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浅岡雄也 13thアルバム「世界の果てで逢いましょう」ライナーノーツ By 斉田才【追記】
2023年4月8日、浅岡雄也13枚目のソロ.オリジナル・アルバム
「世界の果てで逢いましょう」がリリースされた。
前作アルバム「アナタトミライヲ」のリリースが2017年10月22日リリースだから、5年6ヶ月振り、実に足かけ6年振りのニューアルバムである。
![](https://assets.st-note.com/img/1681948365321-Ouo0pU4vPU.png?width=1200)
コロナ禍での3年間があったにせよ、待たされたファンの皆様
ご苦労様でした、と言いたくなるインターバルである。
もちろん、その間2020年のベストアルバム
「浅岡雄也Extra Rare Best」リリース、
またField of View 再復活、
2022年9月には 20年振りのニューシングル「きっと」も出し、
コンスタントにライブ活動も続けてきた。
そして、浅岡雄也はこの6年間で50代に差し掛かり、
このアルバムはソロ・デビュー20周年記念作となる、いわば大作である。
しかしながら、実際この私は
ライナーノーツに取り掛かるのに躊躇したのである。
それは何故か?
一にも二にもオープニング・トラックの
「Rock’nRoll EndRoll」である。※リンクはデモトラック
いきなりノイジーなギターリフと浅岡の雄叫び、
そしてやけにロックンローラーな歌声と挑発的な歌詞、
「一体、どうしちゃったんだ、この男は!?
J-POPじゃない ロックな浅岡雄也!?」
そういえばギターを抱えたモノクロのジャケット写真も
心持ちリーゼント的なロックンローラー・スタイル、
ボーカルだってガナリが入ってるゼ。ええ〜ああ〜(驚)っと、、
美しい高音を駆使したいつもの歌声を期待した私の希望は
無惨にも打ち砕かれた。
M-2、M-3辺りで若干の落ち着きを得たものの、
その後も様々なスタイルの楽曲がミシミシと現れ、
80’s風なナンバーもあれば、昭和歌謡的なスタイル、
ビーチボーイズ風なコーラスが美しいナンバーなど、はまぁいい。
だが、いまだかつてなかったような
ダークテイスト・ナンバー
M-8「誰の為に愛を知る」
またもやニューウェーヴ・パンクな
M-9「R&R cRAzy」とか、
アコースティックな
M-10「ラララ セカイ」とか、
多様だ多彩だ、振り幅が広いと言えばきこえはいいが、
なんという節操のない音楽性!
これを全13曲一枚のアルバムに詰め込んでこの曲順である。
ここ6年間の浅岡雄也の進化と深化と変化の集大成のアルバムである、
と 位置付けるしかないじゃないか、困惑しながらも。
というわけで普通、ライナーノーツというのはそのアーティストの
良い部分を忖度しながら褒めちぎるのが常套手段なのである。
だが、
しかし今回のこの
不吉な13thアルバムは、どうしても
「浅岡雄也の最高傑作!」
「稀に見るポップな売れ線間違いなし!」
といった表現を 拒絶 する。
一言で言うと、アーティスティックなアルバムである。
本人も「もうやれないことは何もない」と決意して
素の全ての才能を引き出して臨んで出来たアルバム
ということになるだろう。
また、ここ数年の彼のライブに参加し、
披露してきた新曲収録曲を体感してきたコアファンなら
大いに納得できる作風であり作品だが、
ストレートな高音ボーカルの響きを期待していた向き
(私などは特にそうだ)には、
エンターテインメント性の少ないアルバムと捉えられるかもしれない。
というわけで、色々考えて引き合いに出すとした。
そうだ!「これは浅岡雄也にとって
ビートルズ「ホワイトアルバム」なんだ!」
というところに落ち着かせよう。
![](https://assets.st-note.com/img/1681948075553-OVj50PM7Xq.png?width=1200)
(ビートルズが1968年にリリースした2枚組アルバム
「ホワイトアルバム」は、当時彼ら自らが設立したアップルレコードからの第一弾アルバムで、その多彩すぎる楽曲群をまとめあげるのに
当時のプロデューサーだったジョージ・マーティンはかなり頭を悩ましたと、言われている。が、結果、現在となってはその多彩さ故に名盤アルバムとして後世のロック・アーティストへの影響力は計り知れない
