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FF16の感想を読み漁った感想

noteやSNSなどに上がっているFF16のクリア後感想をいろいろと読んだので「他プレイヤーの感想への感想」を記録します。

肯定的なやつは自分のnoteとおんなじ感想になるので、否定的なやつをピックアップしつつ、わかる~、とかいやいや、とかやいのやいのするnoteになっておりますよろしくお願いいたします。

シナリオが微妙、という意見

今作はストーリー中心! ストーリーをどっぷり味わってもらいます! と大々的に謳ってリリースされたゲームに対する過酷な評価。それが「シナリオが微妙」。
個人的にはめっちゃ好きなストーリーだったけれども「分かる」部分もある。

読んだ感想の中で、ストーリーが説明不足だとか、そもそも展開がつまらないとか、終盤が作業でダルいとか、いろいろ感想があったのでその辺について考える。

世界観が古い

今回のFFは、王道回帰ともいうべきハイファンタジー世界で、14世紀だかの中世ヨーロッパを参考にガチガチに植生から時代考証から作り込んだ世界で繰り広げられる。そこにはスチームパンクもサイバーパンクもSFもない。
ひたすら泥臭く、愚直な時代考証に従って植生、文化、風俗に至るまで綿密に構築された世界。
完成度は高くとも、目新しさ、新鮮さは感じにくい。

そもそも、今どきガチガチのハイファンタジーで、古臭い封建制度の世界観なんて面白いわけないじゃん。と言う感想(意訳)も見かけた。
手垢のつきまくったテンプレ世界なんてつまんねーよ、というイキリは分からんでもないが、世界観が古いこととストーリーが面白いかどうかは全く関係ない。
ただ、とんこつラーメンが食べたくて店に入ったら分厚いステーキが乗った鉄板が出てきた、だからダメだ、背脂でギトギトのラーメンの口だったのに赤身のステーキなんて食べたくない、と言う趣旨なら好みが合いませんでしたね、と言うしかない。

クライヴに感情移入できるかどうか

FF16のストーリーは基本的に説明不足なので、ただテキストを追っているだけだと「一体今の設定はなんだったんだ」「つまりどういうこと?」みたいになりやすい。
ロアをじっくり読み込んだりヴィヴィアンの説明を聞いて、ようやく全体像が見えてくる。
PS5の描写力を当てにして、会話の中身ではなく演技で(目線やしぐさ、声の調子など)キャラクターの心情を表していることも一因だ。

それだけではなく、例えばシドが「黒の一帯をこれ以上広げないためにマザークリスタルを破壊する!」とブチあげたのにクライヴが同調するシーン、感情移入レベルが低いと「え、なんで?」となってしまうと思う。

黒の一帯の原因はマザークリスタルだ、というのはシドの主張に過ぎない。
他の専門家が詳しく説明してくれるわけでもない。
黒の一帯を研究してる学者が出てくるわけでもない。
おまけにマザークリスタルを破壊しても破壊しても状況は悪化する一方(原初の楔のせいもあるが)。黒の一帯は元の緑には戻らないし、その匂わせもない。おまけにエーテル溜まりが出来てアカシアが増える。さらにクリスタルを使っても魔法が使えなくなるとなれば、頑張ってる手応えを感じられなくもなる。

クライヴたちの隠れ家では植物園もあるし、鍛冶もやってるけど、その知識をマザークリスタル破壊後の世界に広めよう、という準備をしているようにも見えない(世界を壊そうとしてるのにアフターケアがないように見える)。

プレイヤーがクライヴに十分感情移入した上で召喚獣合戦でテンションぶち上げでジェットコースターを堪能していればそのへんの粗(というか本編に集中させるため削られた部分)は気にならない、と思う。

うまいこと主人公と同調して、ストーリーを””体験””出来るかどうかで評価はかなり割れると思う。
物語の展開については「もうちょっと上手いことやれたかも知れないけどこれはこれで最高だったよ」と思います。

つじつまを合わせたり説明するためにこれ以上カットシーン増えると予算と制作期間が大変なことになりそうだな、というのもある。

高速ジェットコースターの弊害

ジェットコースターに乗っていると、景色を堪能する余裕はない。
自我とか絆とか、そういうふわふわしたもの(と捉えられるパラメータ)でラスボスを乗り越えるのは人によっては激アツだし、人によっては幼稚な理論、と映る。
爆速で通り過ぎる背景(世界観や歴史についての説明不足)が気になってしまうプレイヤーはそこで引っかかるんだろう。

