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小学生ロボコン2023全国大会レポート

こんにちは、エンジニアの花守です!

寒さも厳しくなり、おうちで温まりながらのものづくりが楽しくなる季節となりましたが、皆さんはいかがお過ごしでしょうか?

ユカイ工学の教育事業「kurikit」ではこれまでに、小学生ロボコンの企画や運営等に協力してきました。2023年5月から動き始めた今シーズンも、ルールの検討や公式キットの開発、大会運営のお手伝いなど、1年間で様々な部分に携わらせていただきました!

そんな1年間の集大成となる全国大会が、11月19日に池袋サンシャインシティにて開催されました。今回は、冬の寒さをものともしない小学生達の熱い挑戦をお届けします!

小学生ロボコンとは?

小学生ロボコンは、全国の小学生を対象としたロボットコンテストです。

2020年から始まった小学生ロボコンも今回で5回目。今では、各地で地方予選会が行われ、北海道から九州までの様々な地域の小学生が参加する大きなコンテストとなりました。

参加する小学生達は、毎年変わるルールに沿ってロボットを製作し、そのアイデアを披露します。

▲熱戦の様子はこちらからご覧になれます!▲

全国大会とは?

2023年7月に各地で行なわれた予選会を勝ち抜いた18名の小学生が3人1組のチームを作り、協力しながらアイデアを競い合うのが小学生ロボコン2023全国大会です。

参加者たちは、事前に行われた全国大会事前キャンプで初めてチームメンバーと顔を合わせ、そこから約1か月間オンラインでやり取りをしながらロボットの製作・改良を行ないました。

全国大会事前キャンプの様子はこちらから

全国大会の会場は昨年と同じく池袋のサンシャインシティ。MCを務めたのは、小学生にも大人気のお笑い芸人、サンシャイン池崎さんと、いつも小学生の挑戦を優しく楽しく応援する高橋あやなさんです。

高専ロボコンや学生ロボコンなどの運営にも携わる大人たちが、小学生たちの晴れ舞台を全力で作り上げています。見る人にとっても参加する人にとっても、ものづくりを楽しめる大会となるように、大人も子供も本気です!

大会を作る側の目線
フィールドを囲む誰もが真剣です

大会ルールと見どころ

全国大会のルールは「サンプルリターン!~はるかかなたの生まれ故郷へ~ 」。3台のロボットで、宇宙に漂う小惑星等に見立てた紙コップを、地球に見立てたスタートゾーンに持ち帰ります。2チームが順番、もしくは同時に競技を行なうことで勝敗を決める形式です。

高いところに吊るされたサンプルをどのように取得して持ち帰るのか、3台のロボットがどのように連携するのかがポイントになります。

今回の競技フィールド
各所に配置された紙コップを水色のスタートゾーンに持ち帰ります

また、全国大会では地区予選に無かった「プログラミングロボット」が登場します。各チームに1台ずつ配布されるプログラミングロボットには金色のサンプルが吊るされており、競技中は相手のフィールド内で動かします。

搭載されたセンサーで自分の位置や相手の位置を把握しつつ、サンプルを取られないように動くことができるかがポイントになります。

全国大会から登場するプログラミングロボット

大会の様子

テストラン

参加者たちは大会前日に集合し、ロボットの計量計測や事前準備、テストランなどを行ないます。テストランとは、参加者たちがルールに従ってロボットを作っているか、ルールに従って試合を進められているかを確認するための大切な試走会です。

ロボットが家で練習していた通りのパフォーマンスを発揮できるかの確認でもあるため、参加者たちの表情は真剣そのものでした。

参加者を待ち望むテストランフィールド
なんだか早く回収してほしそうな雰囲気を醸し出しています

緊張感のある中で順番にロボットチェックをこなす参加者たち。大きなトラブルもなく、無事に検査を通過した選手たちは安堵するのもつかの間、空いた時間でプログラムの調整やロボットのメンテナンスに取り組んでいました。

