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315 Production presents F@NTASTIC COMBINATION LIVEが導く先は

【注意】この記事は、F@NTASTIC COMBINATION LIVEの第二弾、CONNECTIME!!!! が終了したタイミングで書いています。

プロトタイプ公演のように始まったBRAINPOWOR!!横浜公演を経て、幕張にステージを移してのBRAINPOWOR!!追加公演、そしてF@NTASTIC COMBINATION LIVE(以下ファンコン)第2弾のCONNECTIME!!!!が実施され、第3弾のHEARTMAKER!!!!が発表されました。

初演から追加公演、そして第2弾を終えたことで見えてきたこと、これからのことなどをつらつらと書いていきます。
特に深い考察とか洞察とかはなく、SideMのいちプロデューサー(プレイヤー)(もう遊べるゲームがないのでプレイヤーではない)としての覚書です。

定義

まず、ファンコンってなんだよ、というと。
アイドルマスターファミリーの長男、SideMが展開するライブとその周辺コンテンツですね。

F@NTASTIC COMBINATION LIVEとは

315プロダクションのアイドル達によるユニット合同ライブです。
ユニットそれぞれの個性や魅力がつまったパフォーマンス、そして、ここでしか見られないユニット同士のコンビネーションをお届けします。

https://idolmaster-official.jp/live_event/sidem_fclive_ct/#aboutCol

公式サイトにはこう書かれてます。
とはいえこれでは複数ユニットでやるライブなんだな、くらいしかわからないね。

キャスト

まず、出演するのは生身の声優ではなく、3Dモデルのアイドルです。
もちろん声はいつものCV。
3Dモデルというと、サイスタの美麗3DMVを思い浮かべるかもしれないが、ファンコンのモデルはこのライブ用に別途用意されたもの。
サイスタMVのクオリティとは方向性が違います。

基本立ちポーズの時の手の形がみんな同じとか、手を挙げたときに華村さんの袖が体を貫通してるとか、九郎くんの袖が手を動かしても変形しない(重力に逆らっている)とか、にゃんすの羽織が透け素材だからアップで見ないと視認できない、など多少の妥協があります。

とはいえ、サイスタMVと違い120分がっつりライブパートとMCでキャラクターを動かさなければならないことや、目の前のスマホやPCで見るのと違い、現地では遠くにある巨大なモニターに表示する、という違いを考えると「まだ進化するかもしれないが現時点では決して""手抜き""ではない」と思っています。

ライブ形式

この3Dアイドルがメインモニターに表示され、ライブを行います。
アイドルが「いる」のは基本的にこの中央のモニターだけ。花道やセンターステージはないです。

いつものライブのように左右にもモニターがあり、また、演出用のモニターがメインモニター上部に設置されて歌詞や映像を表示する形です。
照明やスモーク、火柱などの特殊効果ももちろんついてきます。

アイドルが生身ではなく、画面から出てこないこと。事前に映像が作成されており、同一内容公演は「全く同じ(リアルタイム生成ではない)」なこと。
それ以外はいつものライブです。
アンコールで銀テープも飛ぶよ。

セットリスト

各ユニットの持ち歌2曲、それからペアとなるユニットとの交換曲。全員のソロ曲(第2弾以降はお当番ユニットのみ)と新規製作の2ユニット合同曲。それから全体曲が披露されます。
交換曲と合同曲は新録ですが、それ以外は既存のCD音源です。
とはいえ、ライブ特有の演出もつくし、追加公演と第2弾以降は特殊イントロや特殊間奏、コール煽りなどが追加されるパターンもあり「よりライブらしく」なっています。

BRAINPOWOR!!横浜ではSL曲メインで正直目新しさがなかったんですが、追加公演以降はまだ発売前の来来美食をぶっこんでくるなど挑戦的なセトリで何をやってくるかわからないワクワク感があります。

共鳴和音の交換曲はやばかったですね……火力が高い。

315プロ主催

ファンコンは「315 Production presents」です。
SideMの劇中の世界での興行という形をとっています。つまり、アイマスではないということ。
アイドルマスターSideMではないのでライブでは提供読みはないし、開演前の諸注意をするのはアイドルで、賢も社長も出てきません。
ラストのお約束「アイマスですよ」もないし、終演後に自発的に発生する「アイマス最高」コールもない。