このゲームで要所要所で「メインストーリーに集中させたいんだろうな」という作為を感じることがあった。
ステータスやバトルで設定できる項目の簡素さや、行動できる範囲の狭さ。
意図的な情報封鎖(ロアを見れば分かったり、アルティマニアを読めば分かることもあるが完全に情報がないところもちょくちょくある)など。

それらが合わさって「ストーリーがつまらない、没入できない」になるのは分かる、と思う。

サイドクエストに重要イベントが多い

ジェットコースター以外の部分にサイドクエストがある。
これに地味に重要なイベントが詰まっているのも、よくないんじゃないかと思う。
開発者のインタビューを読むと「1周目はメインストーリーに集中して、2周目でクエストを回収するのもいい」みたいに言ってるのがあったけれど(色々読んだのでどのインタビュー記事かは失念しました)、クエストを1個もやらずにメインだけで進めるとあまりにも説明不足が過ぎる。
ベアラーの立ち位置、クリスタルの扱い、ジルやトルガルの掘り下げ、各地にいる仲間たちの現状や過去の話……クエストを全部すっとばすとアンブロシアの加入すらない。
クエスト消化状況でゲーム体験は大きく変わる。

かといって、メインがジェットコースターであるのは間違いないので、サイドクエストをやるには「メインストーリーが逼迫してるのにのんびり各地を回って問題解決する」というスタンスにならざるを得ない。
それは人によってはストレスだし、テンポが悪い、と映ると思う。

オリジンが出現して、さあ突入だ!!!
というタイミングで重要なクエストがポコポコ生えたのは、まあね……このタイミングしかないのは分かるけど、これ全部やってから最終決戦か……てちょっとテンションが下がったのも事実。
楽しかったのでいいんだけど、うまいこと切り替えが出来ないと萎えポイントではある。


戦闘がヌルい、という意見

初心者でも1周は確実にクリアできる難易度、ということはバトルを期待して買った人にとってはヌルい。それはそう。
クリア後コンテンツであるファイナルファンタジーチャレンジで始めればヒリヒリした戦いが出来るのかも知れないけれど(やってないので詳細不明)、そんな面倒なことせずに最初から強い敵と手に汗握る戦いをやりたい! 負けたらポーション補充で途中からやり直せるなんてなめてんの? というスタイルの人には物足りないシステムだったと思う。

私にはすごくちょうどいいゲームバランスでした(何度も戦闘をやり直したくない)。
適当にコンボしてアビリティぶっぱして敵を薙ぎ払うの、めっちゃ楽しかった。

ボスがヌルい

タイタンやバハムートとの召喚獣合戦が大盛り上がりした分、オーディンとアルテマはちょっと肩透かし、だった気もする。
特にアルテマは、レベルが十分ならあんまり苦労もせず、エリクサーどころかハイポーションも使ったっけな……? ていうくらい余裕だった。

とはいえ、音楽と演出で盛り上げてくれるし、ストーリーの一環としてのバトルとするなら大満足ではないけど楽しかったです。

こいつは倒せないかも……! という絶望はなかったし、神を名乗るくせにちょっと弱すぎるな、とも思ったのでここに不満を持つ人がいるのは納得。

リスキーモブも同様。
レベルが釣り合ってればそんなに困らずに討伐出来た。

召喚獣アクションがどれも同じ

これは読んだときに「????」ってなったんですが……どれも同じ……?

各召喚獣ごとにバランス型、遠距離型、ガードカウンターで重い一撃を叩き込むやつ、ロマン砲なんかの差別化がされていて、マスター化することでパレットを好きに改造できて、自分だけの最強の組み合わせを作ろう! が出来るシステムで……どれも同じ????

アビリティを全部ひと通り使って、それぞれのフィートとの組み合わせを試していればこういう意見は出ない、と思うのでこれについては全然分からない。
多分、バトルを義務でこなしてて、どれ使っても一緒でしょ……て適当にセットしてた、のか……な???