翌日の本番を全力で楽しむための調整は、解散予定時刻のギリギリまで続きました。

真剣な面持ちでロボットを調整する参加者
ロボットによってはシビアな調整が必要なことも

予選

いよいよ試合開始です!
まずは1チームずつ順番に競技をこなして、決勝戦を行う上位2チームを決めていきます。

一試合目から会場を沸かせたのがチーム「たいやき」です。2台のロボットがにょきにょきと伸びて高いところにつるされたサンプルを落とし、スムーズな連携でスタートゾーンに持ち帰っていきます。

大きな伸縮で注目を集めたチームたいやきですが、もう一つの大きな見せ場が。フィールド中央に移動した銀色のロボットが、上空めがけて球を発射!
1mも上にあるサンプルを、撃ち落とすことに成功しました。

次々と繰り出される大技や、チームメンバーの華麗な連携に、MCのサンシャイン池崎さんも圧倒されていました。

チーム「たいやき」の競技の様子
作業を分担することで効率的にサンプルを回収しています
球を射出する瞬間を激写した貴重な一枚
中央のロボットが最も高い場所のサンプルを撃ち落としました

その後も面白いロボットが続々と登場していきます!

こちらのロボットは、段ボールのギザギザを利用した歯車でアームを上下させるロボットです。手軽に手に入る材料で実際のロボットに使われるような部品を作ってしまった技術とアイデアに、大人も子供も驚いていました。

段ボールで作った歯車を利用したロボット
まっすぐスムーズに伸ばすことができるのが特長です!

上下に伸びる以外にも、サンプルを掴む機構やデザイン、ロボットから分離させるアイテムや試合運びなど、随所にそれぞれの個性がちりばめられていました。
サンシャイン池崎さんも、ロボットに近づいて食い入るように見つめる程に、熱中していました!

サンプルを掴むためのハンドが搭載されているロボット
2本の指でがっしりとサンプルをキャッチする姿が素敵です!
黒で統一されたスタイリッシュなロボット
差し色に入っているイエローがとってもオシャレです!
火星探査機に見立てた物体を切り離してサンプルを回収するロボット
ルールのテーマでもある「宇宙」にちなんだ機能とデザインが光ります!
ロボットを食い入るように見つめるサンシャイン池崎さん
工夫の詰まったロボットには人を引き寄せる引力があります

魅力あふれるロボット達の活躍に時間を忘れて熱中していると、あっという間に予選が終了してしまいました。

決勝戦に出場できるのは、2回の競技の得点の合計が上位の2チームとなっているため、残念ながらここで敗退してしまうチームもあります。ですが、それぞれのロボットの魅力やチームの一体感は、会場の皆さんの心をしっかりと掴んだようでした。

決勝戦

魅力満点のロボットが熱戦を繰り広げた予選が終わり、いよいよ決勝戦が始まります。

決勝戦からは、対戦する2チームが同時に競技を行ないます。これにより、これまでの予選にはない緊張感が生まれます!

決勝戦でぶつかり合うのは、予選で1000点を超える得点を叩き出した「SPACE PROJECT DMYY」と「STARBACKS 」です。

SPACE PROJECT DMYYは病欠によりメンバーが1人少ないながらも、高い精度の射出機構、安定した上下機構、2人の徹底した連携によって高得点を安定して叩き出して来ました。

SPACE PROJECT DMYYのロボット達
高所のサンプルを安定して落とす緑のロボットと、大きな体で落ちたサンプルを回収する白のロボット、2台の連携が見事です!

対するSTARBACKSは、担当する高さやエリアをうまく分けた連携で高得点を記録してきました。地面に置かれたサンプルの回収、フィールド中央のサンプル回収、高所のサンプル回収を3台のロボットで分担し、見ていて心地よい回収を行ないます!

STARBACKSのロボット達
それぞれのロボットがしっかりと分担して回収していることが画像から伝わります

試合運びもロボットの機能も全く異なる2チームの得点レースは、大接戦でした!
片方のチームが高得点のサンプルを落としたと思えば、もう片方が回収を進める、抜きつ抜かれつの試合展開。会場が一体となって、彼らの検討を応援しました!