つまり、ライブを見ているのは業務中のプロデューサーではなく、315プロのライブを見に来た観客、ファンです。

MCパートでアイドルたちはプロデューサーに向けてではなく、ライブに来てくれた/配信を見ているファンに向けて喋ります。
ここは生身キャストによるライブとは大きく違う点ですね。
アイドルにファンとして扱われてライブを見るのはこれまで摂取しようとしてもなかなか摂取できなかったので、なかなか貴重な機会だと思います。
「ファンに対してはこういう喋り方をするんだ」という発見もあって楽しい。

プロデューサーの仕事

じゃあプロデューサーとしての仕事は全くないか、というとあります。
ファンコンはライブだけで完結するものではなく、ライブ前のストーリーがあり、リハーサル映像があり、バックステージ映像があり、それらはプロデューサー向けのコンテンツです。
ただし、これらのコンテンツは有償で、ストーリーセットのチケットを買う(または単体でストーリーを買う)ことで各ユニット1時間くらいのフルボイスストーリーが見れます。
リハーサル映像はSS席を、とバックステージ映像はSS席またはS席を買うことでライブ後に見ることができます。

実績

これまで開催されたファンコンについての情報まとめ。

BRAINPOWOR!!

神奈川公演(初演)
 出演:DRAMATIC STARS / S.E.M
 日時:2023年7月9日(日) 19:00開演
 会場:神奈川県民ホール
 公演時間:約80分

1.Beyond The Dream
2.STARLIGHT CELEBRATE!
3.∞ Possibilities
4.GOLD ~No.79~
5.THIS IS IT!
6.Learning Message
7.Study Equal Magic!(歌唱:DRAMATIC STARS)
8.約束はドリーミングフライト
9.Because
10.THE FIRST STAR
11.DRAMATIC NONFICTION(歌唱:S.E.M)
12.Multiple Entertainment Show!
13.Change to Chance
14.Dramatic Anthem
15.DRIVE A LIVE

幕張公演(追加公演)
 出演:DRAMATIC STARS / S.E.M
 日時:2023年11月17日(金) 18:00開演
 会場:幕張メッセ 国際展示場ホール9(*)
 公演時間:約80分
*公式サイトでは国際展示場ホール9-10となっているが、ホール10は物販と展示に使用していたため、ライブ会場はホール9のみ。

01.Reason!!
02.STARLIGHT CELEBRATE!
03.Multiple Entertainment Show!
04.GOLD ~No.79~
05.THIS IS IT!
06.Learning Message
07.Study Equal Magic!(歌唱:DRAMATIC STARS)
08.約束はドリーミングフライト
09.Because
10.THE FIRST STAR
11.DRAMATIC NONFICTION(歌唱:S.E.M)
12.サ・ヨ・ナ・ラ Summer Holiday
13.MOON NIGHTのせいにして
14.Dramatic Anthem
15.DRIVE A LIVE

CONNECTIME!!!!

共鳴和音(harmony chord)
 
お当番:Altessimo & 彩
 出演:Altessimo / 彩 / Legenders / C.FIRST
 日時:2023年11月18日(土) 18:30開演
    2023年11月19日(日) 13:00開演
 会場:幕張メッセ 国際展示場ホール9(*)
 公演時間:約120分
*公式サイトでは国際展示場ホール9-10となっているが、ホール10は物販と展示に使用していたため、ライブ会場はホール9のみ。

01.NEXT STAGE
02.The 1st Movement ~未来のための二重奏~
03.喝彩!~花鳥風月~
04.Legacy of Spirit
05.We're the one
06.Tone's Destiny(歌唱:彩)
07.Sanctuary World
08.流るゝ風の如く 〜和敬清寂〜
09.Echoes My Note
10.だいぶ・いんとぅ・にゅ~・わあるど!
11.ぴんとこな ~蝶よ華よ~
12.和風堂々!~WAnderful NIPPON!~(歌唱:Altessimo)
13.Not Alone
14.String of Fate
15.Secret Light
16.いとをかし!〜一彩×合彩〜
17.Infinite Octave!
18.組曲 -to All Ages Concerto-
19.Beyond The Dream
20.DRIVE A LIVE

DIMENSION ARROW
 
お当番:Legenders & C.FIRST
 出演:Altessimo / 彩 / Legenders / C.FIRST
 日時:2023年11月18日(土) 13:30開演
    2023年11月19日(日) 18:00開演
 会場:幕張メッセ 国際展示場ホール9(*)
 公演時間:約120分
*公式サイトでは国際展示場ホール9-10となっているが、ホール10は物販と展示に使用していたため、ライブ会場はホール9のみ。