序盤に手に入るフェニックスとガルーダだけでも随分使い心地違うし、ダメージ効率も違うし、バハムートやオーディンはフィートからして別物で個別のゲージまで出るのに。
でもバトルに興味ない人にはどれも同じに映るのかも知れない。
アイドルに興味ない人はメンバーの見分けがつかない、みたいなものかも知れない。

おそらく、どれも同じでつまらん、と感じてもそのままクリアできてしまう難易度のほうが問題なのかもしれない。
面倒でアビリティをいろいろ試さなくても、そのままラスボスまでゴリ押し出来てしまうレベル調整がアビリティを工夫するという発想を潰して、結果的につまらないとなるのかな、と想像する。
(でもいちいち「この敵が出るからこのアビリティつけなきゃ」ってなるのもまた違うんですよね……)

自由度が低い、という意見

それはそう!!!!

クライヴの真面目さを反映した不自由さ

非オープンワールドのゲームだとしても、クライヴが行ける場所、得られる情報はとても限られている。
ちょっとした段差を超えられないし、必要な場所以外には入れない。
それはクライヴがそういう人間だから、で説明が出来る。

育ちが良くて真面目で責任感が強くて実直なキャラクターだから、用もないのに他人の家に入ったり、勝手に扉を開けたりしない。
真面目なので、そのへんの本とかメモとかを勝手に読んだりしない(明らかに客向けに貼ってある店のメニューとかは読む)。
フィールドに落ちてるギルやアイテムは拾うけど、壺やタンスを勝手に開けたり漁ったり箱を壊したりしない(明らかにひとんちの裏にある宝箱を開けるのはさすがにフィールド探索要素減らしすぎて無理に入れたみたいに見えるけどどうなのかな)。

通りすがりに会話を漏れ聞くことはあっても、そのへんの人に片っ端から話しかけたりは出来ない。

なぜなら主人公がクライヴ・ロズフィールドだから!!!!!
分かる。
分かるけど、だからってもうちょっとさぁ、と不満に思うのも、分かる。

世界がどんどん破滅に傾いていってる情勢で、プレイヤーにはあんまり気が休まるところがない。
クライヴも休まってないので、ちょっとした冗談を言うところはあっても、はっちゃけるとか、はしゃぐとか、笑い転げるとか、そういうところは見せてくれない。
そりゃあ、ちょっとはバカ話をしたりすることもあるけれど、ストーリー全体を覆う重く、しんどい雰囲気からすれば隠し味以下、寸胴鍋に混入した一粒の塩くらいの濃度でしかない。

着替えもないし(1つだけコスチューム追加されたけど)、クラフトの素材集めもリスキーモブと章ボスのドロップで終わるし、野菜を育てたりしないし、カードゲームもしない。

本当にひたすら、メインシナリオとサイドクエスト(とモブハント)をするだけの男、クライヴ・ロズフィールド。

なので、不自由でつまらん! と言われたら「うちの(うちのではない)主人公がほんとすいません……」という気分になる。

パーティメンバーとの絡みが少ない

これもそうですね。本当に少ない。

クライヴは結構、独り言を言う。
なにかしらのイベントアイテムを手に入れたときとか、「よし、◯◯に戻って、これを◯◯に渡せばいいんだな」とか言う。
そういう会話をパーティーメンバーとして欲しいんだが!!??

一人で完結してるんじゃないよ。
そりゃあ、クエスト受注時期によってはメンバーの入れ替わりがあるけども、そのくらいのセリフパターンが網羅できないほどガチガチのシステムじゃないと思いますけど!???

とはいえ、クライヴ視点で没頭してるとあんまり気にならなかった。ここは多分プレイヤーの個人差が大きいと思う。
(普段、もしくは直近でプレイしたゲームの影響や、ゲームに期待するものなんかによる)


番外:リップシンクあってない

そうだよ!!! 日本語音声だからね!!!!!

FF16はフェイシャルキャプチャーで俳優/声優の表情ごと収録してるので、英語音声にすればちゃんとリップシンクする。

日本語音声に合わせるのは 技術的にしんどかったらしいです。
AI処理するとめちゃくちゃ口周りだけ不自然になったり、かといって全シーン手動で合わせようとするとコストが大変なことになるとかなんとか言ってた(下記動画参照)。

1:57:30あたりから回答があります。

大作タイトルとはいえ、発売前にこんなにたくさんの開発陣(と生放送のための機材と場所とスタッフ)を集めて4時間も生放送するの、FF16ってお金かかってるんだな……というのとスクエニ金あるな……という気持ちが交互にやってきましたね。
生放送自体は(ライブじゃなく録画で見たけど)面白かったです。



以上!!!

意外と長くなったけど折を見て追加したり訂正したりするかもしれない。

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