【うゆのノンフィクション】春はまだ遠く
ひとつ、また歳を重ねた。
青く白く澄んだ汗ばむ季節が通り過ぎ、朝晩の寒さが身体を包み込む季節になった。
それでも私は、何も変われなかった。
辺りは皆、社会のレールに乗っている。
受験、就職。
たった2本の路線だけで、あとは何があると言わんばかりに。
昔はそれなりに周りを気にして就職説明会にも参加したが、どこの担当者も全員うさん臭く感じてしまった。
気になった会社も、書類の時点で全て落とされた。
バイトも、精神を病んで1カ月半で辞めてしまった。
食べていかなきゃ、生きていかなきゃ。
いい加減、親元から巣立たなきゃ。
そう焦る気持ちとは裏腹に、身体が動かない。
私は問い続けている。
自分がこの先何をして生きていたいのか。
表現することを続けていきたい。
いつか夢に見た、歌手になりたい。
文字を打つことで、誰かの役に立ちたい。
好きなことでお金を得たい。
なんだ、あるじゃん。
やるなら、全部身が亡びる前にやってしまいたい。
noteを始めたのも、自分のためだった。
せめて文章を書くことだけでも、何かの足しにならないかと。
そしていつか、顔も名前も知らない誰かに寄り添えないかと。
やりたいことを、着実に叶えてきたことで今がある。
春はまだ遠い。
時間はまだある。
進んでいこう。
うゆ。
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