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ASMRとライトノベルの共通点。 -音と魔法に何を垣間見る-

ちょっと長いよ。

最近のASMR動画を聴いていると、気づくことがある。

もっと詳しいことはこっちにも書いてあるが、別に見なくてもいいだろう。

詳しく知りたいという方だけでいい。

さて、手短にまとめると、こうだ。

シチュエーション系のASMRが、蠢くがごとく増えている。

2014年から、ずっとasmr動画を聴いてきた 僕にとっては、

音の質を高めるものと、場面設定に即した、つまりシチュエーション系ASMRの方が増加していることがよく目に映ってしまう。

理由は色々推測できるが、その前に

この記事の本題

ASMRのラノベ化について書いていこう。

ASMRのラノベ化❶

ASMRはyoutubeにおいて、2011年ごろから検索数が増えているワードだ。

近年ではすっかりジャンルも分化し、芸能人やアイドル、Vtuberさえも、この類の動画を持っている。

その中で傾向の一つとして見受けられるものが、「ASMRのラノベ化」であろう。

(僕が勝手に命名しているんだけれど・・・)

ラノベとは簡単に言えば、「男子の妄想をイイ感じに具現化したもの」ともいえる。

しかし、女性も全然読めるので、一概に「男子の」と形容することはできないかもしれない・・・。

さて!

この「ASMRのラノベ化」とは、(まぁ薄々勘づいている人もいると思うが)どういったものなのだろうか?

つまるところ、「ASMRのラノベ化」とは、先ほど書いたシチュエーション系asmr動画の増加である。

asmr初期は、人々を落ち着かせるものとしての印象が強かった。明確な物語や筋が設定されているわけではなく、そういうものがあったとしても、今のように明らかな「物語」としての印象は弱かった。もしくはキャラクター性が弱かったとも言える。

しかし今はどうだろう。

youtubeで「asmr」と検索してみると以前よりも「キャラクター性が強い」もの、「設定に基づいている」もの、「より投稿主が役割に徹している」ものが多くなっている印象を受ける。

シチュエーション系は、それに関連したキーワードを検索窓に入れないと出てこないが、いざそのように検索してみると、夥しい量のasmr?動画が出てくる。


ASMRのラノベ化❷

今度は、視聴者に目線に立って見よう。

この記事ために色々聞いてみたが(暇かよ)


「彼女(girlfriendとしての)」の視点に立っているasmr動画が多くみられる。彼氏の場合ももちろんある。

もしくは、まさにラノベのような、現実では体験することのできない職業や役割を持つ女性(もしくは男性)が、珍しい状況で、自分にかまってくれたり、親切にしてくれたり、介抱してくれたりと、兎にも角にも至れり尽くせりなのである。 

出版社の公式チャンネルがasmr動画を投稿している場合さえある・・・。

このasmr動画が展開しうる目に見えない空間?は、現代の公共空間(都市空間)とは、異なった様相を呈すもの。

アナウンス、広告による騒音に溢れ、自分の周りには知らない人達が蠢くような、ある意味で気味の悪い空間(ゲゼルシャフト)とは明らかに異なっているのである。

どちらかと言えば、親密空間に近いだろう。

そしてさらなる特徴として、asmr動画では、

視聴者は「私」であるだけでいいのだ。

つまり

余計な肩書や能力や、地位や、それらに関係するものを捨て去ってなお、asmr動画の(特にシチュエーション系)の中の人物は、視聴者に間接的ではあるが、触れてくれる。勝手に役割が付与されるということだ。

まさにこの「『私』であるだけでいい」というのが、ラノベ化の特徴の一つともえいる。


イヤフォンをつけた瞬間、物語(シチュエーション)が、音の中からやって来る。

ラノベと一緒だ。クソみたいに退屈な日常に、突然!世界の命運を握っている少女(少年)がやってくるのだ。

そしてその非日常的体験が終われば、主人公はまた日常へと帰っていく。

その非日常が、あまりにも日常からかけ離れているの場合があるのもポイントだ。

ラノベよりラノベなASMR


しかし、今までの述べてきたようなASMRは、ライトノベルよりもある意味「ラノベな代物」と言える。

つまり、「私は私であるだけでいい」の重要性がより一層増すということになる。

なぜか?