確かに、何度もリピートして聴き込んでくると
段々最初の衝撃度よりは、じわじわとアルバムの味わい深さが出てくる。
そしてまた、このアルバム収録曲が近年の彼のライブ活動によって育まれ
培われたものであることは、先日我がライブハウスhillsパン工場で行われたアルバム発売記念ライブにて確信へと変わった。
実際、ものすごくバンド演奏も歌声も素晴らしいライブだったのである。
また、ひょっとしたら20年振りに再始動し
活動が本格化したField of Viewの復活も、
より ソロ・アーティスト浅岡雄也
としての表現領域を押し広げた要因なのかもしれない。
そして令和5年4月20日 追記がやってまいりました(≧∇≦)/
***********追記来ました!!!!
M-01 Rockn’ Roll EndRoll
アルバムのオープニングを飾るのは、いきなりの浅岡流R&Rナンバー。
ノイジーなギターリフに豪快なバンドサウンドのオケ、
それに対峙(たいじ)するワイルドなボーカルは、
今までの彼の爽やかなボーカルスタイルのイメージとは一線を画する。
何せガナりはあるわフェイクは入るわガムシャラ感が滲み出てくる歌いっぷりには、彼のルーツにロックがしっかり息づいているのを感じさせる。
(ただし、メロディーはあくまでポップなテイストを維持しているのはメロディーメーカーとしての浅岡雄也の資質であろう)。
歌詞の世界観もビターな風刺精神をもって描かれており、ここ数年の混沌(こんとん)とした世界情勢を肌で感じた
50代男の意気込みが感じられる意欲曲。
M-02 Revolution〜No15~
オープニング・トラックで意表を突かれたリスナーは、
2曲目のこの曲で安堵のため息をつくことだろう。
この軽快でポップ、かつ前向きな歌声と歌詞こそ
浅岡雄也の面目躍如たる本質じゃないか、と筆者などは思うのだが
この曲は12thシングルとして2018年3月にすでに発表されていることを思うと、本人としては すでに新しい自らのスタイルへの変化
を好んでいるのかもしれない。
しかしながら、この包容力のある強くしなやかな歌声、
ストレートに響く高音の美しさ、
十分に時代を超越して価値あるボーカルである。
M-03 マヨワズユコウヨ マヨイナガラ
牧歌的なイントロから始まるこちらもミディアムテンポで優しい浅岡の歌声が堪能できる甘く切ないラブソング。
彼の楽曲タイトルの特徴としてカタカナだけのタイトル曲というのが数多く存在するのだが、これもロマンチストな彼の本質の一端を表現する楽曲群の一曲として外せない手法であろう。
各楽器のバランス、ストリングスの響き、
盟友 馬場一嘉との共同アレンジも絶妙に光る一曲である。
M-04 Never be‥(透明な)
この勢いのあるナンバーは、まるで自らの世代年代を超越した若々しさに満ちていて、浅岡雄也の魅力の一つでもあるピュアネスの結晶のような佇まいを見せている。
こういう前向きなラブソングは絶対にみんな好きに違いないのだ。
随所で聞かれるビーチボーイズ風コーラスワークが
これまた楽曲に華やかさを添えていてイイね!
M-05 誰かが待ってるんだ
いきなりイントロ無しで歌い出しサビメロタイトルから入るこの曲は、
まさにビーイング系直系の手法。
直球勝負のポピュラーソングは、メロディーメーカーとしての浅岡雄也の表現欲求がまだまだ絶好調にあることを窺わせる。
勢いよくバンドサウンドをまとめるセンス、
エンディングのコーラスアレンジなど、
ポップなプロデューサー的側面を伺わせる王道ナンバー。
M-06 アナタイナイ世界
この曲のイメージ、特にイントロからAメロ辺りに80’sYMOフリークだった浅岡のメロディー片鱗(へんりん)が伺える。
高橋幸宏的というか、特にリズム隊の活躍(セキタさんのベースラインとか!)がこの曲を既存のポップソングの位置付けから逸脱している。
ただ、サビメロ辺りでは張りと伸びのある雄也節が楽しめるので、
これは本人も気持ちよく歌えてライブ映えするナンバーとなるのでは。
(というか、もうすでになっている!?)
エンディングのフリーキーなバンド演奏も今時にないテイストで楽しい。
M-07 ソラシド令和の歌
ソラシドと歌い出しメロが上がってくるところからこのタイトルが出てきたのは興味深い。何でも浮かんできたメロディーもフレーズも曲にし、
歌詞にする、その貪欲な姿勢、というか曲になり歌になってしまう日常というのがアーティスト浅岡雄也そのものなのだろう。
彼の歌詞には、平成、令和といった元号もいくつか見受けられるが、やはり昭和長男世代の男には、平成、令和といった変化には何かしらの思い入れがあるのだろう。このなんとも言いようのない哀愁感漂う歌詞世界には、
ただ夢や希望だけを快活に歌うアーティストの姿ではなく、
普通に悩み、諦め、それでも生きている等身大の一般人、
浅岡雄也像が見え隠れする。
こんな世界観をてらいもなく歌えるようになった自然体、
その先には何が見えているのだろうか?
