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靴下の色を間違えると命取りになる
血液型のRHタイプが突然変異したり、迷走神経が暴走して失神したり、紆余曲折ありましたが、無事に航空自衛隊の教育隊に入隊いたしました。
教育隊とは長期の社員研修みたいなもので、基地の中で3ヶ月、基礎をしっかり叩き込まれます。
基礎体力、精神力、掃除と整理整頓能力も向上し、愛国心も育まれますね。
自衛隊は、国民の皆様の税金で衣食住を賄っているので、備品を大切に扱い、朝と夜に丁寧に掃除をします。
また、毛布の畳み方から敷き方、ロッカーの中の物の配置、生活時間など、すべて細かく定められており、正確かつ迅速に整理整頓することが必修能力となります。
規則には絶対に従わねばなりません。
例えば、畳まれた毛布の端がキッチリ揃っていないと、上官に厳しく叱咤されます。
毎朝、短時間で如何に美しく毛布を畳むか!
もはやゲームのように楽しむしかありません。
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衣服にも細かい規定があります。
運動する時の靴下は白、訓練するときの靴下は黒でなければいけません。
ちなみに制服の時はストッキングです。
基地生活にも慣れてきた頃、どうも靴下を履き替えるのが面倒くさくて、黒い靴下のままランニングをすることにしました。
そもそも靴下なんて、何色でもいいじゃないですか。ましてや勤務時間外の自主トレですよ。
駄菓子菓子!
上官に見つかってしまい、職務室に連行され叱責されました。
『運動する時は体操服に着替え白い靴下を履くこと』と、規則で決まっているとはいえ、全く納得がいかない18歳のわたくし。
(・ω・)「靴下が黒でも、ランニングすることに何の影響もないじゃないですか」
すると上官は真剣な表情で続けました。
「日頃から規則を守らなければ、有事の際に命の危険に直結することにもなりかねない。団体行動を律するためには、どんな小さな決まり事でも、個々が守らないといけないの。確かにランニングの時に黒い靴下を履いても何も問題は起きないけど、迷彩服で潜伏中に白い靴下を履いていたら目立って敵に発見されやすいよね」
(・ω・) 「…はい」
自衛隊は、上官の命令には必ず従わねばなりません。当然、規則も遵守せねばなりません。
しかしながら、異議申し立てをする権利は認められています。いきなり隊長に上申はできませんが、順番に上申していけば、隊長や司令官に意見が届く制度になっております。
さすがに黒い靴下の件は異議申し立てするような事ではありませんが、多勢の人間をまとめる秘訣を知った瞬間でした。
そんなわけで、納得がいかないことは全て上官にぶつけていたので、だいぶ生意氣な隊員であったことは間違いありません。
でも、違和感を感じたら、おかしいと思ったら、発言しても良いのです。
何かが改善されるのであれば、自分の考えを伝えても良いのです。
日本は、発言の自由が認められている國ですからね。