それは、「私(あなた)」は、ライトノベルのようにその物語から、最初から排斥されているわけではなく、むしろその物語(シチュエーション)に内包されているからだ。

私(あなた)が、その「▷」を押して初めて、そのシチュエーション系asmrは始まる。当然のことだ。

繰り返すが、ページを開いてもあなたはライトノベルの一人物には成り得ない。

あまたはナツキスバル(リゼロ)にもならんし、シンエイ・ノウゼン(86)にもならないし、戸塚彩加(俺ガイル)にならんし、アクセラレータ(とある)にもならないし、ましてやモブにもならない。

ところが、あなたがその動画をクリックした瞬間

それはラノベの小説をめくるがごとく、異世界が向こうから登場し、更には、あなたはたちまち主人公にさえなってしまう。


ところで、「3DASMR」というものをご存じだろうか?

なんということでしょう。音だけではなく、「私(あなた)」という存在が、その物語の中でより意味を持ってしまっているではあ~りませんか!。

(3Dモデル)の彼・彼女たちが動き、私(あなた)もまた多少は動くことができる。まぁ自力ではないが・・・。


彼らが私(あなた)に働き替えるのではなく、あたかも私(あなた)が彼らに働きかけているようにさえなっているシチュエーション系asmr動画さえある。

私(あなた)の役割が増大し、物語の軸を構成しつつさえある。

(自分が耳かきされるのではなく、耳かきする側になる設定が今までにあったろうか!?)



まさに、最近のasmr動画は、ライトノベルよりもラノベらしいのだ。


これからのASMR

では、これからのASMRがどうなるのかについて、少し。

asmrがyoutubeでもメインジャンルになってから、約10年ほど。

現代はモノの流れが、とにかく速い。おそろしく速い。企業の寿命もどんどん短くなっている。

もしかしたら、すぐにこのASMRは衰退していくかもしれないが

私はそうは思わない。

このASMRの発展は、今の若者を中心として、恋愛への消極化や現実世界での世間の消失、集団の消失、個の強化、インターネット、スマートフォン、wi-fiの発達などが関係していると感がられる。

特に後ろ五つは、これからもその傾向が強まっていく予想される。(直線化はあまりよろしくないが)

コストパフォーマンスを、恋愛に当てはめはじめた世代は、当然、自分が「容易に」癒しを得ることが出来るものへ向かうだろう。

ASMR(特にシチュエーション系)は、その癒しを得るものとしては格好の手段だ。普段の動画だけでなく、ライブストリーミングも行なわれている。

ソードアートオンラインのフルダイブの様に、意識が完全に異世界(asmr)に吸い込まれてしまうもの(オーグマ―?)が開発されてしまうかもしれない。

さて

そしてそれを投稿している主(女性が多い)も、この仮想世界で、自分が構築した集団、コミュニティ。地位をそう易々と手放すとは思えない。

それが利益につながるのなら、尚更だろう。

現実世界での関係が稀薄になりやすい現代だからこそ、このようなASMR投稿主、及びシチュエーション系asmrが増えているとも考えられる。

ASMRを介した世界は、現実とはやや断絶しながらも、その中で程よい?需給が成り立っているように見える。

彼(彼女)が居ない者には、慰めを。認められるという欲求が欲しい者には登録者数と賞賛を。


ASMRは、視聴者にとってのラノベのようなものに見えたが、

それだけでなく

投稿主にとっての「ラノベのようなもの(異世界)」を与えてくれるものでもあるのかもしれません・・・。


これからのasmrの動向をぜひとも見守っていきたい(何様だよ)



今日も大学生はくだらないことに糖分を使う。


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