M-08 誰の為に愛を知る
このアルバム中最も物議を醸(かも)すであろうダークな問題作と言ったらこの曲だろう。のっけからヘビーなサウンドにミディアムスローなテンポで歌われるマイナーな曲調のナンバーは、歌詞もまたとことんヘビー。
これは果たしてラブソングか? 決して耳障りが良くないサウンドは後半につれて更にカオスの度合いを呈し、歌声すら最期には感情の発露のような響きに変わる。 昔、井上陽水というアーティストが「人生が二度あれば」という名曲ですすり泣いたように、この曲は浅岡雄也の「闇」であり、彼の救われない愛情の吐露という意味合いで非常に重要かつエポックメイキングな楽曲。
M-09 R&R cRAzy
浅岡雄也がテクノ好きであり、若かりし頃にはニューウェーブやV系バンドに所属していたという事実はファンの間では広く知られているところではあるが、この曲はそんな彼のティーンエイジャー時代心理を掘り起こしたようなナンバー。まるでカーズやB-52を思わせるようなピコピコキーボード音にニューウェーブ系のゴリゴリリズム、そしてパンキッシュな歌い方と、70年代後半〜80年代前半の音楽シーンを通過した者ならば一度は経験したであろうサウンドの宝庫、そのごった煮サウンドはまさにクレイジーがかってる。途中で「誰もが神なんだ」と叫んだり、ビートルズのワンフレーズを口づさんでいたりとブッ飛んだ楽曲である。
M-10 ラララ セカイ
基本的にアコースティック・ギター一本で全編を貫いているフォーキーなナンバーは近年、浅岡がシンガーソングライター大柴広己のイベントにアコギ一本で登場するようになった影響か。
ただし、フォーキーとは言っても そこはシンガーソングライター系の曲作りとは一線を引くポップメロディーメカー。
ラララとメロディーを紡いで聴かせてしまうその力量と世界観には、
微笑ましささえ感じさせて無邪気だ。
M-11 君の翼で
この曲は、すでに2019年1月には13thシングルとして発表され、ライブでも何度となく演奏されているが故にファンにとってはお馴染みのナンバー。パブリック・イメージとしての浅岡雄也を伝えるなら真っ先にこの楽曲を推したくなる。し、FIeld of Viewのボーカリストとしてのスタイルを正当的に踏襲しているとすれば、やはりこういった楽曲&ボーカルは外せない魅力である。「伝家の宝刀」曲として歌い続けていただきたい。
M-12 Rainbow〜あの虹の向こうへと〜2023
この曲もかなり以前から存在する楽曲で、初出は2014年7月の8thシングル曲としてリリースされている。今回は2023年Ver.として再登場しているが、ということは本人としても非常に大切に育ててきた楽曲としてお気に入りなのだろう。雄大かつ希望に向かう(ところどころ疑問を挟みながら)といったひたむきさと前向きさ、これである。
これなくしてソロ・アーティスト
浅岡雄也の表向きは完結しえない安定楽曲。
M-13 世界の果てで逢いましょう
エンディング・トラックは、アルバム・タイトル曲。
それだけでアーティストの深い思い入れが分かるというものであろう。
しかも6分32秒という長尺の大作。
ここまでアルバム中バラードらしいバラード曲が一曲も歌われていないのも珍しいが、この曲が現在進行形2023年54歳の浅岡雄也そのもの
を表現した、まぁバラード曲と言えるだろう。
しかも、これはただのラブソングではなく、
彼の歴史観、人生観、さらには宗教観までもが凝縮&表現されている。
人生半ばを過ぎた男(アーティスト)が表現しうる
ありったけの愛情溢れる作品、彼に悔いは無いはずだ。
2023年4月20日 音楽評論家 斉田才
*************
あえて、問題作と言ってしまおう
浅岡雄也50代最初の鐘を鳴らす力作
「世界の果てで逢いましょう」。
耳が疲れ果てるまで
存分に味わい尽くそうではありませんか。
![](https://assets.st-note.com/img/1681948678925-gbpq1yc5e9.jpg?width=1200)
世界の果てで逢いましょう
M-01 Rockn’ Roll EndRoll
M-02 Revolution〜No15~
M-03 マヨワズユコウヨ マヨイナガラ
M-04 Never be‥(透明な)
M-05 誰かが待ってるんだ
M-06 アナタイナイ世界
M-07 ソラシド令和の歌
M-08 誰の為に愛を知る
M-09 R&R cRAzy
M-10 ラララ セカイ
M-11 君の翼で
M-12 Rainbow〜あの虹の向こうへと〜2023
M-13 世界の果てで逢いましょう
2023年4月19日
音楽評論家 斉田才
iTune他で聴けます!https://t.co/gjqaxF3t5N https://t.co/CfuTCKiKdk
— 浅岡雄也 / u-ya asaoka / #uy20th /#FIELD_OF_VIEW (@uyax_asaoka) April 20, 2023
DEMOを先にリリースして〜のスタイルw
これからも そうして みようかな?
なんて思ってます(≧∇≦)/
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