INHABITANT OF NIGHT CITY/ナイトシティの住民
ナイトシティの治安は壊滅的だ。
こちらをご覧頂きたい。
これはナイトシティにあるワトソン地区のマップだ。そして、マップの中に出ている「NCPD」という水色マークがわかるだろうか。これは主に「調査」「暴行」「組織犯罪」の3つのうちのどれかが行われている場合に出てくるマークだ。
おわかりいただけるだろうか。ひと地区だけでこれだけの犯罪が発生しているのである。犯罪の密度が高すぎる。ギャングが一般市民と同じくらいいるのもあって、生半可な気持ちでナイトシティに向かおうものなら一瞬で淘汰されてしまうだろう治安の悪さだ。
もちろん警察もこの事態に手を打っていないわけではない。ただ彼らは深刻な人手不足のようで、こういった些細な事件ひとつひとつに首を突っ込む余裕はないらしい。
そこでこういった事件をピックアップし、対処してくれたら報酬出るよ!というスタイルで外部に委託している、というわけだ。
このNCPDの外注スタイルは、万年金欠のVにとって非常にありがたい収入源のひとつだ。
犯罪組織となるとギャングの数も10人以上いるのでよわよわVにはまだ難易度が高めであるが、暴行や調査はギャングの数が5、6人程度と少なめなので結構お手軽にシバくことができる。
シバいたギャングからは武器や服等のアイテムと金が回収でき、さらに成功報酬としてNCPDからもお金が貰える上に、V自身のレベル上げもできるので一石三鳥くらいある。ついでに治安も良くなるから一石四鳥かもしれない。これには鳥もびっくりである。
犯罪が多すぎて手が回っていないようだが、NCPDだってちゃんと仕事をしているらしい。街を歩いていると、たまにNCPDとギャングが争っている場面に遭遇する。
物珍しさに観戦していると「何見てんだコラァ!」と言わんばかりに双方から目をつけられ大変な飛び火するので、余程の戦闘狂でもなければ目をつけられる前にその場を離れるべきである。
ちなみにNCPDから目をつけられた場合、先にあっちが手を出してきたからと言って応戦すると指名手配され、街中のNCPDから袋叩きにされる。怖かった。
ということで、引き続きギャングをシバいて集金及びレベル上げをしていく。
ナイトシティのギャングにも色々種類がある。今回乗り込んだところは虎鉤衆と書いてタイガークロウズと読むギャングが集まっており、市民に危害を加えていた。
相手の数をおおよそ把握し、サンディヴィスタン持ち(使用すると周囲の動きが速くなる。つまり周りから見ればそいつが瞬間移動しているかのように見える厄介な能力)はハッキングで早めに処理。この辺は1周目で学習した初動対応である。
サンディヴィスタン持ちさえいなくなればあとは楽なものだ。相手を掃討し、NCPDが必要とする資料を回収すれば終了である。
ギャングシバきのハシゴをしていると、誰かから着信が来た。
誰だこいつ?とは思わせない名誉ある登録名をつけられた股間火吹きマンことジェシーである。
連絡が来たということは、あの絶望の中からそれなりに回復したらしい。
Vがふんわりぼかしてあの後どうなったか尋ねてみると、どうやらジェシーのジェシーは無事元通りになったようだ。改造チ×ポをどうやって元通りにしたのか気になるが、流石にそこは触れないでおこう。
これに懲りて男性器弄りは慎重にな……。
そういえば、メガビルディングでジャッキーと会う前に少し寄り道したのを思い出した。
借りている部屋の1階下には、トレーニングルームのようなものがある。そしてその隣にリングがあり、ロボットを相手にボクシングができるようになっている。
1戦やっていかない?という近接武器屋のフレッドから誘いを受けてロボットと対戦し勝利すると、今度はどうせならナイトシティのボクシングチャンピオンになってみない?と追加のお誘いを受けた。
賞金に釣られて引き受けたはいいものの、チャンピオンになるのも一筋縄ではいかない。ポケモンでジムリーダーを倒し、チャンピオンに挑んでいく過程を想像してほしい。大体そういうことだ。
つまり、各地にいる地区のボクシング王者に戦いを挑んで勝利しなければならない。
ギャング行脚の途中、その噂のボクシング地区王者の近くを通りかかったので腕試しに寄ってみることにした。
待っていたのはなんと2人組。
彼らは比喩表現ではないタイプの「ふたりでひとり」なんだそうだ。つまり、ひとりの人間の意識がふたりの身体に宿っている状態である。もっと簡単に言えば、分身の術を使った感じだろうか。
初戦から2対1とは聞いてない。スポーツマンシップとはなんだったのか。流石はナイトシティといったところである。
まあいいだろう。勝てばいいのだ勝てば。そういうわけで、苦手な近接戦だがなんとかふたりまとめてシバき倒す。2対1なのでもっと苦戦するかと思ったが、割とあっさり倒せてしまった。相手が2対1というアドバンテージを活かさず、交互に仕掛けてきただけだったのが大きい。
殴られて痛々しい顔面のふたりから賞金をまきあげていると、発起人のフレッドから「いいね!その調子!」的なメッセージが届いた。ありがとう。褒められると伸びるタイプなのでもっと褒めてくれ。
ちなみに何故フレッドがこうもチャンピオンロードを推してくるのかというと、どうも稼いだ賞金の何割かは仲介したフレッドに入る仕組みらしい。まあこちらも賞金稼ぎができるので、多少分け前を与えても特に問題はない。
ヴィクターへのローン返済のお金が用意できた。21,000ユーロドル。
ということで、早速渡しに行く。
道中、何かの名残りみたいな階段に昔は何があったのか思いを馳せつつ、ヴィクターの店に向かう。こういうディティールの細かさもサイバーパンクの面白さのひとつだ。
ヴィクター!ツケを払いに来たぞ!
????????
本気で言っているのかこの男。ナイトシティの住人とは思えないトンデモ発言である。思わず2度見した。
そうは言っても、ゲーム中の描写はないがおそらくVはこれまでにもヴィクターにお世話になりまくっているはずだ。
せめてこのツケだけでも払わなければならない。いや、払わせてくれ!そう頼んでみたものの。
よ゙ぐな゙い゙よ゙゙!!!!!!!!
なんなんだこの男。懐が深すぎてマントル突き抜けてる。
ていうか、そんな、友達だと言ってくれるんだ。友達と認めてくれているその事実が嬉しすぎて頭抱える。
友達だからってツケ代として用意した金をそのままお前が持っとけなんて言うのは流石にどうかと思うが。今まで変なツボとか買わされてないか??と心配になる。
渋るヴィクターを説き伏せて、半ば無理矢理ツケ代を払った。
しばらくすると、ヴィクターからメールが届いた。
良い人すぎるだろヴィクター・ヴェクター!!!!!!!!!!
ナイトシティはヴィクター・ヴェクターを絶滅危惧種として保護した方がいいと思う。
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