01.NEXT STAGE
02.We're the one
03.Legacy of Spirit
04.The 1st Movement ~未来のための二重奏~
05.喝彩!~花鳥風月~
06.Trust me now(歌唱:Legenders)
07.KARMA
08.Sweep Your Gloom
09.Hundreds Color
10.Undiscovered WORLD
11.GO NEXT
12.Flowing Freedom
13.Make New Legend(歌唱:C.FIRST)
14.桜彩
15.Never end「Opus」
16.組曲 -to All Ages Concerto-
17.来来美食
18.Time Before Time
19.Secret Light
20.Beyond The Dream
21.DRIVE A LIVE

ファンコンの長所

キャストへの負担が少ない

これまでの通常ライブではキャスト(声優)にかなりの負担がかかっていました。
当日のスケジュールが空いていることはもちろん、それまでに歌とダンスを仕上げないといけない。
抜擢当初は新人だった声優たちもそれぞれいろんな仕事を抱えるようになり、1stや2ndライブの頃のようにはメンバーを揃えられなくなっている。

その点、ファンコン形式なら歌はCD音源、MCも事前収録なので当日のスケジュールを空けなくていいし、ダンスレッスンもいらない。
なかなかフルメンバーが揃わなかったユニットも無理なく出演できる。

ダンスのクオリティが出せる

生身の人間ではないので、ダンスのクオリティが安定している。
というか、どれだけ難しい振付でも(モデリングチームの労力をコストにすれば)再現できるのが大きい。
生身キャストはどうしてもダンスの得意不得意があるし、ダンスレッスンに費やせる時間も限られている。
もちろん、参加メンバーはいつだって最高のステージを届けようとしているがそれでも限界はある。

その点、3Dモデルは制作側が想定する振付を踊らせることができるし、「ダンスが苦手なアイドル」や「アイドルなりの共通曲でのアレンジ」みたいなものを表現可能。
実際にライブを見て、NEXT STAGEってそういう振付だったの!!???というような驚きポイントはいくつもあった。
※NEXT STAGEは両手フリー(ハンドマイクなし)の振付を見たのは今回が初めてというのもある。
※全体を通して、ハンドマイクを持った状態で披露されたのがAltessimoの曲いくつかと都築さんのソロくらいだった。

高くジャンプするとか、複雑に手を動かすとか、膝をついた状態から即座に立って踊るとか、生身では難しい(または習得するのに時間がかかる)振付も3Dアイドルなら問題なくこなせる。
もちろん何でもかんでも再現できるわけではない。とくに指先の表現なんかはちょっと作るのが大変そうな気配はする。
それでも、今までとは違う感触のダンスが見れるのは大きいと思う。

歌唱のクオリティは

ファンコンの歌はCD音源なので、いままでのライブであった歌詞を一部変えてライブ感を出すやつなんかは出来ない。
BRAINPOWOR!!初演のときはそれがちょっとつまらないな、と思っていた。

が、追加公演以降、ここにバージョンアップが入った。

特殊イントロや特殊間奏、ダンスのソロパート、煽りボイスの追加など。
これで一気に「ライブを浴びてる!!!!」という気分になる。
照明やレーザーなどは初演からあったが、ここに火柱なんかも加わったので今後どんどんバージョンアップしていくことが予想出来る。

ストーリーがある

ファンコンにはイベント連動ストーリーがある。
合同ライブ参加が決まったアイドルたちが、ユニットごとに悩んだり壁にぶつかったりいろいろするストーリーで、なんとフルボイスだ(立ち絵はサイスタのようなLive2Dみたいなのじゃなく、モバの紙芝居がちょっと豪華になったやつ)。
オート再生で1時間にも及ぶボリュームがあり、各ユニットの絆や決意なんかをたっぷりと浴びることができる。

しかも、これは公式だし、正史なのだ。

アイマスポータルの315プロダクションエピソードの「アイドルたちの1コマ」や「CONNECT WITH MUSIC!」(新CDシリーズCIRCLE OF DELIGHTのストーリー)とも地続きになっている。

ライブの合間に挟まるMCの台本も、初演と比べると格段に深みが増しており、めちゃくちゃに良かった。
ファンコンを見に行くならイベント連動ストーリーは見ておいた方がいい。

