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フランス語日記:❶

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条件法の従属節には、どうして半過去が使われているのか?

あれ?どういうことだ…?

フランス語の条件法を勉強している時にビビった。

条件法は英語で言う仮定法みたいなもので、今ここに存在しない可能世界的視点でものを言う表現だ。

しかし、フランス語の場合

主節の前の従属節には「直説法半過去」が使われている。

現在を述べる為の「直説法」が、何故可能世界を条件付ける従属節に使用されているのだろうか?

英語の場合

英語の場合フランス語の条件法にあたるものは「仮定法」になる。

この仮定法にもフランス語と同様二種類存在し、

開いた条件法と閉じた条件法の2つが存在する。

なぜこのように呼ぶかは一旦置いといて、

閉じた条件法を見てみよう。

例えば、

If it were not for the sun, almost all animals on the earth could hardly live .

という文。

注目してほしい部分は、従属節の部分(左のやつ)です。

「If it were not for the sun,」には、be動詞の過去複数系が使われています。

もちろんこれは、後続する表現が「現実世界」のことではないですよ~と条件づけるためです。

現実世界をW1、可能世界をW2としてみましょう・・・。

W1には太陽が存在していますが、W2には太陽が存在してません。

W2ではその結果として、ほとんどの動物の生命維持が困難だということになる。

半過去

フランス語の場合、条件法(仮定法みたいな)の従属節には「半過去」が使用されます。

例文を見てみましょう。

Si j'étais riche, je ferais la tour du monde.

先ほどと同じく左側が従属節、可能世界の条件づけの為のものです。

しかし、半過去はあくまで「直説法」のカテゴリーの中。

この点で言えば、開いた仮定法のような、現実世界との地続きのような感じがします。

ここで引用。

上の図のzone1は発話時現在t₀に視点を置いて眺める世界で、zone2は過去のある時点t₁に視点を置いて眺める世界です。話し手はzone1からzone2に移動するとき、過去の世界に身の心もワープします。過去の世界とはあり得た世界の一つであり、それは「もし恐竜が絶滅していなかったら」という世界(可能世界といいます)と本質的に変わるところではありません。東郷雄二、2011、「2課 こうありえたかもしれない世界」、『中級フランス語 あらわす文法』、白水社、173-174

「直説法半過去」は時制において、zone2(可能世界)に存在していると東郷雄二さんは提示しています。

複合過去(別の『過去』を表現するもの)とは違って、「半過去」は単に過去を表すだけではなく、「今ここではない何処か(可能世界)」を表現することができるということだと私は思います。

複合過去と半過去は大体同じだろと思っていたので、これは大きな収穫です・・・

すると、先ほどの

Si j'étais riche, je ferais la tour du monde.

もなぜ「半過去」が使われている理由が分かった気がします。

「半過去」の可能世界の中の時制という性質が、これを条件法の従属節に使うことを可能にしているのかな・・・?


と、今日も外国語の勉強に一大学生は四苦八苦している。


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