1 メルのお家
皆様こんばんは。以前の創作小説を記載する準備中なので、久しぶりにお話を書いてみました。宜しかったら時間がある時読んで見てください。それでは〜⭐︎
1 メルのお家
メルくんは綺麗好きだ。朝目が覚めるとまず、大きい人間の髭を匂う。しばらく匂うとふと思い立ち、髭の生えた顎を噛む。何故なのか。メルは綺麗好きだからだ。メルは記憶力がとても良い。
メルくんはつい最近まで風邪をひいていた。最初は目がうるうるして時々小さなくしゃみが出た。それからしばらくしてくしゃみがたくさん出るようになった。暖かい部屋に居るのにくしゃみが止まらなくて、鼻血のくしゃみが出るくらいだった。くしゃみが止まらない。メルは生まれてまだ5ヶ月だ。初めてひいた風邪だった。初めて迎えた冬だった。ここの冬はとても寒い。だからメルは暖かい部屋で眠ることを許された。メルはまだ生まれて5ヶ月なのだ。何もかもが新しい世界なのだ。
ひと月程してメルくんの風邪っぴきも良くなった。メルくんはまだ5ヶ月だから、風邪が長引いた。とにかくメルくんのくしゃみが止まって良かった。ところでメルくんはとても頭が良い。メルくんは画面の中が動いていると言う事を理解する。メルくんにとってそれはハントするべきものであり、画面の中が動くということはメルくんにとって、周知の事実なのである。実際、メルくんは大変狩りが上手い。カブチより体はまだ小さいのだが、とても効率的な動きでバッタなどを捕まえる。カブチは狩る時ダイナミックに動き、メルは無駄な動きの一切無い軌道で獲物を捕まえる。メルは小さい割に時々驚く程力が強い。驚く程だ。ともかく、メルは風邪も良くなったことだからと、手元のメガネを掛けると、iPadのPagesを立ち上げ、ワイヤレスキーボードをBluetoothで接続させるとパタパタと何か文字を打ち始めた。メルのキーボードはUSだ。この方が慣れているから打ちやすいんだ。メルは画面を見つめたままそう言った。
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