流浪の月 感想文

事実と真実は違う。

事件の被害者だから、傷を負っているに違いない。普通の感覚?だ。
障害者は、可哀想だ。普通の感覚?か。
決めつけは良くない。わかっているそんなこと。今、まさに決めつけた。分かっていると。じゃあ、どうすれば良いのだ、全ての可能性を考えれば良いのか。会話ができなくなってしまう。
事実、事件の被害者だから、傷を負っている確率は高いだろう。障害者だから、不便を被っている確率は高いだろう。

少女誘拐したのだから、危険な奴だ。
DV男だから、危険だ。
更紗は文が良い人だと知っていた。世間から見たら危険なのに。更紗はずっと母に憧れていた。娘を置いていったのに。更紗は彼氏がDV男だと聞いていた。世間から見たらDV癖は繰り返されるのに。更紗にとってはどうでもいいのだ。事実と真実が異なることを知っているから。だから、彼氏から逃げない、DVされるまで。

真実はいつもひとつ。
メガネを掛けた少年のセリフだ。
自分は違うと思っている。真実は人の数だけある、事実はひとつだ。我々は事実から真実を推測するのだ。
事実と真実が合致する時もあるけれど、事実と真実が合致しない場合、真実を説明しようとはしない。面倒だから。信じてもらえない、言えないことがあるから。
追求しようとすると、立場によってはハラスメントになる。

真実は言えない。
本当は共感してほしい。
人は共感を求める生き物だ。
今日はアイスを食べて帰ろうかな。

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