはいえ、1人だとまとまった大きな仕事を受けるのは難しい。フリーランスの仕事でもお互いのことをよく知っている人同士でやれたら理想的だなと感じていました。その当時、同じくフリーランスのエンジニアとして活動していた工藤さんも同じ課題感をもっていたので、”技術的にも人間的にも信頼できるメンバーが集まっている”ギルド的なコミュニティーで仕事をするというスタイルは課題の解決に繋がりそうだと思いUZUMAKIに参加しました。

工藤: 僕と今さん含め仲の良い数人のエンジニアで謎のIoTプロダクトを一緒に作ったことがありました。結果的にサービスとしてはうまくいかなかったけれど、仕事の進め方などコミュニケーションがお互いにやりやすかったんですよね。完全にリモートだったにも関わらず。その経験も僕がUZUMAKIを作った1つのきっかけになっていますし、今さんの他にもそのプロジェクトを一緒にやったメンバーが何名か今もUZUMAKIで活躍してくれています。

今: 自分もフリーランスになってからは、その時々で、様々な人と仕事をしてきましたが、コードレビューしたときに”自分を非難された”と思って攻撃的になってしまう人など、リモート・テキストでのコミュニケーションの難しさを感じていました。

心理的な安全をお互いに確保できなければ良い仕事はできないということです。特にリモートワークでのコミュニケーションには、テキストでのコミュニケーションスキルが必要になってくるので、お互いに信頼関係があり、心理的な安全が確保されている人同士の方が圧倒的にやりやすくパフォーマンスも出やすいという現実を私も工藤さんも共通認識として持っていたんでしょうね。

工藤: 確かに、僕がUZUMAKIにメンバー候補として誰かを誘う時にも、心理的な安全を確保できそうな人かどうか、言い換えれば、お互いに背中を預けあって仕事をできるかという観点を非常に重要視しています。

今さんと工藤さん

UZUMAKIのCTOとしての今さんの役割はどんな感じですか?

今: そうですね。プロジェクトメンバーとして開発に関わることもしつつ、CTOの役割としては大きく2つを担っているかなと思います。

1つは、サーバサイドエンジニアのレベルの担保。新規メンバー候補が来てくれた時に一緒に仕事できそうかどうかをジャッジしたり、既存メンバーがなにか技術的な問題点を抱えていたら、一緒に課題解決に取り組む。工藤さんは、元々クライアントアプリのエンジニアなので、そちらの調整はお願いしています。2人で役割分担しながらエンジニアのレベルの担保をしている感じです。

もう1つは、仕事の仕組み化です。僕がまさにそうですが、エンジニアの多くは本質的に開発以外のことはあんまりしたくないと思うんです。なので、自動化できる作業を増やしていって、本当に価値のある開発に集中できるような体制を作るようにしています。

工藤: 例えば、新規クライアントとの仕事でインセプションデッキの雛形を作っておくなどが仕事の仕組み化のいい例ですね。これも今さんが提案してくれたものです。

UZUMAKI立ち上げ後、数々のプロジェクトをクライアントさんとやってきて、なんのためにやるか、誰に向けてやるか、優先順位はどうか、などの整理はプロジェクト成功のために非常に重要だと痛感しているのですが、インセプションデッキを導入することでそれが明確になり、プロジェクトがスムーズに進むようになりました。

CTOの観点からみたUZUMAKIの強みはなんでしょうか?

今: まず一番に思いつくのは、技術的な課題が出てきた時の問題解決能力がとても高いということです。

UZUMAKIはフリーランス集団なので、webやスタートアップの仕事を経験してる人が多いんです。誰かがなにか技術的な問題にハマったときに、過去にそれに似た課題を経験した向き合ったメンバーがいることで、解決の糸口をつかみやすかったりします。

またみんな業界内で経験が長く顔も広いので、UZUMAKIの外でも”この技術はあの人が詳しそう”というあたりがつくことで、直接詳しい人からアドバイスをもらえたりするのも強いですね。

このあたりは、フリーランスのネットワーク力の活きるところです。というのも、web系の企業でも問題が起こった時に他の部署のエンジニアに聞きにくかったりすることはありがちなんですよね。

また、1開発メンバーにとどまらず、テックリードのような上流の業務までこなした経験のあるエンジニアがUZUMAKIには多いです。

なので、プロジェクトの全体感を把握して仕事を進めてくれますね。例えば運用歴の長いサービスのリファクタリングどうしようって言う時に、こことここをまず切り離して責務を明確化しようとか、現実的なロードマップを描いてくれる。このあたりは、具体例として、クライアントであるbasic社のプロダクトで、マイクロサービスにどうするのか、という提案や、データをどのように保持するべきかの提案などの話をみてもらえるとイメージがつきやすいかと思います。

2つ目は、メンバーのコミュニケーション能力が高いという点です。

UZUMAKIには個人で仕事をとってこれる実力のあるメンバーが揃っています(紹介会社経由で仕事を受ける必要がない)。それもあってコミュニケーション力がみんな高いです。

どんなプロジェクトでもふわっとした仕様や誰かがイニシアティブをとるべきかが明確じゃないことが起こりがちです。そういうときにも、率先してよしなに調整することができる人がUZUMAKIには多く、非常に仕事がスムーズに進みます。そのあたりは、slide shareで語ったことがありますが、興味あれば読んでみてもらえたら嬉しいです。

UZUMAKIメンバー


CTOの観点から見ると、UZUMAKIにはどんな案件やクライアントさんが合いそうでしょうか?

