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ドキュメンタリー作品「AIで愛になる~超愛妻家・松尾公也とテクノロジーの未来」 編集後記

12月14日16時、ドキュメンタリー作品「AIで愛になる~超愛妻家・松尾公也とテクノロジーの未来」を公開しました。

作品概要

AI技術を活用して亡くなった奥様を再現する活動で注目されている松尾公也氏。 近年、様々なメディアで注目されてきたが、奥様への愛だけでなくその裏には音楽とテクノロジーへの造詣の深さ、信念があった。 この作品では、奥様への愛だけでなく、テクノロジーと音楽がもたらす人の幸福のカタチ、各時代でキーマンとなった方々へのインタビューと共に松尾氏の半生を振り返り、現在の活動の原動力、AIテクノロジーの向かうその先、さらには死生観のあり方までを描いていくドキュメンタリー作品です。

長崎での同窓会前のバンド練習
自宅での松尾さん
ご学友の佐藤さん
ポッドキャストのパートナー、ドリキンさん
天才プログラマーの清水さん

松尾公也さんとの出会い

松尾さんとは今回の取材をきっかけに出会ったわけではありません。

出会い自体は5年前の2019年に遡ります。もっと言うと僕自身は松尾さんの事を7年前くらいから知っていました。

もともとYouTuberのドリキンさんの動画を見ていたのですが、その動画の中でドリキンさんがやっているテック系のポッドキャスト「Backspace.fm」を知りその番組を聞いていました。 そこでドリキンさんの相方としてお話していたのが松尾さんなのです。

番組を聞くようになってからは、番組はもとよりWEBメディアでのテック系の解説やご本人のYouTubeなど様々な媒体での活動を見てきました。

時は流れ、2019年。 ポッドキャストのコミュニティーの「グルドン」に入りました。マストドンという分散型ソーシャルネットワーク内に存在するコミュニティーで当時は確かコミュニティー参加が一時解放されていたのでマストドンのアカウントを作り参加したのです。

ちょうどその頃アイドルグループのMVを撮ってグルドン内でコンテストを行うという企画が立ちあがり、僕はその企画を映像屋としてサポートする形で参加しました。その時がドリキンさんや松尾さんと実際にお会いした最初なのです。

この作品を作ろうと思ったきっかけ

松尾さんを知った当初から、奥様の歌声を再現する取り組みを拝見していてとても感銘を受けていました。

僕は2018年から映像の業界で仕事をするようになっていたのですが、その当時から、いつか松尾さんを題材にした作品を撮りたいなと漠然と思っていましたが、当時の時世では逆風もあり下手に僕が取り上げて松尾さんが余計な逆風を受けることで松尾さんの活動の支障になるのではないかと内心思っていました。もう少し時代が追い付いたらにしようと。あと自分が制作するに値するくらいの経験を積んでからにしようと。

あと僕は1997年公開、テクノロジーと信仰をテーマに描かれたジョディ―フォスター主演の映画「CONTACT」が本当に好きな映画で、松尾さんのエピソードにもこの映画と同じものを感じていました。
https://eiga.com/movie/75387/

転機

時はさらに進み2023年

仕事も忙しくなり松尾さんの事は「Backspace.fm」とご本人のYouTube、執筆記事だけを追っていて、松尾さんとのかかわりは全くなかったのですが、2023年3月12日「第1回AIアートグランプリ」の最終審査会が開催され松尾さんの作品が見事優勝を飾ったことを知ります。

https://www.youtube.com/live/YDEYbxe0ekM?si=WPFSCnT2S4Ax-e01

ここで一気に潮目が変わりました。
様々な大手メディアが松尾さんの活動に注目するようになりテクノロジーに明るくないマスにも認知されるようになったのです。

取材依頼

2023年5月。久しぶりに松尾さんに連絡を取りました。
そこで今回の構想をお伝えして、快く引き受けてくださいました。

じゃあすぐ撮影に至ったかというとそうではありません。

僕自身仕事が忙しくなってしまったのですが、実はそれとは別にもう一つ理由がありました。

生成AIの進化がとてつもなく早く、これはもう少し様子を見て松尾さんが何を作るのか、発信するのか、世の中の反応はどうなのかを見てから制作にかかる方が内容が濃くなる可能性を感じていたからです。

多分あの時点で作っていたら超愛妻家としての松尾さんを描き、エンディングとして「第1回AIアートグランプリ優勝」で終わっていたと思います。
良い話でした。ちゃんちゃん!のやつです。

