愛が足りなくても週末はくる
今日は母と浅草橋にビーズを物色しに行った。
友人が主催する渋谷のフリマでzineを売ることになったのだけれど、そこに一緒に母が作るビーズのアクセサリーも置かせてもらえることになったので材料集めをしに行ったのである。
abnoというcafeあんどbarは入り口が金の自動ドアになっていてまるで千夜一夜物語に出てくる開かずのトビラみたいだった。つい呪文を唱えそうになった。
お目当てのクロワッサンの卵サンドはなかったけどオープンサンド(ツナとパプリカのやつとサーモンとアボカドのやつ)とデニッシュとなんかディから始まる名前のコーヒー(カカオとナッツの風味がするやつ。コーヒーに対する造詣の浅さに反省)を頂いた。特にオープンサンドは玄米パンをフレンチトーストベースにしていて甘じょっぱくて最高だった。
ビーズをたくさん物色してたあと、母の靴擦れもさることながらプリンを食べに行った。店の名前は忘れたけどGoogle mapの言った通り駅から徒歩5分でついた。
固いプリン厨房を無理やりカウンターにした席で食した。コーヒーはピッコロラテという風変わりなメニューがあって私も母も頼んでみた。ソーサーに取っ手がなくて母が「これがピッコロということね」と言った。
店の半分くらいを占める大きくてクールな外国製の機会があって、母となんだろうねと言っているとお店の人がコーヒーの匂いを消す機械なのだと教えてくれた。
確かに店はカフェ特有の香りがしなかった。なんでも近隣に迷惑をかけないためだそう。下町にポツンとある近未来的なこの店は妙に若者が溢れていて不釣り合いだった。
せっかくおいしいコーヒーが飲めるんだからもっと図々しくてもいいのにな。
そう思うと同時にあの外国製の機械に日本人らしい慎ましさも感じた。
私を裏切ったあいつにも飲ましてやりたいな。
あー、愛が足りなくて枯れちゃいそう。
好きなことに挑戦したい。でも勇気がない。本当に仕事になるのかとか良い暮らしをしたいとか余計なことを思ってしまう。
エディアトルデザイナーになって、清澄白河に1Kの部屋(8畳)を借りて、セミダブルベットとタイルのあるキッチンで、恋人とだらだらする週末は本当に来るのかな。
「明日会社行きたくない」って足を絡ませてじゃれあって深夜に一緒にラーメン食べに行ってくれる人は私にいるのかな。