会社名決めジャーニー
会社名を決めるって実際やってみると意外とすごく大変だったので、
思考回路と軌跡を残しておきます。
足切り条件:使いやすい名前
個人事業主時代の屋号の気づきを活かして、
まずは「これはやらない」という足切りマスト条件を整理しました。
対人
名刺交換時の「●●(会社名)の○○(名前)です」の数秒間がスムーズでお相手を待たせすぎない
「●●(会社名)さん」と擬人化して呼ばれても違和感ない呼称
領収書をもらうときレジでモタモタ時間をとらないシンプルさ
音節
3音節以下
高低アクセントはつづく名前と滑らかにつなげたい
(将来的に入ってくるかもしれない他の苗字は一旦無視)
誤解を招かない
人によって解釈がズレる難しい単語は使わない
(個人事業主の屋号に「design」を含んでいた意図としては「設計する・組み立てる」といった意味だったのですが、一般の方からは「(ビジュアル)デザイナーさんなんですね!」といった認識のされ方をしたり、
デザイン専門畑の方とはことばのニュアンスの擦り合わせがやや難しいと感じたことがあったので、気をつけてました)
面倒くさくない
「11-design」は数字とハイフンを含むので、複数のキーボードを切り替えないと入力できなかったり、銀行など一部の登録で記号が使えない制約があった
数字からはじまると「え、なんて読むの?」の戸惑いが生じる(「いいデザイン」だと思われていたw)
魅力条件:大事にできる名前
これから長い付き合いになるであろう会社名で、人生で初めて立ち上げる自分の会社なので、愛着を持てる名前にすることは大事にしました。
意味がある
事業内容、創業のストーリー、MVVが投影されている
初見でなんとなく方向性がイメージできる
創業者(自分)のキャラと乖離しすぎない
命名の由来が短く説明できる
由来を聞くと名前が思い出しやすくなる(捻りすぎてない)
汎用的である
現在のメインのUXコンサルティング事業だけでなく、サブ事業も含める
時代の流れやトレンドで事業の方向性、単語のニュアンスが変わることもあるので、本質的で寿命の長い社名にする
直接的・限定的・専門的すぎる用語は使わない(「UX」とか「ユーザー」とか自分の名前とか)
音が親しみやすい
呼んだときの印象が柔らかく、いかつさや圧がない
濁音、破裂音はできるだけ避ける
四角いより丸いイメージになる音の並び
丸みと柔らかさがあって自分の両手に抱えられる大きさと手触り感が欲しい
(音声言語学豆知識)濁音、破裂音を含む名前は男性的な印象を与えます。(イレブンデザインは3つも濁音が入ってた!)
自分ごと化できる
壮大な抱えきれないものを背負う看板にはしたくない
(WorldだとかLifeだとかは入れられない)固くて角ばって強いものにしたくない
(架け橋とか)
グローバルで使える
英語圏の人にあまりにも苦労しない
(そのまま英単語じゃなくても、まあ許容範囲の摩擦レベルで収まる)大文字、小文字の組み合わせが読める
(英語圏アンケートのりちゃんにお願いしました)
ブレストプロセス
ざっくりと足切り条件と魅力条件を決めて、実際の会社名を決めるプロセス
紙に書く
アナログだけど、やっぱり一番はこれ。
言語化できないイメージも含めて視覚化できるので便利。
図を書いたり、思いついた単語を英語で調べてみたり、語源や類語を引いてみたり、ひらがなにしたりアルファベットにしたり、2つの単語をつなげてみたり。
本を読む
繰り返し読んでいる仕事の本、ルーツである前職ビービットが出してる本、コピーライターさんが書いたネーミングの本などからヒントを探りました。
完全に積読してた「質的研究入門」という分厚い本を何もみずにバッと開いてみて「この見開きの中の単語でヒントはないか?」というのも試みました。
ChatGPTにきく
アイデア出しのブレスト壁打ち相手としては使わない手はないので。
ビジョン、事業内容、価値観、創業者のストーリーを読み込ませて、日本語と英語でいっぱい作ってもらいました。
直接使わなくても、思考の刺激やヒントになって別の表現が想起されたりしました。
声に出す
音としてのしっくり感をだいじにしたかったので、
1人でぶつぶつ声に出してみてました。
行き詰まったら外に出て、歩きながら自転車乗りながら思考。
「メインの単語の前か後に一文字足してどうなるか?」を五十音順に言っていったりしました。
(「あのう」「いのう」「うのう」…)
2日間くらいうんうん唸って
最終的にはお風呂に入ってる時に「のうる」がふっと降りてきて、
「あれ、すごくしっくりくるかも。引っかからない。いいかも!これかも!」となりました。
アイデアは移動中(電車の中)やリラックス空間(お風呂やトイレ)に思いつきやすいというのは本当ですね。
同一会社名をチェック
同じ住所、同じ業種じゃなければ同一の会社名でも問題はないのですが、混乱を招かないためにもなるべく他社さんと被らない名前を探しました。
日本語ではGoogle検索と、国税庁の法人番号公表サイト で調べました。
英語で海外の会社もチェックしました。
このプロセスは一筆書きでスッといったのではなく、行ったり来たりしながらぐちゃぐちゃもがきながら進みました。
「knowl(ノウル)」の種明かし
では、最終的に生き残った
「株式会社knowl(ノウル)」にはどんな背景や由来を込めているのか、
は長くなっちゃったので、次の記事で!
最後まで読んでくださってありがとうございました!