コンビニ人間 感想文

普通って何?
普通は当たり前のことだ。説明はできないけど、一般的な感覚のことだ。
あー、曖昧だ。
マニュアルがあればいいのに。
だから、主人公はコンビニで普通の人間に慣れたのだろう。周りの環境によって、語尾や口調を変える。相手に共感する。
コンビニで、社会に求められる存在になれたのだろう。

大学生の時は、バイトをすることで褒められたのに。
歳を重ねていくと、バイトをしていることが心配される。恋人がいないことが心配される。私は変わっていないのに。
バイトのシフトに融通効かせると、店長が喜ぶ。人手不足だから。
白羽と同棲がバレると、仕事そっちのけで私に踏み込んでくる。人手不足なのに。

我々は日々、成長することを求められるのだろう。現状維持に満足してはいけない。自分で険しい道を求めている。何のために?周りに置いてかれないために。
たぶんこれは普通の感覚だ。
恵子にはその感覚がない。
アドラーの心理学によると、人の全ての悩みは対人関係によるものである。
その通りなのかもしれない。恵子は悩んでいないと思う。恵子の中には常に答えがある。でも、普通が邪魔をする。恵子は普通について悩んでいる。悩むことがないから。


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