見事に熱戦を制したのはSTARBACKSでした!
スコアは何と 1080 対 1030 。見ていて熱くなる熱戦を繰り広げた両チームに、惜しみない賞賛の拍手が送られました。

喜びを爆発させるSTARBACKSのチームメンバー
おめでとうございます!


表彰式

SPACE PROJECT DMYYとSTARBACKS が繰り広げた熱戦の熱が落ち着いてきたころに、参加者たちのこれまでの努力を称える表彰式が始まりました。
得点を決めるロボットや面白いロボット、見た目がかっこいいロボットや動きのユニークなロボットなど、様々な魅力に溢れたロボットを前にした大人たちは「全員に賞をあげたい…」と頭を悩ませました。

まずは、優勝チームであるSTARBACKSに賞状が送られます。

次に、プログラミングロボットの動きや工夫を称える「プログラミング大賞」、各協賛企業から送られる「特別賞」、参加者全員の投票によって選ばれる「MVR」などの賞が発表されていきます。

そして最後に、最も栄えある賞として設けられた「小学生ロボコン大賞」の発表です。まず初めに、個人に贈られる「小学生ロボコン大賞:個人部門」が発表されます。

小学生ロボコン大賞:個人部門を受賞した田中 翔さんのロボット
はやぶさを模したイオンエンジン、スラスター、インパクター、カプセル…など、随所にサンプルリターン愛が溢れるロボットでした!

見事小学生ロボコン大賞:個人部門に輝いたのは「田中 翔」さんです!
サンプルリターンの代名詞ともいえる小惑星探査機「はやぶさ」を模したデザインや機能が、会場の人々の心を掴んでいました!

見事、チーム部門に輝いたのは、チーム「STARBACKS」でした!
優勝に輝いた得点力だけでなく、サンプルリターンというルールのテーマに沿った「丁寧なサンプルの回収」が高く評価されての受賞となりました。

小学生ロボコン大賞:チーム部門を受賞したSTARBACKSのロボット
サンプルを落としてから回収するチームも多い中で、ロボットの中にサンプルを蓄えてから丁寧に地球に持ち帰る機構が際立っていた印象です!

こうして、小学生ロボコン2023の全ての行程が終了しました。
嬉しさ、悔しさの詰まった参加者の皆さんの様々な表情が、これまでの全力疾走を物語っています。皆さんが熱中する大会に関わることができたのが、何よりも嬉しかったです!!!

▲実際の大会の様子はこちらからご覧になれます▲

おわりに

この1年間、ワークショップや各地の地方予選会、キャンプや全国大会で一生懸命にロボットを作る方々を見て、作りたいもの、やりたいことは本当に人それぞれであることを痛感しました。

そんな皆さんのそれぞれのゴールと、そこへ楽しみながら突き進む熱量が伝わって、この小学生ロボコンが出来上がっているのだと思います!

今大会の結果に関わらず、小学生ロボコンに向けてものづくりに挑戦した全ての方々が、またどこかで何かを作りたい!と思えるような大会にしていきたいと考えています。

これからも、小学生ロボコンを通してより多くの方々にものづくりの楽しさを伝えるために、全力を尽くしていきます!

次回の小学生ロボコンについて

小学生ロボコンは来年度も開催予定です!
今年度と同様のスケジュール感で、5月頃に大会ルールが発表された後、夏から秋にかけて予選会、11月ごろに全国大会が開催される予定となっております。

また、この大会に参加した小学生たちの挑戦の軌跡を捉えた番組がNHKのEテレにて、12月23日(土) 午後4:15 〜 午後5:00に放送される予定です。是非、ご覧ください!(番組公式サイトはこちら

この記事を読んで小学生ロボコンに参加したくなった方は、公式サイトやX(旧Twitter)の情報をチェックしてみてください。

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