フランス語日記⓫:過去の過去じゃない「大過去」
英語とは異なり、
フランス語には様々な時制の考え方が存在する。
特に大過去。おめぇはなんだ。
どうして大過去なのに、大過去以外の用法があるんだ・・・。
zone1とzone2の狭間
Je ( )ce type en ville. あの男の人、町で見かけたことがあったわ。(東郷雄二、2011、88)
かっこの中に入るのは、「ai vu」ではなく、「avais vu」となっている。
「ai vu」は、複合過去
「avais vu」は、大過去と呼ばれるもの。
しかし、なぜ複合過去ではなく、大過去を使用するのか、イマイチ分かっていない。
違いを整理すると、基本的に複合過去は現在に視点を置き、大過去は過去に視点を置く。
とはいうものの、上に文章には、元の視点となる情報がない。
しかし
話し手が発話時現在t₀に視点を置いていることは明らかです。〔中略〕zone1とzone2の両方が発動されていると見るべきです。(東郷雄二、2011、90)
引用を見てみると
この”大過去擬き”は、過去に視点をおいてはいないということになる。より正確にいうのならば、過去と現在の視点を持ち合わせているということ。
そして、過去と現在の視点を持ち合わせているということは、それぞれの時制がつながっていないということ。
過去と現在という壁の間には空間があり、メインとして発話時現在t₀に立ちつつも、発言する内容は、過去の過去をベースにした発言。
発話者は、予想していた状況と違ったことが起こったりするなど、現実と過去での想定に「差」が生まれたときに、
この「過去の過去ではない大過去」を使うのではないか?と思うのですが、
「あの男の人、町で見かけたことがあったわ」からは、そのようなニュアンスが読みとれない気がする・・・
なんかもう分かんねぇ
と
今日も大学生は四苦八苦している。
参考文献:東郷雄二. (2011). 中級フランス語. 株式会社白水社
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