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頭を丸めたら怒られた

高3の冬、『GIジェーン』という衝撃の映画が公開されました。
あのデミムーアが劇中で米軍の特殊部隊に入隊し、髪の毛をバリカンで剃ってしまうのですよ!
その潔さがカッコよくて、めっちゃ憧れたんです。
自衛隊に入ったら、私も坊主にするって心に決めてたんです。

当時、教育隊に入隊した男子隊員は全員坊主頭、女子隊員はショートカットにしなければなりませんでした。
昔の自衛隊のPRビデオに、泣きながら断髪する女子隊員が印象的に映されていたのを覚えています。

実際に、入隊前はサラサラロングヘアで切るのが辛かったと語る同期が何人かいました。
わたくしはスキンヘッドぐらい短くしたかったというのに。


教育期間中は、体力錬成はしなければならないし、覚えることばかりで毎夜勉強する時間も必要で、とにかく忙しい日々でした。 
ショートカットでも髪にかける時間が惜しくなり、煩わしくなってきました。
そこで、手先が器用な同期に頼んで、念願の坊主にしてもらったのであります!

長崎出身、ロボットダンスが得意なカッコイイ同期↑



駄菓子菓子!


職務室に呼び出されたた私は、上官にめっちゃ怒られたんです。
坊主にしたらあかん‼︎って。“あかん”とは言わんかったけど。

(°̴̥̥̥̥̃♜︎°̴̥̥̥̥̃ )「なんで坊主にしたのおぉー!」
と、悲鳴を上げられたような氣がします。


(・ω・)「坊主にしてはいけないって規則はありませんよね。男子隊員は坊主にしているのに、何故、女子隊員は坊主にしてはいけないのでしょうか?」

上官は返答に困りながら
「制服のときにスカートを履くから…ね?」と。

まったく納得のいかない返答ではありましたが、仕方がなかったのです。
女子隊員が坊主にした前例がなかったのです。


『髪は女の命』という言葉もあるぐらい、女子隊員は皆、ショートカットにすることすら泣いて嫌がりました。
自衛隊の規則をつくってきた皆さんは、まさか女子隊員が自ら進んで坊主にする日が来るなんて、1ミリも思わなかったのでしょう。
故に、『女子隊員は坊主頭にしてはいけない』なんて規則はなかったのです。


しかしながら、悪いことをしたという自覚は全くなく、腑に落ちないまま職務室から部屋に戻ると、同期たちが怪訝な面持ちで集まって来ました。
彼女たちは皆、映画『GIジェーン』のテーマである男女雇用機会均等法を支持し、男女差別が許せない血氣盛んなお年頃でありました。


ヽ(o`Д´o)ノ「なんで坊主にしたらアカンねん。おかしいやろ。腹立つから私も坊主にしたるわ!」(大阪)

(๑⁼̴̀д⁼̴́๑)「おらも坊主にするだっ」(青森)

(⁎⁍̴̛ᴗ⁍̴̛⁎)「いいねぇ!私も坊主にしよーっと♪」(静岡)


なんだか知らないうちに、頭を丸める女子隊員が増殖しました。
みんな、援護射撃的に意思表示をしたくれたのです。


(´∀︎`σ)σ「坊主めっちゃ楽やなぁ〜!シャンプーもリンスも要らんしなぁ!」

(๑¯ ³¯๑)「男子隊員に間違えられたよ」

(⁎⁍̴̛ᴗ⁍̴̛⁎)「訓練も激しくなってきたし、坊主は楽でイイよね!」

(・ω・)「寝癖もつかんしなぁ」


坊主サイコー!
わたしたちの青春は、坊主頭で最盛期を迎えたのでした。



後輩の情報によると、わたしたちが巣立った後、『女子隊員は坊主禁止』という規則ができたとか(笑)

今はどうなっているのか知りませんが、髪型や服装を男女で分けるのは、区別ではなく差別ではないのかなぁと思うのです。

男がスカートを履いたって誰も困らないし、女が坊主にしたところで何も問題はありませんよね。


しかしながら、遠距離恋愛をしていた彼氏は、彼女が坊主にしたことを悲しんでおられましたとさ。

めでたしめでたし。

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