で実際いつ撮り始めたかというと

2024年の9月からとなりました。
1年経っちゃたわけです。

でもこの1年という期間があったからこそ
お三方のあの発言につながったのかなと思います。

制作をするうえで心がけたこと

筆者の編集環境

①私情を入れない

これはインタビュー時も編集時も一番心掛けたことです。

ドキュメンタリーもいろいろな作品があり、ディレクターから見た視点、感想を伝えるものも多くあります。

今回はその手法は取りませんでした。

なぜなら、松尾さんや近くで見てきたご友人の話す内容が一番正確な生の情報で僕の解釈を挟む必要はないためです。また制作者の意図が感じられてしまう作品だと特に今回の場合は知り合いが作った作品でしょってなってしまうからです。

当事者たちの話す事実だけを伝えることに終始しました。

観てくださった方が何を感じてどうするかが大事だと思っています。

一部人物紹介をする部分とノーベル物理学賞の話しで学者がどういった方かを補足するテロップが入っていますが、それ以外はノーテロップにしています。これも当事者のお話に集中してほしいためです。

当初エンドロールだけは僕の私情が投影されたミュージックビデオ的なカット割りにしていました。

作品公開する前日までは。

でも思いとどまって、時系列のみを淡々と並べる形に変更しました。

②愛の話で終わらせない

多くのメディアでは今までは松尾さんの奥様への愛をテーマに手段としてAIが活用されている。AIでこんなことできるよ、いい話だねって紹介のされ方だったかと思います。 

これはマスメディアである以上仕方ないことで、情報番組や新聞には尺や誌面の制約があり伝えられることに限りがあるのでハイライトしか扱えない為です。

しかしその裏には松尾さんのような活動をされている方への逆風もあります。それがどんなものなのか。なぜそうなってしまっているのか。テクノロジーとは何なのかを伝えなければ意味がないと考えていました。未来がある技術、取り組みなのでそこの最先端を知ってもらう必要はあると考えていました。

尺をどうするかめっちゃ悩んだ話し

当初40分くらいの尺で考えていたのですが、取材を進めるなかで「これ、すべての話が貴重すぎてカットするところないんだけど…」となり何部かに分けて公開することも考えましたが、一気に見せる方がちゃんと考えてもらえる作品になるかな?って思い一本にまとめました。

おおよそトータルで3時間近くはカットしているので全部出していたら5時間近くの作品になってしまってました。

泣く泣くカットしたお話もいつか公開する日が来るでしょうか。

誰に届けたい作品なのか

もちろん初動としては松尾さんのご友人、ファンの方々などに届くことが目的ですが、最終的にはテックに明るくない一般層の方々に観ていただきたいと思っています。 

もちろん松尾さんのような活動をされる方は今後自然発生的に増えていくと思いますし、テクノロジーも進化してもっと簡単に扱えるようになるだろうし、社会も許容するようになっていくと思います。

そんな風潮になったとき、この作品を見て「自分もやってみよう」「否定派だったけどそういうことなんだ。考え方変わった」など感じていただけたら幸いです。

もちろんそれでも「断固反対! 冒涜だ!」という意見もあるかと思いますがそれはそれでいいと思います。

広くマスに伝えたい。
この作品を見てくださった方々にお願いです。
是非シェアしてください!

あと映画祭などお呼びいただけないかな~なんて淡い期待も。

最後に

この作品を制作するうえで惜しみない協力を頂いた松尾公也さんには本当に感謝しています。

またご友人として取材に答えてくださった
佐藤康夫さん
ドリキンさん
清水亮さん

長崎でのバンド練習の撮影を受け入れてくださった
「ハッピー&グリーン」の
松尾宗人さん
山口修二さん
土山公城さん
佐藤幹夫さん

皆さんのご協力があって作品が成り立ちました。

改めてこの場で感謝申し上げます。

また
奥様の松尾敏子さん
ギターの師匠の永田英樹さん

この作品をどこからか見ていてくれたらうれしいです。


作品をアップしたチャンネルの今後

今回作品をアップしたチャンネルは僕が仕事で使っていたチャンネルで公開動画はありませんでしたが、今後はこのようなドキュメンタリー作品など個人企画として制作した制作物をアップしていく予定です。年に何回公開できるかはわかりませんが丁寧な作品を上げ続けられたらと思っています。

チャンネル登録していただけると幸いです。
https://www.youtube.com/@uzlandfilmworks9788

それではまた!

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UZ LAND Yuji Tanaka
応援いただけると幸いです。作品の制作費に生かせればと思っています。