やきもの✖️たきもの 其の參
高野と熊野
佑天が高野山に根をおろして以来、ほぼ毎日、居座っているinternational cafe梵恩舎は、店主がバイリンガルなこともあって外国人が溢れかえるお店でした。
ここで和田直樹の焼きものは世界中の旅人と出逢い、世界各国に旅立っていきました。
ある時、滅多に出ないという貴重な白い土でつくった焼きものが梵恩舎の展示棚に並べられました。
形も色も可愛い〜!と思って遠目からから見ていると、フランスから訪れた女性も同じ白いカップに熱い視線を向けていました。
他の器も手に取って色々な角度から見ていましたが、やはり最初に目があった白いカップを連れて帰りました。
あの白いカップは、これからフランスの食卓を彩るんやなぁと想像すると感慨深く、勿論、わたしも使いたかったけど、あのお洒落な女性の自宅に存在していると思うと今でも嬉しくなります。
熊野市木木綿✖️佑天の香袋も、梵恩舎から色々な國にに旅立っているのですが、時間の経過とともに、香りはどうしても弱くなります。
一方で、熊野で丁寧に織られた市木木綿は、100年経っても使える。
火の力によって安定した焼き物も、ずっと遺る。
お香の灰は草木灰として土に還るぐらいしかないなと思っていたので、カタチとして何年も遺ることが、すこし羨ましくもありました。
※草木灰にできるのは自然素材のみを使用したお香です。
緊急事態宣言が解除され、世の中がすこしずつ動き出した頃、高野の陶芸家、和田直樹が
和「佑天のお香の灰で釉薬つくろか?」
と藪から棒に提案してくれました。
佑「え!?お香の灰も釉薬に使えるん??」
和「植物だけやったらいけるよ。熊野の那智黒石も持ってるから、お香の灰と那智黒石を混ぜてみよか」
佑「えぇー!嬉しい!お香は土に還るしかないと思ってたのに、釉薬になって遺るんや!」
高野の陶芸家が、高野の土でお香皿をつくり、熊野の那智黒石と、熊野に自生している草木が釉薬に生まれ変わる!
那智黒石は、とても硬くて、粉砕するのが非常に困難なのですが、持つ人の意志を貫き、邪念を祓い、がんばる人を護ってくれます。
御守りとしても優秀です。
釉薬に使用するのは、熊野市神川町で産出された本物の那智黒石です。
お土産屋さんで売られているものは、ほとんどが那智黒石の粉末に化学合成樹脂を混ぜて形成しやすくしたものです。
佑天が生まれ育った地域に自生している香草は、熊野の山奥で妖怪退治や浄霊をしている方々が現役で活用している強力なもの。
さらに、佑天お香が誕生した熊野の山奥で育った熊野杉も用い、地に足をつけ、自然回帰を促します。
この杉は、合鴨農法で米づくりをしている有機農家が、先祖代々護り続けてきた素晴らしい山に在る杉です。
熊野の荒削りの波動と、高野の穏やかな波動が調和したとき、どんな焼きものができるのか?
これは、ちょっとした実験です(笑)
和田直樹の個展やグループ展が延期になったことで時間ができ、佑天の夢を叶えてもらえることになりましたが、個展が再開すると、微塵も相手にしてもらえません(泣)
次回はいつ作陶できるか、皆目見当がつきませんので
この夢の実験を、一緒にお楽しみくださいませ(笑)
追記
この企画はなんとか無事に完遂しました。
高野✖️熊野お香皿をお迎えいただいた皆さま、ありがとうございました!
2022年5月現在、熊野珊瑚メタルのお香皿がほしいと和田直樹に言い続けておりますが、他にやりたいことが沢山ありすぎて、しばらく実現しないと思われます…。
写真では伝わらない、珊瑚釉薬による妖艶な彩光を皆さまにも楽しんでいただきたい…!
⬇︎元那智の語り部として全身全霊でお勧めの那智黒石工房
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