世界観

「定義」の項でも触れたが、ファンコンのライブは「プロデューサーとして」ではなく、「ファンとして」楽しむライブだ。
今まで、ゲームのストーリーでちょっと触れるだけだったあの「315時空で開催されているライブ」にどっぷりと浸るという貴重な体験が出来る。
プロデューサーではなく、観客・ファンに対する口調やこんな感じなんだな、とか。
ステージの上だとこういうトークをするんだな、とか。
そういう今までとは違った楽しみ方が出来る。

その上で、連動ストーリーと特典映像ではプロデューサー目線でアイドルを見ることもできるので、一粒で二度おいしい、とも言える。

ファンコンはプロデューサーとファン、両方の味わい方が出来る欲張りセットみたいなイベントだ。

進化するライブ

まだ始まったばかりのコンテンツなので、伸びしろがたくさんある。
たとえばアイドルが表示されているメインモニター。
横浜公演の時にはただ黒背景にアイドルが表示されるだけだったが、CONNECTIME!!!!からはそこに上部モニターと連動する映像を出すようになった。
アイドルの周りに描画すると視認性が落ちるためかそこは黒いままだが、その表現が却って「後ろのモニターに映像が出てるがスポットライトが当たっているから映像が見えなくなっている」状態に近く、より臨場感が増した。

会場が幕張メッセイベントホールになったことで火柱や火花が出せるようになったし、終わったライブのフィードバックを吸収してどんどん進化していくことが予想できる。

その他要望など

個別カメラありがとうございます

ファンコンの配信チケットを買うと、アイドル別の個別カメラ映像を買うことが出来る。
MCパートはない、ライブパートだけになるが担当アイドルだけをずっと移すカメラの映像はまさに「求めていたもの」だ。
しかも安い。1,500円。いいんですかそんな値段で。

今後、周年ライブなどで個別カメラが出るのは厳しそうな気がするが(何せ出演者の数だけカメラを用意して追いかけなければならない)、3Dモデルの「データ」があるファンコンなら無理なく個別カメラが用意できる。
素晴らしいですね。

また、配信チケットを買うとおよそ一か月見れるのもいい。

現地チケットがちょっと高い

SS席ストーリーセットを買うと、15,000円(CONNECTIME!!!!の価格)。
それが2公演だから30,000円。
出せなくはない。出る。でも120分の公演でこれは高いよね、とちょっと思わなくもない。
8th公演の2日間通し券が23,500円、MOIW2023の2日間通し券が26,000円だった。
それを考えると、ファンコンはそれだけ3Dライブの作成コストが高いのか、それとも客が少ないから単価が上がってしまうのか……。
なんにせよ、もう少し安いか、現地チケットに配信チケットも同梱してこの値段なら嬉しいです。どうですか。

衣装チェンジが欲しい

今は、グローイングブライティ(基本のユニット衣装)一択だけど、ファンコン共通衣装があったら嬉しかった。
新規衣装があればそれでグッズも作れるし。
アンコールでTシャツになるだけでもすごくテンション上がるので、どうでしょうかね……衣装チェンジ実装してもらえませんかね……。

集客は難ありかも

横浜での公演はチケットが売り切れていたように記憶しているが、幕張公演は空席が目立った。
S席とA席はそれなりに埋まっていたが、SS席は7-8割といったところか。

A列とB列がSS席だった


今後、ファンコンに参加した人のレポートや感想などでファンコンに行く人が増えたらいいな、と思う。

それはそれとしてチケットはご用意されたいです。

音響は……

音響つよつよ会場ことKアリーナを経験してしまったので、幕張メッセイベントホールでの反響音ありまくりの環境は「そういやライブってこんな感じだったな」と記憶を掘り起こすことになった。

本当はね、全部のライブをKアリーナでやってほしいよ。
それくらいKアリの音響はすごかったよ。

でもまあそうもいかないので、慣れるか諦めるか技術の進歩に期待することにします。

終わりに

キャストのスケジュールが抑えにくくなっているのは明白であり、今後各種アイマスブランドで同様の3Dライブが増えていくんじゃないかな、とおもっている。
アイマスはxRをやる、という宣言もあるし、SideMのファンコンがその一端なのかはわからないがファンコンが一周したあとも次があることだろう。

一方で、周年ライブも続いていく。続いてくれ。
ファンコン形式のライブも楽しい。これまでとは違うライブの楽しみ方がある。
でも、いつものやつも欲しい。

ファンでいたい人も、プロデューサーでいたい人も、どっちも楽しめる、アイドルを応援できるコンテンツになっていってくれるといいなと思っている。

以上。長々とお付き合いありがとうございました!!!

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