今:今: UZUMAKIの強みが活かせるかどうかは、「プロジェクトの優先順位をきちっと明確化できるかどうか」にかかっているかもしれません。

自分が大手SIerで仕事していた経験からも言えるのですが、通常の開発会社の本音としては「長期の契約でクライアントが作りたいものを大量にリソースを投入してすべて実装する」ことではないかと思います。その方が純粋に儲かるからです。

でも、UZUMAKIはそれをしないポリシーがあります。なぜなら、クライアントが作ろうとしているサービスがユーザーの心に響くかどうかは実は出してみないとわからないケースが多い。これはスタートアップに多く関わった経験から実感しています。

それなのに初期の段階から「あれもほしい、これもほしい」とすべてをモリモリで開発すると、時間がかかるしお金もかかる。なのにその結果誰もそのサービスを欲しがっていなかった、という結果になったらもったいない

インセプションデッキの記入をクライアントにもとめているのは、どういう価値を提供しようとしているのか?を明確にしたり、予算、期限、スコープ、品質といったトレードオフの要素の優先順位をはっきりさせて、その価値の実現のためにUZUMAKIが併走できるようにするためです。

そういう意味でUZUMAKIの強みはサービスの本質から外れるような”やらないこと”を明確化して、必要な開発にフォーカスする、ということかもしれません。

工藤: 新規で開発依頼が来た時に「それは開発しなくていいんじゃないですか?」というようなことをクライアントさんに言うこともありますね。例えば1から開発しなくても、世の中に既存で良いSaaSがあったら、そっちとの組み合わせでやったらコストをかけなくても求める価値の検証をできるのでは?というようなことを提案しがちです。

今: その結果、いいご縁に繋がることもありますね。目先の儲けやビジネスよりも本当の問題解決を提案させてもらうことで、その時はタイミングがあわなくても後々別の相談をもらえて良いビジネスにつながったりしてるので。よい流れなんじゃないでしょうか。

こんな案件がもしあったらUZUMAKIの強みがさらに活きそうだ、というような案件のイメージはありますか?

今: システムのリニューアル、フレームワークのアップグレード、リファクタリングなど、既存サービスを今後も継続可能なサービスにアップデートし続けるところは今までやってきてうまくいってるところなので強みと言えますね。

あと、経験者が少なくて誰もやったことのないことを実践することに強みがあります。例えば、ブロックチェーンの技術を使ったサービスを作りたいとなったとき、そもそも市場にそういう経験のある人はなかなかいないものです。

もちろん、UZUMAKIメンバー自体もそうした新規の技術の経験値が高いわけではなかったりするんですよ。ですけど、新しい技術も古い技術の組み合わせが多いので、経験豊富なぶんキャッチアップして実装レベルにもっていくのが早いんです。

工藤: 最近だとサーバレスフレームワークでバックエンド実装したいというクライアントさんにも、UZUMAKIメンバーが早いキャッチアップ力で成果を出した(結果的には、時期尚早な技術だからrailsでやろうぜといった)こともありましたね。

逆にこんな案件はUZUMAKIとの相性が悪い、あまり力を発揮できなそうという案件のイメージはありますか?

今: 私の仕事をするモチベーションにも影響するのですが、社会的に価値を感じにくかったり、求めているターゲット像が明確でないものを提供しようとしているサービスとは相性が悪い印象です。

ただ言われるままに開発するスタイルはUZUMAKIにはあわず、クライアントさんと一緒に「この価値を実現する」という本質的な目標があることで、強みが生きると思っています。そういう意味でもプロジェクト開始前にクライアントさんにインセプションデッキを書いてもらうようにしています。

というのも、例えば単に儲かるからこの事業をやりたい、などのモチベーションだと「我々(プロジェクトは)は何のために存在しているのか」といったことを問うインセプションデッキが描けないんです。

工藤: 付け加えると、事業に責任を持っている方にプロジェクトへの熱がないと、なかなかいい関係が築きにくいなあという印象を僕も受けます。

今: また、具体的な開発方法でいうと、ウォーターフォールっぽい仕事は向いていないです。仕様がガチガチに固まっているものは、課題を共に考えたいUZUMAKIメンバーの強みを活かせないのでお互いに幸せになりづらいなと思います。

UZUMAKIのメンバー、特に開発メンバーは今さんからみてどうですか?

今: 一言でいうと、曖昧なお願いをしても、しっかり形にして返してくれてありがたいなということです。ほぼ全員が大体お願いしたことの150%くらいを作ってくれる人な印象です。

工藤: 表現が曖昧でも各プロジェクトで大切にすることを最初にすり合わせているから、価値の認識が合致しているのもあるでしょうね。そこの価値の認識あわせにもインセプションデッキが活きてきますね。

今さん

最後に今さん自身がUZUMAKIにジョインして、メリットに感じていることはありますか?例えばどのようなことですか?

今: 信頼できるチームで仕事をできることですね。
テックリードやCTOクラスのメンバーに技術についての議論や相談をできるコミュニティーとしての魅力があります。

UZUMAKIでは、プロジェクトに関わっていないメンバーにも質問しやすい空気があるので、そのあたりはとてもやりやすいし、知見をためることができてありがたいです。

正直なところ、技術顧問をしたり単純に個人として仕事をした方が自分の身入り自体はよかったりします。

ただ、それを差し引いてもUZUMAKIとして仕事を受けたり、コミュニティに所属するメリットがあります。個人の仕事、UZUMAKIの仕事と自分なりにバランスをとることで、双方のメリットをうまく調整してやっていけてるかなと思います。


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